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神様 なかなか転生が成功しないのですが大丈夫ですか  作者: 佐藤醤油
序章

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20.1成功した転生


「死んでないよ。大丈夫、大丈夫。夢の中に登場ってやつさ。君がやっと倒してくれたからね。領域も元に戻ったし。だからご褒美タイムさ」

「ご褒美ね、夢の中って事は物理以外かな。じゃあ、説明を求めます。なぜ僕がもう一度生まれたのか」

「良いよけどさ。君、現在進行形で記憶を失ってるよ。垂れ流し。まずはそれを止めようか。ほいっと」

「現在の記憶も。やっぱり記憶を代償って、そう便利に使えるわけないか」

「もう止めたから大丈夫。それでも5、6歳までの記憶はほとんど無いと思うよ。それはそれで普通の子供並みだと思うけど。それよりも、君が前世で覚えた高位の攻撃魔法は全部忘れてるよ。あの魔法はアクアオルギュスの記憶だからしょうがないと思うけど。それでご褒美はせつめいだったかな」


「なぜクリスとしてもう一度生まれ変わったのか。理由が知りたい」


「うーん、それは僕も全部はわからないんだよね。

アクアオルギュスとして死ぬ時に再び現世に戻る権利を放棄し命さえも犠牲にして敵を全滅させる。それだけの神力を使ったろ。

本当は君の魂を保護したかったんだけど、僕の力もあんまり無かったし。だからあれで終わったはずだったんだ。

魔王も言ってたろ、君が居なくなったから代わりにアリスが今世で生まれたんだって。

魔王の魂が現世にある限り狙われた神は1体の自由な魂を得る。そういう理だからね」

 理って、神が作る物ではないのか。神さえもある程度のルールに縛られている。

「君がクリスとして生まれたのは、自分が生まれるきっかけを自分で作りだしたからなんだ。だから生まれる権利を得た。

ただ、そういうきっかけを与えたのは僕じゃない。

僕以外の誰かが力を貸してくれたんだ」

 この神はあるルールに従っている。と言うことはさらに高位の存在があるのか。そこからの助力でもあったのか。だが、自分で自分の生まれるきっかけを作ったと言われても。

 あれ?

 何気に、それらしい記憶がある事が解った。

「よしよし。なにか思い当たったかい。

じゃあ君が質問してくれないから自分から言うね。

イザラークの魂は僕ら4神が協力して封印したよ」

「4神が協力したの、へー。仲が悪いのかと思ってた」

「まあ実際仲は悪いけどね、神と人の考えは違うから、嫌っていても協力はするよ。

彼が狙う土地はここって決まりがあるわけじゃないからね。前回は違う領域だったし。

だから、皆自分に降りかかる事だからね。ちゃんと協力するさ。

これでしばらくは領地を侵される心配はなくなった。というか、イザラークの魂も転生の限界みたいだからたぶんこのままゆっくりと消滅すると思うよ。だから1000年ぐらいはまた平気。ありがとうね」

 イザラークの魂は限界。そうだろうな、あんな状態を何度も繰り返していたら。

「後は、そうだね、君が国王と約束した通り、戦いが終わったら僕の名において魔道具は破棄するよ。力も戻ったから大丈夫さ」


「それは助かります」

「じゃあ、あっちの世界に戻ったら最初の約束通り社会を過ごしやすくしてね」

「解ってますよ。これから生きやすい世界を作り始める時だって」

「そう、忘れてなきゃよいや。じゃあ下界でみんなが心配してるから戻りなよ」

「じゃあ神様、最後に。やっと転生成功しましたよ。ありがとうございます」

「うーん、君のこの転生は僕じゃないんだけどな。君の転生は失敗ばかりだったからね。アリスの転生が成功するようにしてあげてよ」

「はい。でも、もう覚えてないけど、きっと全ての転生は無駄じゃなかった。それも含めて神様、ありがとうございました。この人生、僕は楽しみます」

「そう。良かった……」


 僕はベッドの上で目を覚ました。


 目が覚めて、最初に見えたのは、クロードだった。

「クロード。目覚めの最初に見る顔じゃない」

「あら、お目覚めですか」

「キシリカ、目覚めの最初は君の方が良かったよ。サーシャやコリンナは」

「サーシャやコリンナは食事の準備に。クロード、アイナ様を呼んで来て」

 シスコの母親アイナは回復魔法の使い手だ。今回の戦いにも呼ばれていた。父上達と一緒に行動していたが、戦いが終わったから合流したのか。

「クリス様、おかげんは如何ですか」

「うーん、正直不明。体は動く感じだけど全快って感じじゃないかな」

「そうでしょう。食事もせずに3日も眠っていたのですから。こちらをゆっくりと飲んでください。お薬ですよ」

 言われるままに薬を飲んだ。そうか3日も寝ていたのか。

「魔物達はどうなったの?」

「クリス様が魔王を倒された後、都市核を掌握されたから急に弱くなって。きっちり殲滅しましたよ」

「まあ、いかにもクロードがやったように言ってますけど、この男もまる1日寝てたんですよ」

「キリシカも寝てただろう」

「二人とも、僕の側近として最後の戦いに参加してたんだ。最後、魔王の攻撃を防いでくれて助かったよ。あとカールとリーシャ、それと賢者様の所から来た回復魔法の使い手だれだったっけ。リナあれ、リアア?」

「リアーナですよ」

「そうそう、その子。その3人は大丈夫なの」

「はい、3人とも動けてますよ。騎士さんは一人、足を折ったので休んでますけど」

「回復魔法の使い手が足りないのか」

「いえ、急を要するわけではないので、なるべく自然回復させると言ってました。骨折したまま筋トレやってたんで、医者に叱られて寝てるだけですから」

「ああ、ヴィルフか」

「その通り」


「それで、他には聞いておいた方が良い事は?」

「アリス様を含めて皆がこちらへ移動して来てます。あと1週間ほどでこちらに到着されるでしょう」

「そう、ふあ、まだ眠いな」

「ダメですよ。まだ寝ないでください。少し食べないと回復魔法だけでは元気になれませんから。すぐにスープを持ってきます」



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