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短編小説

死んだ祖父がスタイリッシュで有名な怪盗だった

作者: 東稔 雨紗霧

祖父が死んだ。

 命日から四十九日が過ぎようとしていたある日、奏斗は祖母に呼ばれ祖父母の家へと訪れる。

 いつになく真剣な声色で『明日の夜一人で泊まりにいらっしゃい』何て言われた時は何かあったのだろうか心配したが、いざ訪れても特に変わった様子もなく普段通りの祖母に首を傾げながらも進められるがままに夕食を食べ風呂を終えた頃、祖母が部屋を訪ねてきた。


 「奏斗、今ちょっといいかしら?」

 「どうしたのお祖母ちゃん」

 「貴方に伝えなければならない話があるの」


祖母を部屋へと迎え入れ、奏斗が椅子へと座ると早速話が始まった。


 「実はね、お爺ちゃん怪盗業を生業としてきた一族の人間だったのよ」

 「…は?」

 「怪盗ソロモンって知ってる?」

 「知ってるも何も昔からいる怪盗で予告状を出したりリアルルパンとか言われてよく特集組まれてるよね」

 「あれ、お爺ちゃん」

 「…は?」


 怪盗ソロモン、年齢不詳で何十年も活動しており繊細かつスタイリッシュなその手口がまるで魔術の様に見える事から魔術の祖と言われるソロモンの名を冠した怪盗。

 盗む物は主に骨董品で目元が仮面で覆われているながらも口元や声から大層な美青年である事が伺える事からファンクラブが存在する。

 そう美青年なのだ。

 間違っても祖父の様な皺くちゃな老人ではない。


 「いや、何言ってんのさ」

 「いらっしゃい、証拠を見せてあげる」


 書庫へと向かうと祖母は本棚の一か所を押して隠し扉を開いた。

 隠し扉に驚く奏斗を余所に中へと進んで行く祖母に慌ててついていくとその先にはテレビで見た事のあるソロモンの衣装と盗まれた骨董品の数々が陳列していた。


 「身長はシークレットブーツで顔はこれで変えていたのよ」


 祖母が取り出したのはソロモンの顔のマスクだ。

 変声機も組み込まれていると言って実演してみせた祖母に流石に信じざるを得なかった。


 「それで、なんで俺にこの話を?」

 「実は次の継承者を決めるには先代が与える試練を越えなければならないのだけれど、お爺ちゃんの試練の内容が『奏斗をおとす事』なのよ」

 「……は?」

 「と言う事で挑戦者の紹介よ。1、由緒正しき怪盗一族で生粋のお嬢様でツンデレドリル。2、忍者の末裔で現代に生きるくノ一でスポーティガール。3、幼馴染」

 「え、」

 「明日からどんどんアタックされると思うけど頑張って頂戴」


 後に猛アタックしてくる美少女達にたじたじになったり祖父の真意や蠢く陰謀で苦悩したりするのだがまだ知る由もない。


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― 新着の感想 ―
[一言] メチャクチャ続きが気になる話ですね! もしよろしければこの続きを読んでみたいです。 というか幼馴染まで怪盗の継承者候補!? でもって別に世襲制というワケではないんですね。
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