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40.笑う蛇

南と出かけた翌日。

俺は宿でのんびり・・・できなかった。


「「クロ兄!!笑う蛇を探そう!」」

「・・・悪い。初めから説明してくれないと何もわからん」

「「あ、そうだった」」


この前少し大人びて見えると思った俺がバカだった。こいつらにどうやったら惚れるんだよ。ちゃんとしてくれ、クラスメイト君。

いや、まあ見た目は確かにいいと思う。背がそれなりに高いし。・・・俺が恋愛云々について何も答えはでない。考えるのをやめよう。


「で、蛇がなんだって?」

「昨日の迷宮で他の探索者が話してるのを聞いたんです」

「派手な格好をしてるのに、見つけるのが難しいらしいよ」


他人の話を盗み聞きするなよ。

ていうか派手な格好?蛇が?


「マキ、マイ。それじゃ伝わらない。蛇じゃなくて人間。情報屋らしい。笑う蛇っていうのは2つ名」

「ある程度はわかった、ありがとな。ただ、最初からセラが説明してくれれば良かっただろ」

「今起きたところ」

「それはすまん」


起きたばかりであの説明に入ったのか。状況把握能力高いな。

それにしても情報屋か。2つ名が付くくらいだからその能力は高いのだろう。


「で、何で探すっていう話になったんだ?」

「情報屋は本来どこにも属さず活動してるけど、条件によっては個人に雇われる情報屋もいる」

「特に知りたい情報はないと思うぞ」

「魔王の目撃情報とかは?」

「・・・」


なるほど。確かにその情報は必要だ。そう頻繁に関わりたくはないが、あまり魔王の名を持つ奴に暴れられたくないのだ。いくら魔王が数人いて、俺とは別人だとしても()()()が動いたことに変わりはない。無いようにはしたいが、俺が魔王だと広められた場合に動きにくくなるのは避けたい。

そういう意味では情報は必要だ。


「よし、探すか」

「「おお~!」」

「で、目立つ格好って言ってたが、どんな感じなんだ?」

「「・・・」」

「セラは?」

「私も知らない」


・・・見切り発車にも程があるだろ。


「そういえばシーアはどこにいるんだ?」

「まだ寝てる」

「まじか。・・・じゃあシュルトに聞きに行ってみる」

「ん、お願い」


《転移》


「シュルト、居るか?」

「・・・だから、何で魔道具が作動しないんだ?」

「何でだろうな」

「はあ。それで、もう出るのか?」

「いや、まだだ。少し聞きたいことがある。笑う蛇のことを教えてくれ。なんかこの町にいるんだろ?」


今は報告することもないので、さっさと本代に入る。


「・・・何で知ってんだ?」

「シーアたちが昨日迷宮に行ったんだが、そこで盗み聞きしてきたらしい。盗み聞きさせてくれるなんて親切な奴だな」

「・・・お前が育てた奴の気配に普通の探索者が気づけるわけがないだろ。はあ、実は国から笑う蛇が帝国に入ったかもしれないという報告が、昨日きたんだ。どこからかその情報が漏れたのかもしれんな」

「国から報告ってそんなに警戒してるのか?一情報屋に」

「国からしたら機密情報を持ってるかもしれない情報屋なんて、警戒にしか値しないんだよ」


それもそうか。金でその情報が買われてしまったら一大事だ。


「・・・もしかしたら、笑う蛇がわざと情報を流したのかもしれないな」

「なんでそんなことするんだ?」

「笑う蛇は目立ちたがり屋なことで有名なんだよ」

「・・・」


俺には全く理解できない思考回路だ。

場合によっては個人的に雇おうと思ったが、それはなさそうだ。


「で、笑う蛇のことだが・・・」


シュルトが知っていることはセラに聞いたこととたいして変わらなかったが、一番知りたかったことは知ることが出来た。


「よし、ちょっと探してくる」

「見つかるのか?」

「ほぼ確実にな」


必殺、蝙蝠総動員!

がんばれ~。

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