EX.レーガン
クロトたちがモルテリアに向かって2日。ここ最近やっていることは教育だ。クロトたちがいない時に何かが起こっても、対処できるようにするためだ。
しかし、教育を始めてすぐにクロトとシーアの非常識さを再確認することとなった。クロトに関しては言わずもがなだし、シーアもクロトの訓練があったとはいえ成長速度が速すぎる。
最初に東の森でやらせてみるが他の冒険者にすぐ見つかるし、たまに魔物に見つかり重傷を負って帰ってきたのもいた。
「クロトたちがやばいっていうのはわかってたつもりなんだけどなぁ。なんとかしてくれよ、ゲルド」
「いや、なんとかって言ってもクロトかあいつと同等の力を持つやつに訓練してもらうしかないだろ」
「・・・クロトが訓練すると思うか?」
「絶対しないな」
「「はあ・・・」」
2人してため息をついてしまう。
「まあベテランにでも訓練頼むか。付き合ってくれてありがとな」
「ああ、ていうかもっと呼んでくれてもいいんだぜ?さぼれるからな。じゃあまた今度」
そう商会長らしくない言葉を残し、ゲルドは去っていった。
さて、書類仕事でも・・・
バタンッ
「ギルドマスタ―、この町に向かう多数の魔物の群れを発見。数から見て魔族が操っている可能性が高いそうです。幸い、しばらくはハラルにはつかないようです」
「・・・受付嬢に冒険者を集めさせ、他の職員をここに呼べ」
「わかりました」
ク~ロ~ト~、早く帰ってこーい。
・・・職員と話し合い、作戦を立てる、職員といっても元はほとんど冒険者だ。素人の考えではない。
・即興で砦を作り最初は弓と魔法を打ち下ろす。
・砦近くまで来られたら前衛は前に出て、後衛はそのまま魔法を打ち続ける。
・数名の前衛は魔族を探す。
こんなところだろう。
「後はこの作戦を冒険者に伝えて、砦を作る」
「了解しました」
俺たちだけで倒せるといいが、後はクロト待ちだな。
しばらくして砦が完成したと報告が入った。俺も行くか。
「えーと、確かこの辺に武器が・・・うおっ!」
「なあ、レーガン祭りでもやんのか?みんな大騒ぎしてたが」
「ちょっと、クロト。そんなわけないでしょ。ギルドマスター、何があったんですか?」
「いや、来てくれたのはありがたいんだけど窓から入るのやめろ」
シーアまで窓から入ってる。クロトに毒されたな。
とりあえず2人に事情と作戦を説明する。
「じゃあ、俺らはいつも通りのことやってればいいのか。ただ、数は多いみたいだから今回は単独行動でもいいか?」
「うん、私は大丈夫」
うん、完全に毒されてるな。前のシーアだったら1人は危ないって言って反対してただろうに・・・。
しかも目立たない前提だし。
「お前らほんとにそれでいいのか?栄誉とか報酬とかなくなるぞ」
「「目立ちたくないし」」
「そうかよ・・・」
シーアはもうだめだ、クロト病と命名しよう。
まあ、これで勝率は上がった。やるか!
・・・ん?勝率100%じゃないか?うん、そんな気がしてきた。




