25.再会
「・・・わかった。学園長には俺から了解したと言っておく」
レーガンにじいさんの手紙を渡し、事情を説明した。
「それにしても巨人が突如消失か。クロト、何をしたんだ?」
「実体験させてやろうか?」
「やめてくれ、死んじまう」
レーガンがニヤニヤしてうざかったので脅しておく。
・・・浄化できないかな?こいつ。
「さて、事情はわかった。これはゲルドと話してからになるだろうが、セラのことも俺は大丈夫だ。まあゲルドも大丈夫だろう」
「ありがとうございます、レーガンさん」
これでセラのことも大丈夫。他に用事は無いかと考えていると・・・
「クロト、1つ聞きたい。お前は転移者か?」
「ん?そうだぞ。ついでに言うと今の勇者とも一応知り合いだ」
「勇者と魔王が知り合いってすごいね」
「ん。仲は良かったの?」
「いや、たいして話もしなかったな」
レーガンの疑問に答えると、シーアとセラも質問をしてきたので前の世界のことを話した。
そんな感じで盛り上がっていると・・・
「その胆力が羨ましいよ。それからセラ。お前は残念ながらそちら側だ」
「なんで?」
レーガンの言葉にセラは意味がわからないという風に首を傾げた。
「先ず転移者という時点で珍しい。しかも勇者と知り合いというのは大体勇者パーティーにいるんだ」
「そうなの?クロト」
「他の例を知らないからなんとも言えないし、本人に聞くことじゃないと思うんだが」
「それもそうか」
「・・・俺としては大分重要事項を話したつもりなんだが」
「もう魔王だなんだの時点でおかしいし、クロトだからしょうがない」
「ん。しょうがない」
そんなに重要なのだろうか。ばれて困ることでもない。俺は別として勇者は優遇されている。むしろ明かしたほうがいいかも知れない。
そう言うと溜息をつかれた。よくわからん。
「そういえば何で気が付いたんだ?」
「元々そうじゃないかと思っていたんだが、魔王だと知った時にその可能性は捨てた。ただ、お前が王都に行ってる間にお前らしき人物を探してる奴がいたんだ。3人組の女で・・・」
「2人はそっくりでもう1人は髪が長い奴か?」
「お、そうだ。やっぱり知り合いだったか。そいつらがあったばかりのお前の姿を話すから思ったんだ。ただ、転移者ということは立場的には勇者側だろうから魔王のお前のことは伏せておいた。一応それらしき人物を見かけたことがあると言って引き留めてある」
「はああ」
1人は同級生で、もう2人は双子の中学生なのだが何故か懐かれた。
俺を探すとしたらこの3人か俺を倒しに来る勇者位だろう。今回は前者だったわけだ。
・・・そしてもう逃れられないようだ。
「なんなら呼んでくるぞ?」
「その必要は無くなったよ」
「?」
無いではなく無くなったという俺の言葉にレーガンが首を傾げると同時に・・・
「「クロ兄~」」
「麻衣ちゃん、麻紀ちゃん。飛び込まないの!ってカイ君!?」
ああ、今日の夜は何を食べるか考えなくては。うん、そうしよう。




