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プロローグ
西暦2115年 8月24日 午後10時23分。
日本の首都東京に、歴史上三度目となる核ミサイルが落ちた。
軍事大国アリストリアから受けた突然の宣戦布告。憲法第九条に則り、『戦争の放棄』の意思を貫く日本に突き付けられた不平等条約。締結を拒み、外交での対応に乗りだそうとした直後の出来事であった。
死者4500万人。ただ一撃で国の中枢は麻痺し、一夜にして日本は混乱と絶望の底に落とされた。
核ミサイル投下から半日たたずして、日本は降伏を宣言。国中の資源、人材、土地をほぼ無償で搾取される不平等条約を締結することとなった。
そして、降伏から三か月後の11月。
日本を手中に収めたアリストリア軍は、上は北海道、下は沖縄・九州地区から死の土地と化した東京に向かうように領土を侵食。
国中で国民の奴隷化、軍事施設・研究施設の制圧、資源・物資の略奪が進み、とうとう残すは本州の中心に位置する長野県のみとなった。
この時、誰が予想できただろうか。
国土の95%が侵食されたこの状況下から、日本の──いや、日ノ本の反撃が始まる。