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1-3

ズドオオオオオンッ


「す、すごいです…。ゴールデンゴーレムを一撃で、なんて。」

「やりぃっ♪」


俺達はギルド本部、ではなく森の深奥に来ていた。

本来であれば低レベルのパーティーが立ち寄れる場所ではないのだが、おれのハンターランクは「A」。E~Sまでの昇級制の中で、最初からAである。もちろんその実力も伴ってはいる。

ゴールデンゴーレムは本来中盤の強ボス位置なので、普通であれば倒せるわけがない。しかし、俺の初期技能エレメンタルフォースは自身の各ステータス値を50上げることができる。これはレベルアップ時のステータス上昇値を考えればかなりの効果だ。さらには、ビッグバン。目の前に巨大なクレーターを作ったこの魔法は、5属性の頂点に立つ魔法をもってしても対抗できない、強力な古代魔法の一つだ。終盤半ばでの古代遺跡イベントにて習得できる代物なのだが、使える。使えてしまう。ファイアはできないのに、理不尽!


ピロピロリン♪

聞きなれた音が俺の脳内で響き渡る。さて、どれくらいレベルアップしたのだろうか。道中はMP切れを懸念してこそこそしてたからほとんど戦闘していない(自動回復があるとはいえ大魔法2つは燃費が悪い)。確かレベル2か3だったはずだけど…。


 ステータス

 名前:西京 司

 Lv.12

 職業:賢者

 能力:HP127

    MP296(↑↑↑)

    功力74

    防力22

    敏捷101

    理力447(↑↑↑)

    運気192(↑↑)

 特技:【真眼】正体を看破

    【瞑想】MP補正大、MP自動回復大

    【悟り】理力補正大、魔法ラーニング、敵魔法威力低下

スキル:ビッグバン、エレメンタルフォース、”オールヒーリング”、

    ”ポイントジャンプ”


おぉ、一気にレベルが上がったな~!最初のマリアと同じレベルになったぞ。上昇値も補正ありはほぼ最大値引いてるし、補正なしでも普通より+2~3はいい値を得られているし役得だぜ。防力は関係ないみたいだが…。新しい魔法も回復と移動で狩りが安定するな。


「よし、この数値ならバフかけながらビッグバンもぶっぱできそうだな~。」

「え?どういう事なのですか。数値というのはなんのことでしょうか、司様?」

「あれ、ああそうだった。俺鑑定が出来ちゃうんだよね、真眼で。」

「ええ!!そうだったのですね。その…賢者というのはすごいです!。」


マリアが若干引いてしまっている。そうだよな、巫女とか占い師の鑑定持ちはだいたい熟練のババアだから、ぽっと出の俺が出来ちゃうのはちょっとショックかもしれない。


「いい機会だし、マリアのも視てあげるよ。今の戦闘でレベルが上がっているはずだからね。」

「本当ですか!?ではお願いします。」


マリアは少し緊張した面持ちで、目を閉じて鑑定を待ってくれている。いや別に普通にしていてくれていいんだけどな…。でもかわいい、このままキスを…っダメだ!!なんか変な気持ちになってしまった。マッサージ師がよく猥褻で捕まっていたが、今なら気持ちがわかるぜ。鑑定に必要だからとか言って胸を揉んだりできてしまう気が…、


「司様?」

「ふわっ!?ごめんごめん、ちょっと発動させるのに集中してたわ!マリアは目とか瞑らなくても大丈夫だからリラックスしててよ。」


邪な気持ちを悟られないよう、努めてさわやかに答えた。


「ステータスオープン!」


ステータス

 名前:マリア・パラゾワ

 Lv.18

 職業:巫女(聖女)

 能力:HP135

    MP190(↑↑)

    功力45

    防力108(↑)

    敏捷60

    理力148(↑)

    運気121(↑)

 特技:【加護】防力補正小、運気補正小

    【癒しの力】回復魔法効果上昇

スキル:ヒール、オールヒール、キュア、リバイタル、ウォール、浄化、

    ”シャイン”


