04.ハラルの町
誤字指摘お願いします。
ゲルドの馬車に乗って数時間。やっと森を抜けた。途中、狼の魔物に襲われたが問題なく倒すことができた。
「よし、森を抜けられたな!本当にありがとう。」
「いやいや。森の中では話を聞かせてくれたし、これから世話になるんだからな。頼むぞ?」
「ああ、もちろん!」
森の中では異世界の者だと思われない範囲で話を聞いた。ハラルの町のこと、今いる大陸はソルガール王国だということ、世界の状況などだ。ちなみに勇者はまだ魔王を討伐しておらずまだルーナ王国で修行中らしい。クラスメイトにはぜひ頑張ってもらいたい。
「門が見えてきたぞ。」
「おお!はじ・・久しぶりにみたな~。」
危なかった。初めて見たとか言いかけた。気を付けないと。
「それじゃあ門番と話をつけてくる。」
「ああ、頼む。」
ゲルドが槍を持った門番のほうへ行き、そのまま話始めた。そこから数分話した後ゲルドが門番に金を渡して戻ってきた。
「話を付けてきた。入っていいそうだ。」
「そうか。それはありがたい。」
そうして町に入ることができた。
「まずはゲルドの商会に行けばいいんだよな?」
「ああ、そこでクロトを雇う。仕事内容はついてから話す。」
そう。ゲルドはただの商人ではなく、商会長で俺を雇ってくれることになっていた。冒険者ギルドもあるらしいのだが勇者が作ったばかりで、不安定らしいのでやめておいた。ゲルドの商会に向かう途中で何度か町の人に声をかけられた。そのたびにゲルドが俺を新人として紹介してくれたので、少しは仕事がやりやすくなると思う。そしてゲルドと話ながら進んでいると着いたようだ。
「ようこそ。俺の商会、ゲルド商会へ!ちなみに俺が立ち上げたからこの名前になっている。」
「ゲルドが創立者だったのか・・・。」
「よし、さっさと入るぞ。」
「ああ、わかっ「「「「「おかえりなさいませ。」」」」」
入った瞬間大勢のメイドである。心臓に悪い・・・。ただ、さすがにゲルドは慣れているようだ。
すぐに指示を出し始めた。
「こいつは新人だ。色々説明するから部屋を用意してくれ。」
「かしこまりました」
部屋はすぐに用意され、席につくとお茶が用意された。
「どうだ、おどろいたろ?」
「ああ、あの挨拶は心臓に悪いよ。」
「だよなぁ。俺も最初は慣れなかったよ。」
そこからはしばらく雑談をしてから、仕事の話になった。
「さて、クロトにやってもらうのは魔物の討伐とその素材の納品。それと冒険者のサポートだ。」
「?魔物はわかるけど、冒険者のサポート?」
「ああ。ギルドが不安定という話はしただろ?だからこそのサポートだ。」
「いや、だからこそってギルドには職員とかいないのか?」
「いるぞ。」
「じゃあ、サポートはいらんだろ。」
「ギルド内はな。問題は外だ。依頼を受けた冒険者が一攫千金を狙うんだが・・ちょっと夢を見すぎてな、死者が多いんだ。そこでお前には冒険者を影からサポートしてもらう。」
「俺は魔物を討伐すればいいんだろ?でも、俺に倒せない魔物が出たらどうするんだ?」
「無理なものはいい。ただお前は強いだろ?普通グレートウルフは魔法一発では倒せないぞ?」
・・・あれ、師匠?話が違いますよ!?これ位は当然みたいなこと言っていたんだが・・・。
あれ?魔族基準で話してたのか!
「・・・そんなことはないぞ」
「なんだ?」
「ニヤニヤするなよ。・・・はあ、わかったよ。詳しくは言えないが、確かに俺は強いらしい。師匠に言われたことだけどな。素性の分からない奴は雇えないか?」
「別にいいさ。うちにもそういうのはいるからな。強いと分かればそれでいいさ。話で悪い奴じゃないのはわかってるからな。」
「それはありがたいが・・・ニヤニヤするのをやめろっての。まあいい。それで、俺はいつから始めれいいんだ?」
「ああ。明日、ギルドマスターと話をしてすぐに仕事を始めてもらう。だから今日は休んでいいぞ。」
「いいぞって・・・俺は宿なしだが?」
「それはこちらが用意する。職員用の寮があるからそこを使ってくれ。」
専用の寮まであるのか。こっちの金銭感覚はわからないけど、たぶん大分金がかかってるんだろうな。ゲルドは大分稼いでいるようだ。
「ありがとう。そうさせてもらうよ。」
「ああ。明日は頼むぞ!」
本当ゲルドがいい奴でよかった。すぐに部屋に案内された。
「前の世界の俺の部屋より大きいぞ!」
日本の俺の部屋よりも大きいし家具なども豪華だった。家具が現代っぽいと思ったら、勇者が考案した物らしい。ただ、微妙に埃を被っていたので掃除を始めた。1段落したところでメイドが呼びにきた。どうやら夕飯ができたようだ。
「おう。来たかクロト。一応豪華にしておいたぞ。」
「一応ってなんだよ。まあ、ありがたく頂くけど。」
夕飯はおいしかった。食べる必要がなくても味覚はあるらしい。
ただ、吸血鬼王のせいか寝付けなかった。
「クロト、起きてるか?」
「ああ、起きてる」
「そうか、それじゃあギルドマスターに会いに行くぞ」




