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31.攻略②

翌日。俺たちは再びダンジョンに・・・


「81層が攻略されてる?」

「だな。夜の間にやったとなると俺たちより速いな」


俺たちはハイスピードで進んでいたわけではない。

それでも普通より速いということはわかる。そして何か裏技が無い限り、ここまで攻略した奴は大分強いのだろう。


『申し訳ありません。私がやりました』

「ああ、オロチか。それで昨日解放してくれって言ってたのか」

『はい。主が面倒くさいと言っていたので。90層までは進めています』


特別な物はなかったらしい。

それにしてもオロチがいい奴すぎる.


「誰か知らない奴なら少し警戒するけど、オロチまら大丈夫だな。まあ、こういう時は報告してくれ」

『わかりました』

「それじゃあ91層から始めるの?」

「ああ。南が全部自分でやりたいならやってもいいけど」

「やだ」


だろうね。南以外も後ろのほうで首を振っている。

うん、本当にオロチ以外動かなくなりそうだ。

・・・10分後


「95層もほとんど変わらなかったね」

「だな。90以降は少し気を付けようと思っていたけど、必要なかったか?」

「ん。時間の無駄」

「でも、いくらカイ君がいると言っても最終層辺りは何か起こる可能性が・・・浮かんでこないね」

「うん、クロトが負ける姿を想像できない」


そんなにだろうか。いくら強いと言っても普通の竜には勝てても竜王には勝てないと思う。

見たことがないからわからないけど。


「とりあえず警戒しつつも少しペースを上げるか」

「そうだね。時間かけすぐて疲れるのも嫌だし」


まあ警戒と言っても、俺たちの場合・・・


「麻紀、麻衣。頼んだぞ」

「「うん!」」


麻紀と麻衣に頼むだけだが。

2人はよくわからないセンサーがある。俺の場所がわかるとも言ってるし、前の世界の頃からやたら勘がよかった。しかもこっちに来てから余計に鋭くなってる気がする。

というわけで警戒は麻紀と麻衣に任せている。


「あの2人は本当にすごいね。魔物も罠も全て見つけている。クロトにも同じことできる?」

「無理だな。俺ができるのは音を拾って魔物を把握するくらいだ。罠は無理」

「転移者ってすごいんだ。もしかしてミナミも何か特技が?」

「私は無いよ。あの3人がおかしいだけ」

「「「え?」」」


俺と麻紀と麻衣の声が重なる。


「何かあるの?」

「・・・いや。うん、何でもない」

「「・・・」」

「・・・よし。さっさと行くぞ」

「「ゴー」」

「・・・気になるけどまあいいや」


・・・ナンデモナイヨ?


・・・

99層。


「95層からここまでほとんど迷路で楽だった」

「俺たちは麻紀と麻衣がいるから楽なだけであって、普通は難しいんだと思うぞ。セラも全ての道の正解を選ぶのは無理だろ?俺も壁を壊して行くくらいしかできないからな」

「それもおかしい。まあ確かに正解の道を選ぶのは難しいじゃなくて無理」


そう、難しいではなく無理だ。

普通迷路の岐路は基本的に2~4本位だ。それが最低でも10本。多くて20本もあった。何か法則性があったのかもしれないが、見つけるのにどれだけかかるかわからない。そういう点で言うと麻紀と麻衣がいるのは本当にありがたかった。


「クロト、100層はすぐに入るの?」

「行くぞ。朝に入ってからそんなに経ってないから時間はあるだろ」

「わかった。準備も必要無いしね。速く終わらせて帰ろうか」

「ああ」


さて100層は何だろうか。

100層は大きな広間だった。前の階層のような洞窟感はなく、一部分だけ見れば神の部屋(俺がそう呼んでいるだけ)のような場所だった。そして、その中央にあるのは大きい岩のようなもの。


「・・・あからさまにあれが階層主だよな」

「多分。迷宮主の可能性もあるけど」

「周りの様子とか、あの大きさを見る限りそうだろうな。身動き一つしないが、近づけばいいのか?]

「多分。ていうかそれしか選択肢がない気がする」


上を飛んで扉を壊すとかできそうだけど言わないでおこう。



「カイ君、上を飛んで扉を壊そうとか言わないでね?」

「クロト、できるの?」


何でわかった。


「・・・上を飛ばなくてもセラの固有魔法で通り抜けてもいいぞ」

「選択肢を増やさなくていいから」


いいだろ、別に。可能性はいくらでもあるんだから。

まあ、それはそれとして・・・


「近づいてみるか」

「じゃあクロトお願いね」

「なんでだよ」

「クロトが一番頑丈・・・クロトがダメージ受けたところをみたことがないんだけど」


・・・言われてみれば。全くくらっていない。奇襲をかけられたこともないし、かけられても音で気づくと思う。

となると・・・


「俺の耐久性はわからないから、固有魔法で隠れられるセラだな」

「やだ。・・・魔族は部位を切断されても再生するときいたことがある。そして魔王の再生能力はもっと高いはずだし、吸血鬼王と悪魔王でもある。ということでクロト」

「・・・そういえばセラには学者の知り合いがいたんだったな。はあ、わかったよ」


魔王は魔族よりも再生能力が高いし、吸血鬼王は他人の血を一滴飲むだけで回復する。悪魔王は知らないが、何かしらの再生手段は持っているだろう。

これらが打ち消し合わない限りはほぼ無限に再生できる気がする。

とりあえず岩の近くまで行くが何も起こらない。

軽~く《ファイヤーボール》。表面が少し焦げただけだな。


・・・突然岩が上に動き始めたのでシーアたちの元に戻る。


起き上がった岩は次第に生き物の形をとる。あれは・・・


「でかい鳥?」

「違う。多分亜竜。竜の血を持った生物。多分竜の血を持った鳥が成長した姿だと思う」


・・・竜の親戚?らしい。

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