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EX.レーガン

「なるほど、それでここまで来たと」

「はい、黒野海斗という名前なんですが心当たりはありませんか?」


俺は何故か転移者の訪問を受けていた。要件は人探し。一緒に呼び出されたはずの者がいなかったらしい。

クロノカイト・・・。心当たりはない。


「名前に聞き覚えはなおのですが、一応特徴を教えてもらっても?」

「あ、はい。えーと、まず黒髪で」


まあこれはだいたいの転移者がそうだし、こちらの人間でも結構いる。


「少しめんどくさがりで」


少しどころではないが、めんどくさがりは俺の周りに2人いる。あの2人、クロトとシーアはなにかしらに巻き込まれていないだろうか。


「少し目つきが悪くて」


ん?・・・いやいや、まさか。


「後は・・・あ、めんどくさい時に家のドアじゃなくて窓から入ったり、ってこれじゃあわからないですね」


いや、決定的な情報です。

その後も何個か特徴を聞いたがほとんどクロトだった。口調の違いは気なったが、まあ変わることくらいあるだろう。

しかし、まだ確定したわけではない。まあ9割クロトなのだが。とりあえずクロトが帰ってくるまで待ってもらおう。


「名前には聞き覚えがありませんが、同じような特徴を持った者なら心当たりがあります」

「本当ですか!?」

「はい。ただそいつは今遠出していまして。この後手紙を出してみます」

「えっ?わざわざ遠くから帰ってきてもらわなくても・・・カイ君なら来てほしいけど」


恐らくカイ君というのがクロト(仮)の呼び名なのだろう。それにしてもクロト(仮)は好かれすぎじゃないか?さっきからクロト(仮)の話だけで表情がコロコロ変わる。


「カイ君じゃなかったらどうしよう。その時は麻紀ちゃんと麻衣ちゃんに相談しないと。・・・私たち3人じゃ世界に敵わないから魔王を頼ってみようかな」


怖っ!聞かなかったことにしよう。ていうかあなたが探しているのが魔王です。


「か、彼は色々特殊なのですぐ行ったり来たりできるんですよ」

「そうですか。それならお願いします」


これは早く戻ってきてもらわないとだな。


「それでは今日書いて、明日届けさせます」

「お願いします」


それにしてもずっとということは勇者が召喚されたのが50年位前だから・・・


「えっ!?50年も探してたんですか?」

「はい。まあある程度方向はわかっていたので、半分位は修行だったんですけど」

「修行・・・。師匠は誰が?」


恐らく城にとどまっていれば修行を受けられたはずだが、すぐに出たとらしい。ということは冒険者とかだろうか。


「独学みたいなものです。仲間が勇者だったのであまり苦労しませんでしたよ」

「勇者様もさがしているんですか?」

「ウィーン帝国の勇者ですけどね。ただ、本人たちも気づいたのは30年位たってからでしたけど」


勇者が魔王を探していると聞くと討伐しようとしているみたいだが、後から気づいたのなら違うだろう。・・・勇者だということを知らないってどういうことだ?

クロト(仮)を探すのに夢中・・・なわけないよな。きっと何か事情があるんだ。うんそうだろう。


「どうもカイ君を探すのに夢中になってたみたいで。そういう私も聖女だったんですけど」


・・・クロト病は前の世界でもあったのかもしれない。

それよりも、まず聞かなければならないことがある。


「勇者様や聖女様が抜けても大丈夫なのですか?」

「追手も来ないし大丈夫だと思いますよ?」


ああ、クロト病だ。その何か問題でも?という顔がクロトそっくりだ。はあ。


「わかりました。では帰ってきたら連絡します」

「重ね重ねお願いします」


はあ、どの位で戻るかな。


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