あ。バレ…てないお!
同じ日の夕方。寮室に帰ってきた画咲。
「はーあ…」
寮室に帰れば和幸が “いいネタがない” とうなだれている、これはもはや “おかえり” のあいさつと同じくらい定例化。和幸にとっては年明けから取材でハズレを引く日々が続いていた。
「まーたネタを逃しちゃったよ……」
「どうしたんだお?」
「今回は大物……いいや、ダイヤの原石っていってもいいかも……」
「今回はすごい落ち込みようだお……大丈夫かお」
「うちは一応大手の出版社だから、オモテの取材が主なんだけどさ」
「うむうむ」
「ネタ不足もあって、今年輝くかも知れない逸材を探すーーなんてことになり。バックヤードの取材が解禁したんだ」
「解禁ってボジョレーヌーボーみたいだお~。ほんでほんで?」
「新人にフォーカスして取材で行ったハウスの、まさに隣でさ、ネットでちょっとバズってる無名のユニットが出たらしくて……全くノーマークだったよー………あーーーー。」
「まあま。何が当たるかわからないから…そんなこともあるお」
「ほーんと、わかんないなーーマンガ編集部行きたい!!」
「和幸~、気を取り直して、鍋しよ鍋~」
「え゛。かっくん、また鍋ー?? もうすぐ四月だよー?」
「そうだおー。鍋は何回やっても飽きないんだお!」
「僕お腹減ってないから、また今度ねー」
「なーんだおー」
「学校の始業まで日にちもあるし、まだ寒いからねー。どっかでもう一度やるならいいよー」
「オーキードーキ~。じゃあオイラつかれたから、もう寝るおー」
「へいへーい」
「ごろーーーん! 牛になりまーす」
「俺も寝てぇーーー。」
「あんまり根詰めちゃダメなりよ~和幸」
「了解了解~~~」
「あーーまったくノーマークだったなー。……地獄A`sねー」
「ぶッッッッ」




