炎くんと氷くん
あるところにとても仲良しな炎くんと氷くんがいました。
2人が住んでいる村の近くには冬将軍が住んでる山がありました。
そのため、2人が住んでる村は一年中寒くてみんなぶるぶる震えていました。
炎くんは元気で活発な性格で、さらにその炎はとても暖かいのでみんなが暖を取ろうと集まる村の人気者でした。
一方、氷くんは内気で人見知りな性格で、自分の氷で周りを冷やしてしまうのでみんなからは疎まれていました。
氷くんは炎くんにどうしたら炎くんみたいになれるのかよく尋ねました。
「どうやったら炎くんみたいに人気者でみんなをあたためることができるようになるんだい?」
炎くんは氷くんを励まして言いました。
「氷くんにもいいところはたくさんあるから僕を真似しようなんて考えなくていいんだよ。」
氷くんは炎くんに励まされましたがやっぱり炎くんのようになりたいと思っていました。
だから毎日、火に近付いては溶けそうになるまで我慢したり、自分の体の氷を削って冷気を抑えようとしていました。
そんな氷くんの行動に村のみんなは気味悪がって余計に近づかなくなりました。
それどころか、みんな氷くんをいじめるようになりました。
氷くんはどうしたらいいか考えました。
自分はみんなをあたためる事はできないけど、冬将軍を倒せば村が寒くなくなってみんなと仲良くなれると思いつきました。
氷くんは準備をしてさっそく冬将軍のいる山に行きました。
山は険しく、とても寒かったですが氷くんなので寒さはへっちゃらでした。
とうとう冬将軍のいる城までたどり着きました。
冬将軍は玉座に座り氷の少年を見下ろします。
「貴様、何しにきた?死にたいのか?」
氷くんは答えます。
「お前の命をもらいにきた!」
氷くんは冬将軍に飛びかかります。
氷くんは勇敢に戦い、冬将軍の片腕と片目を奪うことができましたが、自身も深傷を負ってしまいました。
氷くんはなんとか山のふもとまで降りましたが力尽きて倒れてしまいました。
そこに氷くんを探していた炎くんが氷くんを見つけました。
「大丈夫か!どうしたんだその傷は?」
氷くんは、みんなと仲良くなりたくて冬将軍と戦い片腕と片目を奪ったことを話し最後の力を振り絞って
「みんな少しは暖かくなったかな…」
と言い残し、死んでしまいました。
炎くんは大切な氷くんを失ってしまい、とても悲しみました。
そして彼を追い込んだ村のみんなや冬将軍、そして氷くんを救えなかった自分に怒りました。
彼はその足で冬将軍の城に行き、弱っている冬将軍をやっつけました。
でも心は晴れるどころか、悲しみや虚無感、憎しみがどんどん湧いて、心を真っ黒に染めてしまいました。
もう炎くんはいままでの炎くんではいられませんでした。
炎くんは冬将軍が座っていた玉座に座り、2度と氷くんが仲間外れにならないよう、自らの炎をさらに燃やしました。
すると寒かった山や村はたちまち暑くなってしまいました。
木々は枯れ、田畑は割れ、川は干からびてしまいました。
眼前に広がる景色を見て炎くんはほくそ笑んで言いました。
「あぁ、みんなこれであったかいよな。」