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EX.シーア

クロトは見回りに行くと言って、森の奥に入っていった。おおかた時間つぶしで魔物討伐にでも行ったのだろう。連れて行ってくれてもよかったんだけど。

微妙に落ち込んでいると1人の男子(勇者の仲間はリューヤと呼んでいた)が呼びけてきた。


「何の御用でしょうか?」

「1つ聞きたいことがありますが・・・できればクロトさんと話している時のような砕けた口調がいいんですけど」

「いえ、勇者様方にそのような口のききかたはできません。聞きたいこととはなんでしょう?」


クロトと同じ扱いなんてするはずないでしょ?何言ってんの?おっと・・・落ち着かなければ。


「ダメか・・・。えーと、聞きにくいんだけどクロトさんになんか酷いことされてない?今近くにいないことは確かめてあるから遠慮なく言ってくれ」

「酷いことですか?特にないですよ。・・・もっと攻めてもらっていいんですけどね」

「え?あの・・・」

「ていうかなんでなにも起きてないの?普段一緒にいるし、宿だって部屋は隣。訓練もつけてもらってるのになんで?・・・すみません少し取り乱しました」


しまった。クロトのことを考えるときっは少し気を付けないと。感情が暴走してしまう。

・・・ん?なんか女子がキャーキャー騒いでいる。よくわからない。まあいいか。さて、


「他にもまだ何かありますか?」

「俺にできることは・・・そうだ!シーアさん僕がクロトさんの代わりに訓練をやります。見たところシーアさんの武器は短剣でしょう?僕もそうですし、これでも勇者の仲間です。どうでしょう?」


どうでしょうって・・・。勇者の仲間だと言ってもほとんど勇者任せだろうし、そもそも・・・


「いえ、率直に申し上げますがあなたでは訓練になりません」

「・・・それは僕があなたより弱いと言われているという認識でいいんですか?」

「当然です」

「わかりました。では僕と模擬戦をしてください。勇気、審判をやってくれ」

「わかった」


いや、え?わかったじゃなくて止めるところでしょう?・・・しょうがない。すぐに終わらせよう。


「そういうことならやらせていただきます。」


勇気視点


思わぬ所でシーアさんの実力を煮る機会ができた。休憩前の魔王には驚かされた。

隆也(りゅうや)はわかっていないようだが、あの索敵能力は異常だ。普段索敵を任されている《魔法使い》の上位職業《魔導士》の子が真っ青になっていた。それ位異常なのだ。それに加えて戦闘能力も高いのだろう。・・・弱点あるのか?


とりあえず始めるか。


「はじめ!」

「「ッ!」」


勝負は一瞬でついた。思わぬ形で。

2人とも武器は短剣。そのため戦いは超近距離で行われる。

シーアさんは腕、腹、頭の3連突き。隆也はそのすべてを防ぐが、その直後の腕への攻撃には対処しきれなかった。辛うじて短剣を弾いたが次の腹への追撃は防げない。

・・・まずい、助けようにも間に合わない!

そう思った時、気付くと最初からいたかのようにそいつが、魔王がいた。


「流石にやりすぎだ、シーア」


助かったけど・・・

動きが見えないとか、どれだけ異常なんだ。

そんなことを考えながら僕は一先ず安堵したのだった。

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