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28.ウィーン帝国

「希望?特に無いよ」

「「どこでもいい~」」

「ん、ない」

「んー、私もないかな」

「・・・」


どこか旅に出ると言って、希望を聞いてみたのだが見事にこの通りである。

そういう俺も特にどこへ行きたいという希望もない。俺が行ったことことが無いのはウィーン帝国かルーナ王国だ。候補がその2つになるとして麻紀、麻衣はウィーン帝国の勇者だからルーナ王国だろうか。


「「「「「ウィーン帝国」」」」」

「・・・麻紀と麻衣もか?」

「うん」

「召喚されてすぐに出て来たから観光とかもしてないです」


なるほど、そういえばそんな話も聞いたな。

確かにウィーン帝国に行きたいのはわかる。

ウィーン帝国は大陸内で唯一迷宮(ダンジョン)がある場所だ。最初にウィーン帝国にしかないと聞いた時は驚いた。異世界というと、どこにでも迷宮があるというイメージだったのだ。


「じゃあウィーン帝国に行くか。いつ出発になるかはわからないけど支度はしておいてくれ。俺はレーガンに話してくる」


全員の返事を確認して家を出る。この家もどうするか考えなきゃだな。

レーガンの部屋に来客がないことわ確認して、窓から入る。


「暇そうだから話しても大丈夫だよな」

「お前はこの書類の束を見てそんなことが言えるのか・・・。まあいい、息抜きついでだ。話ってなんだ」

「ウィーン帝国に行くことにした」

「お、おう。突然だな」


とりあえずそろそろ俺たちがいなくても大丈夫そうということを伝えて、緊急時用の蝙蝠瓶の使い方も教えておいた。


「森の方に関しては同意だが、南たちと訓練してたやつらが何て言うかだな」

「それは新しい実力者を探せばよくないか?」

「あいつらほどの実力者はそうそういないし、そもそもそういう問題じゃないんだ。大多数の奴があの3人に惚れてるんだよ。まあ大半は南だが」


何故そんなことになったんだ?そう思っていると・・・


「南は頼み事を面倒くさがらずにやってくれるし、麻紀と麻衣は見た目は小さいのに丁寧な物腰っていうギャップがいいらしい」

「・・・」


南が面倒くさらずに仕事わやる?麻紀と麻衣が丁寧な物腰?

南はサボりまくってるし、麻衣は敬語っぽくはなったが麻紀と同じく行動はそれほどでもない。

・・・猫かぶりまくってんな。


「まあ冒険者が、クロトたちに依存してる感じがあったからちょうどいいかもな。移動手段はどうするんだ?」

「馬車にしようと思ってる」

『主、解放状態なら全員を乗せていくことはできますが?』

「お、そうか。じゃあそれで行こう。そういえば制限時間はあるのか?」

『魔力切れしなければ大丈夫なので、定期的に補充していただければ』

「よし、じゃあ問題ないな」


確かにオロチの解放状態は結構でかかったからな。


「・・・おいクロト、そいつは何だ?」

『申し遅れました、オロチと申します』

「あ、言ってなかったな」


とりあえず聖獣のことは話しておいた。力うんぬんについたは言ってないが、聞かれてないから俺は悪くない。


「・・・もう俺はお前が世界征服したと言っても驚かん」

「いや、そんなことはしないぞ。管理が面倒くさい」

「例えだよ、はあ。ゲルドには話しておくから好きな時に出てくれ」

「りょーかい」


よし準備ができ次第行こう。


結局出発は一週間後になった。

南と麻紀、麻衣の熱狂的なファンみたいな者がおり、最終的に1人ずつ訓練してから行くことになったため時間がかかった。

出発前も拝むような勢いで引き止めようとしていたのだが、レーガンが注意してくれたおかげで助かった。

そんなこんなで俺たちはオロチに乗って移動していた。俺たちというか俺以外だ。俺は自分で飛んでいる。

ちなみにオロチは目立つのでセラに固有魔法を使ってもらっている。


「オロチちゃん速いね」

「「はやーい!」」

「「・・・」」


シーアと麻紀、麻衣は楽しんでいるようなのだが、南とセラは怖いようだ。そういえば南は高所恐怖症だったが、セラもそうなのだろうか。

ウィーン帝国には今日中に着く予定だ。最初は2日かかると思っていたのだが、予想以上にオロチが早かった。今は俺以外を乗せているから同速度だが、本来は俺より速いと思う。


「ねえクロト、迷宮(ダンジョン)ってどういう感じなの?」

「俺も知らん」


俺もウィーン帝国にあると聞いただけで、出身は別世界だから詳しくは知らない。

というかこっちが出身のシーアはわかってると思っていた。


「魔物が出現して倒して場合になにかしらアイテムが手に入る。後は一定階層ごとに階層主が出るらしい。学園の授業でやった」


ゲームみたいな物だな。


「一定階層?」

「迷宮は複数あってそれぞれ階層数が違うから決まった数字はない」

「迷宮の数はどの位あるんだ?」

「わからない。突然増えたり探索者に攻略されて消えたりしてるから。あ、探索者っていうのはウィーン帝国での冒険者の呼び名」


迷宮の発生要因はわかってないようだ。まあそこは異世界だからで済ませていいだろう。

その後も話をしているとウィーンが見えてきた(俺だけ)。さすがにセラの固有魔法を使ったままはいるわけにはいかない。多分街中で解除すると、突然俺たちが表れたように見える。

ちなみにソルガール王国から1か月間歩いて来たということにした。


「本当に冒険者の国っていう感じだね。あ、探索者か」

「出入りは自由なんだな。中で起こったことは自己責任ってことなんだろうな」


門あっても今までの国と違い、門番がいない。治安は大丈夫なのだろうか?


「そういえばギルドカードは最近使われ始めた物だけど大丈夫なの?カイ君はそもそも持ってないし」

「俺はレーガンに証明書的なのもらったから大丈夫だ。後ギルドカードは大分前から使うことは決まってたからどこでも使えるらしい」


ギルドカードはつい数週間前に使用し始めた物だ。ギルドを作った時から検討されてたらしい。


「あれがギルドかな?小さめだね」

「ギルドと言っても受付の意味合いが強いんだろ。基本的に依頼は無くて、アイテムとか素材の買い取りだけだから大きい必要は無いと思うぞ」


探索者ギルドは冒険者ギルドの受付部分をちょうど切り抜いた感じだった。


「6人分お願いします」

「はい。シーアさん、クロトさん、セラさん、、ミナミさん、マキさん、マイさんですね。使えるのはウィーン帝国内なのでお気をつけください」


ウィーン帝国内だといつものギルドカードは使えず、専用の物を使う。迷宮内で魔力を流している間は討伐した魔物が記録されるらしい。

・・・ギルドを出て宿を探そうと思ったのだが、大分長い間探すことになった。

少し前にルーナ王国の勇者が迷宮を1つ攻略したらしく、それを聞いた者が押しかけているらしい。迷宮の規模はわからないが、あの勇者なら当然だろう。

・・・そういえば、あそこに聖女はいないが大丈夫なのだろうか?

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