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EX.麻紀、麻衣

私たちは人と接するのが苦手だ。別にコミュニケーション能力が低いわけでも、苛められているとかそういうわけでもない。よく間違えられるのだ。

確かに私たちは似ていて間違えるのは仕方がないと思う。それでも不快なものは不快だ。

でも、不快になるのは心地よい所を経験しているからかもしれない。


「「クロ兄~」」

「だから飛びつかないでって言ってるでしょ」

「「どっちがどっち~?」」

「こっちが麻衣でこっちが麻紀、でしょ?」

「「正解!」」


これはいつもの挨拶代わり。クロ兄は知り合った後から一度も私たちのことを間違えない。

最初に会ったのは小学4年生のころ。

私たちは大きなデパートに家族で買い物に来ていた。そこで私たちの親が迷子になったのだ。断じて私たちではない。

私たちが親を探してデパート内をさまよっていると・・・


「さっきからこの辺りを歩き回ってるけど、君たちは迷子なのかな?」

「違う」

「迷子になったのはお父さんとお母さん」

「ごめんごめん。それは困った親御さんだね。一緒に探すよ」

「「いいの?」」

「うん。暇だしね」


そういうと話をしながら一緒に探してくれた。


「うーん、確かに顔は似てるけど雰囲気は大分違うと思うんだけどな」

「「そう?」」

「うん。まあ人によって違うのかな。・・・お、あの人たちじゃない?何かを必死に探してるけど」

「あ!そう」

「お父さんとお母さんだよ」

「早く行ってきなよ。僕は帰るから」

「「また話そ!」」

「会えたらね」


そう言うと帰っていった。親には少し怒られた。迷子になったのは親のほうだったのに。

2度目は結構すぐに会えた。

近所の公園で遊んでいると近くを通りかかったのが見えたのだ。


「「おーい」」

「ん?ああ、この前のまい・・・親が迷子になってた子たちか」

「「どっちがどっちかわかる?」」

「名前すら聞いてないんだが・・・」

「「あ」」


言われて気が付く前回は話すのに夢中で名前を言っていなかった。


「高橋麻紀です!」

「麻衣!」

「麻紀と麻衣ね。僕は黒野海斗だよ、よろしく」

「じゃあ・・・クロ兄だね」

「う、うんそれでいいよ」


その後は何度も会って遊んでもら・・・あげた。遊びはかくれんぼ以外は基本なんでもやった。かくれんぼもできなくはないのだが、何故か私たちはクロ兄のなんとなくの方向が分かってしまったのでやめておいた。

・・・私たちが中学2年生になってもクロ兄とは会っていた。流石に遊ぶというわけではなく、話したり勉強を教えてもらう位だ。そういえば南さんという人とも一緒にいるようになった。九州のほうから引っ越してきた黒い長髪の美人さんだ。それにしても会った当初は感じなかったが、この人クロ兄のこと好きすぎではないだろうか。まあ私たちのクロ兄はわたさないけどね!

夏。クロ兄と南さんが行方不明になった。というか2人がいたクラス全員がなっていた。

毎日公園に行ったけど2人とも来なかった。クロ兄がどっちにいるのかもわからなかった。

2人が行方不明になって3日目の学校。

気付いたら白い、何も無い部屋だった。そこにいた神とかいうのの話は覚えていない。もっと重要なことがあったからこの世界にクロ兄がいるのがわかるそれだけで十分だった。

隙を見てお城から逃げ出した(ウィーン帝国という国だったらしい。

とりあえずクロ兄がいる方向へ歩く。

そして・・・


「あれ?麻衣ちゃん、麻紀ちゃん?」

「「あ、南さん!」

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