「おお、いいステータスだね!待ってて、今紙に書くから。」

「はい、ありがとうございます!私何もしてなかったのに本当に力がついているのでしょうか…?。」

「大丈夫、防力も100を超えてるよ。…すごいよ。」

「そんな、司様には及びませんよ!」

「そんな事ないんだよ…。」


マリアは俺のステータスが見れないので、無邪気に笑いかけてくれる。うう、心が痛い。


「あれ!シャインも使えるようになったのですね。練習してしっかりモノにします!」

「そうだね。俺もビッグバンの威力が調節できないか試したいから、その練習がてら経験値を稼いでいきたいね。帰りは魔物と積極的に闘っていこうか。」

「ですね!司様のお邪魔にならないように頑張ります!」


マリアは健気でかわいいな~。仲間になるNPCの中でも最強格なのは、こういう性格も手伝っているんだな。なんか裏設定を覗いてる気分で楽しいな、俺が作ったのに。


「あ、そうそう。ゴールデンゴーレムはその名の通り金塊だから、こいつは街で売って夕食は豪華にしよう!」

「まぁ!だから倒したあともこんなに輝いているんですね。全部は持っていけないのは残念ですけど…。」

「いや、こいつがあるから大丈夫だよ。」


そういって俺は道具袋を取り出す。RPGでは当たり前の収納袋だが、よくよく考えれば不思議な物体だよな。鎧から木の実まで互いに影響を与えずに入れられて、すぐ取り出せるんだから。ちなみにこちらに来た時点で腰にぶら下がっていたから、初期装備である。


「…不思議な方ですよね、司様は。なんか司様と一緒ならなんでも出来てしまうような気がします。」

「あはは、出来るよ。俺とアリアなら!」


俺もマリアが居てくれて心強い事この上ないぜ。魔王攻略にマリアは欠かせないし、なにより女の子とこんなに一緒の時間を過ごすのなんて俺の人生にはなかったからな~。なんでもできるよ、マリアの為なら。






「シャイン!!」

ピカアアアッ

「ギャウウゥン!」

「ふぅ~、これで最後の一匹だね。」

「はぁ、はぁ、司様。私ももうMPがないようです。」


ゴールデンゴーレムの後、30匹くらいのモンスターと戦闘していた。偶然フォレストウルフの群れとかち合い、集団戦にもつれ込んだが、俺達二人とも範囲攻撃魔法持ちなのでなんとか乗り切れたようだ。なるべく俺の魔法は使わずに、パーティーとしての立ち回りや連携を確認したので、今後の強い敵にも対応できそうだ。


「マリアもシャインをマスターできたみたいだし、今日はもう帰るか。…マリアッ!!」

グギャアアアッ

「ビッグバンッ!!」

ドバヂュッッ

「きゃあっ!?」

ぶしゅうぅぅ


くそっ、仲間がもう一匹隠れていたようだな。俺のビッグバンも精度が上がって、距離が近いマリアに当たらないよう頭だけを吹き飛ばせはしたが、一手奴の方が先だったらしく、マリアに怪我をさせてしまった。


「ぁう゛。何か傷口がぴりぴりします。毒かもしれません。」


マリアの手を取ると二の腕が5センチ程裂け、赤紫に腫れ上がっている。フォレストウルフの爪攻撃には毒判定が2割あるから、毒状態に掛かったのかもしれない。


「もう少しで街なので、教会でキュアをしてもらいま…う゛ん゛っ。」

「大丈夫かマリア。オールヒーリング!」

シュウィィィン


マリアがMP切れなので俺のオールヒーリングで回復させる。HP回復と状態異常回復で無駄に万全の状態だ。やっぱり回復役が2枚あると攻略は安心だ。ただ二人とも後衛職だから近接の仲間が欲しい所だな。


「うわぁ、司様の回復魔法はすごいです!一瞬で傷が治っていきます。しかも毒もケアできるのですね。」

「ああ、多分マリアもレベル20くらいで覚えると思うよ。」

「そんな魔法をもうすでに!?やっぱり賢者ってすごい!!」


うん、でも魔物の爪で引っかかれてかすり傷だったマリアの方がすごいと思うよ。





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