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10.モルテリア共和国

誤字指摘お願いします。


2日目は特にトラブルも無く進み昼下がりにはモルテリア共和国についた。ただ、中にはいるためには荷物などの検査が必要らしくその行列でしばらく入れそうになかった。


「すごい列だな。どこのテーマパークだよ・・・。今のうちにあの髑髏仮面をつけておくか。本当に目立たないんだろうな?」

「てーまぱーく?がなんなのかはわからないけど、ギルマスが言っていたんだから大丈夫だと思うよ」

「シーアのレーガンに対する評価の改善もとい改悪を求める。あれは性格の悪い男だ」

「面倒見のいい優しい人だと思うけど?」


などとレーガンの評定を2人でしていると順番が回ってきた。

ちなみに荷物は、少なすぎないよう《収納》から全部では無いが出している。それからシーアは仮面をつけない。何かもっともらしい理由をつけていたが、つけたくなだけじゃないのか?


「次。何をしに来た?」

「モルテリアギルドの要請に応じてきました。これが紹介状です」


対応はシーアに任せている。俺は無口という設定だ。対応が面倒くさい。


「・・・ふむ、間違いないようだな。これはギルドに持っていってくれ。それとそっちの奴はパーティーメンバーか?」

「はい。彼は無口でして、すいません」

「いや、パーティーメンバーということが分かればいい。入っていいぞ」


少しは印象を良くしておこうと思い会釈してから入る。


「じゃあ宿をとってからギルドに行くか?」

「はい、そうしましょう」


・・・宿が見つからない。どうも勇者を一目見ようと人がいつもより多いらしい。

よし、こういう時の蝙蝠だ。前は蝙蝠が大きい鳥に食われるということがあったが、今は《結界》がある。魔法などを防ぐ結界でもいいのだが今回は姿を消す結界にする。

『そんなに高くなさそうな、空いている宿を探せ』


・・・5分後。


「シーア、見つかったぞ」

「本当!?行こう!」


「この辺だな」

「えっ?これ高級宿でしょ?」

「いや、この宿じゃない。確かこの辺に・・・おっ、あった。行くぞ」

「う、うん」


その宿は超高級宿の近くの路地裏に入ったところにあった。

・・・ん?なんか嫌な感じがする。


「どうしたの?」

「いやなんでもない。それにしても、なんでこんなとこに店を置いたんだろうな?」

「わざとなのか高級宿があとから建ったのかってところじゃない?」


勝手な推測をたてながら宿に入る。


「おや?こっちの宿に人が来るのは珍しいね」


おばちゃんだ。まあそりゃ珍しいだろうね。


「場所が場所だからね。2部屋で朝食と夕飯だけお願いするよ。」

「はいよ。2階の奥の部屋ね。代金は出るときでいいよ」


それで大丈夫なのだろうか?・・・まあおばちゃん強そうだったし大丈夫なのかな。

なんかシーアが不満そうな顔をしていたので、どうしたのかと聞いたが何も言わなかった。まあよくあることなので放置しておく。

とりあえず荷物を置いてギルドに行こうということになったのだが、シーアは準備に少し時間がかかるそうなので宿のおばちゃんに話を聞く。


「なんでこんなところに宿を建てたんだ?」

「私は別に繁盛させたくて宿をやっているわけじゃないんだ。たまに客が来る位でいいと思ってここにしたんだけどね。見ての通りだ。前にある高級宿が思ったより繁盛していてね。ほとんど来なくなったというわけさ」


そこから色々話していると、シーアが出てきたのでギルドに行くと伝えた。するとおばちゃんが最後に爆弾発言をした。曰く・・・


「そういえば前の高級宿に勇者様が泊っているみたいだよ。時間があれば見に行ってくるといい」


かろうじてお礼だけ伝え、外に出た。

・・・どうしよう。


・・・

俺は今、眷属の蝙蝠を総動員して周囲を警戒していた。《結界》を使っているせいで魔力がどんどん減っていくが関係ない。理由は当然勇者だ。仕事の時以外に近づくことは無いと思っていたのに・・・。


「クロト、蝙蝠飛ばすのはいいけどクロトがキョロキョロしてたら怪しまれるよ?」

「・・・そんなにしてたか?」

「うん」


警戒しすぎなのは理解しているのだが、魔王の機能的なもので警戒してしまうのだ。勝てるだろうと思っていてもだめなんだな・・・。

機能は直すも何もないのでさっさとギルドに行くことにする。

モルテリアのギルドは(当たり前だが)ハラルのギルドより大きかった。

中に入ると髑髏仮面が、俺の他に3人もいた。本当によく使われているようだ。


「要請で来た冒険者です。これが紹介状です」

「わかりました。確認するので少々お待ちください」


今回も対応はシーアに任せてある。たまに絡んでこようとする冒険者がいたが、今まで通り《グリーンウォール》の蔦で動きを妨害したり、《結界》で転ばせたりと邪魔をしていた。

そんなことをしていると、確認が済んだようで奥に通される。中にいたのはエルフだった。

ギルドマスターはエルフなんだと思っていたら、シーアが突然真面目な顔をし始めた。


「お前もそんな顔をするんだな・・・」

「失礼だよ、それ!ってそれどころじゃないから!」


しみじみといったら怒られた。ていうかそれどころじゃないって・・・あ、


「なんか雰囲気が違うか?」

「・・・よくわかりましたね。エルフ以外にはわからないように隠しているつもりだったんですが」

「この人が異常なだけです。他の人には隠せているので安心してください」


いまいち話が見えなかったのでシーアに説明を求める。


「この方はハイエルフ。私たちの上位種よ」

「どうも、ハイエルフでギルドマスターのキールです」

「クロトだ。こっちはシーアで、要請に応じて来た。俺たちはなにをすればいいんだ?」

「いや反応それだけ!?もっと言うことあるでしょ!」


いや、そんなに怒らなくても・・・。


「言うこと・・・ご機嫌いかが?」

「あはは、いいよシーア。クロトがこういう人だというのはよくわかったから。えーと、やることだったね。レーガンさんからは2人だけで行動させて欲しいとなってるから、ある程度作戦通りに動いてもらえれば好きに動いていいよ。君の種族に関しても書いてあったからその実力をあてにさせてもらうよ。後今日来てもらったのは打ち合わせというよりは、顔合わせだ。だから今日はやることがないね」


そうなのか・・・。この後は買い物でもして時間を潰すか。


「じゃあ今日はこれで帰るよ。明日からよろしく頼む」

「こちらこそ」


よし、いったん宿に戻るか。っとその前に・・・


「シーア少し野暮用を済ませてくるから先に宿に帰っててくれ」

「わかった。速くしてね?」


シーアに頷いて宿とは逆方向に少し進み、手ごろな路地裏に入り、夜になるまで待った。

・・・あ、すまんシーア。遅くなる。


「さてと、話があるなら早くしてくれよ、勇者様方?」


そういうと1人の青年、勇者が出てきた。

・・・さて、どうするかな。

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