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EX.セラ

「気を付けて」

「ああ、行ってくる」


・・・なんか今のやり取りいいな。


「ねえ、セラ」

「っ!シ、シーア起きたんだ」

「うん、起きたよ。で、今何を考えてたの?」

「え、いや。朝食のことを・・・」

「・・・」


シーアがニコニコしながら見つめてくる。

最初に会った時にも思ったが、シーアは大分顔が整っている。銀色の髪も綺麗だし、少し緑がかった目は宝石のよう。なんか常人とは違うような雰囲気を発している。

ただ、そのせいで余計に迫力が出ている。最近は口調や態度が砕けていたのだが、こうなるとつい敬語が出そうになってしまう。でも、それは動揺していると言っているようなものだから頑張って我慢する。


「ねえ、セラ。私も聞きたいんだけど?」

「ミ、ミナミも・・・」


あ、もっとやばいのが出てきてしまった。ミナミは黒髪黒目とあまり珍しくはない特徴ではある。でも顔が合っていて、まさに黒髪黒目はミナミのためにあるような感じだった。

ただ、クロトへの気持ちが少し・・・かなり過剰だ。


「「セラ?」」

「いや・・・え・・・」

「おはよー」

「おはようございます。どうしたんですか?」


マキとマイが起きて来た。この2人はまともだ。

・・・クロトがいなければ。

少し前にクロトがいる時といない時の差についてミナミに聞いてみた。


「え?わざとじゃないの?」

「うん。なんか無意識的に甘えてるみたいなんだよね。カイ君はあの2人にとってお兄ちゃんみたいなものだからね。あの2人の見分けつかないでしょ?」

「・・・うん」


あの2人は前の世界でも見分けがつかなかったらしい。ミナミもそうだったし、友人や学園にいるような教師でもだめだった。そんな中、クロトだけは見分けていたらしい。

それは懐くだろうなと思う。私だって同じような状況になったらあの2人と同じようになるだろう。

とはいえマキとマイは度が過ぎてるきがしなくもないけど。


「じゃあ全員起きたし朝食を食べて買い物に行こうか」


私、からかわれた?

・・・いや、あの顔は本気だった。


・・・

「ねえねえ、俺たちとお茶でもしない?」

「いえ、結構です」


これで何度目だろうか。すでに10回近く声をかけられている。

まあ、当然だろう。女だけで、さらにはシーアやミナミまでいるのだ。全て一言で撃退している。


「やっぱりシーアとミナミがいるとよく声をかけられる。流石」

「・・・本気で言ってる?クロトじゃあるまいし」

「?」

「この反応、カイ君みたい・・・」


?2人は何を言ってるんだ?


「・・・なんかムカつくから言わないでいいよね」

「・・・うんそれでいいと思うよ、シーアちゃん」

「??」


こんなことをしている間に、買い物はマキとマイが済ませてしまった。

本当に優秀だ。

・・・クロトがいなければ。


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