二週間
あれから二週間が経った。
あのニュースは誤報だったのだから当然だが、今日も世界は続いている。二週間も経てば、あの件が話題に上ることもほとんどない。
それでも、俺にとっては到底忘れることなどできない日になった。俺はあの日を、妻との「やり直し記念日」として一生密かに祝い続けるつもりだ。
…そう。俺はまだ、この先の長い日々を妻と過ごせるのだ。
妻は薄々、俺の態度が変わった原因があの彗星のニュースだったと気づいているような気もするが、聞かないでいてくれる。
…とても白状できることではないから助かった。
だって格好悪すぎるだろう。
そこまで追いつめられなければ動けなかった情けない男だと、妻に知られたくない。わざわざ本当のことを言って幻滅されたくない。
折角あれからずっと、仲良くできているのに。
もう十分格好悪いところを晒してしまったが、だからこそ取り繕える部分は取り繕っておきたいし、隠せるものなら隠してしまいたい。妻が見て見ぬ振りをしてくれるというのなら、それに甘えてしまいたい。
…つくづく格好悪い男だな。俺は。
それでも。できれば妻には格好いい男だと思われたいのだ。格好よくて頼りになる男だと思われたいのだ。
…愛する妻には、そういう目で見られたいのだ…。
そう望むことを許して欲しい。




