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EX.南

私、栗原南がカイ君こと黒野海斗君にあったのは中学2年生のころだ。

2年生になってすぐ、私は九州の方から東京に引っ越してきた。しかし、タイミングが最悪だった。他の人はある程度交友関係を築いており、その中に入ることが出来なかった。

転校してから3日目。荷物の片づけが終わり、近所に挨拶回りに行くことになった。

離れたところから挨拶していき、最後の隣の家。


「えーと、次が最後ね。黒野さんっていうみたいよ。隣なんだから仲良くしなよ?南」

「わかってるよ、お母さん」


インターホンを押すと男子の声がそれに応じた。


「隣に越してきた栗原です」

「はい、今出ます」


出てきたもは少し目つきが悪い男子だった。


「どうも黒野海斗です」

・・・

「へえ~、一人暮らしなんだ。料理とかもできるの?」

「まあ家事全般は可もなく不可もなくという感じですね」

「すごいわね~。私は料理ができないから旦那がやってるのよね」

「ちょっとお母さん。そんなこと言ってどうするの?」


珍しい。母は基本人前で素をださないのだが、今はでていた。ただ、家庭内状況まで話はじめたので流石に止めた。その後なんとか母を宥めて帰った。

1か月後。私はやっと馴染んできて友人も結構できた。

ある土曜日。


「南、今日私とお父さんはやることがあるから海斗君の家に行っててくれない?」

「・・・色々聞きたいことはあるけど、なんで黒野君なの?」

「隣だからよ。もう了解もとってあるわよ」


本人の許可もとらずに・・・。

その後のなんとか切り抜けようと思ったがダメだった。やることとは何なのだろうか。


「お、お邪魔します」


思っていたよりも部屋がきれいで、少し気おくれしてしまった。


「黒野君は普段何をしてるの?」

「基本ゲームか読書だな。勉強もまあ、たまにはしてる。今日もそんな感じだからこっちはあまり気にしないでいいぞ」


そういうと読書を始めてしまった。そうなると私のやることが無い。・・・そうだ


「ゲーム使ってもいい?」

「いいけど、できるのか?」

「まあまあできる」

「そうか。じゃあ俺は上の自分の部屋にいる」


首肯を返し、ゲームのほうに向きなおった。

・・・その後は何も無く、親が呼びに来るまでゲームをしていた。

これ以来この家に来ることが増え、普通に会話するようになった。高校に上がったころには毎日のように来るようになっていた。

しかし、高校2年の夏。それは崩れた。教室にいたのに気づいたら白い部屋にいたのだ。

これはカイ君(この頃には呼び方も変わっていた)も興奮してそうだ。後で話そう。と思った。

神と名乗った者の話はあまり覚えていない。私たちが召喚されたのはルーナ王国だった。なのにカイ君の姿が無かった。


「ね、ねえ。黒野君知らない?」

「は?知らないわよ、あんな陰キャ」


私はムッとするがしょうがないとも思う。彼のいいところを知っているのは私と私の両親とあと2人だけだろう。でも今はそれどころではない。


「なんで彼1人だけいないの?探さなきゃ」


私は早々に城を出て、カイ君を探し始める。

探し始めは勘だったが、それが正しいことを途中で悟った。


「あれ?麻衣ちゃん、麻紀ちゃん?」

「「あ、南さん!」

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