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16.5領都の生活

 秘密を共有したからか、同じ日本人だった記憶を持つと認識したから今日1日でアリスととても親密になれた気がする。

 デートは大成功だったのではないだろうか。

「クリス様、機嫌が良いですね。デートが上手くいきましたか?」

「ああ、気になっていたことも解ったし」

「何か、気にされてましたか?」

「何でもないよ。コリンナ。じゃあ今日も行こうか」



 それから2週間、賢者様にまじめに教わりいくつかの魔道具が作れるようになった。

そして、城で完成させることができなかったので、自分の部屋で少し作業をやっていた。

 僕の部屋をリンカとミーリンが整えている。僕はそれを気にせず作業を続ける。


「できた、完成だ」

「何が完成したのですか?」

 リンカが聞いていた。

「生活関連の魔道具では無いのは見た目で解りますけど」

 ミーリンが補足をする。

「氷牙剣。ミーリンの言う通り、攻撃用の魔道具だ。僕の狙いと実際にできる物にギャップがあるのは資料がそうなっているのでどうしようも無いのだけど。最初は資料通りにやるしかないからね」

「どういった効果があるのですか」

「剣に魔力を込めて突き放てば、先端から氷の牙が飛んでいく。魔力を込めたまま切り付ければ、相手に当たった瞬間に凍らせる」


「氷の魔法が苦手なクリス様を補助する道具ですね」

「まあ、そうとも言えるけど、本当は冷凍庫を作りたかったんだ。そのテスト用だよ」

「冷蔵庫ですか」

「物を凍らせて保存する箱だよ。魚や肉を瞬時に凍らせてから、保存の効く小部屋に置いておく。使う時には自然解凍。たぶん、それで食材を旬のままで長期間保存できるはずなんだけど」

「だけど、なんですか」

「食材を瞬間冷凍させるには、思っていたよりも大量の魔力を使うし、その温度よりは高くても良いのだけど、冷やし続けるのにも魔力が必要だから」

「ああ、魔力効率が悪いのですね」

「ああ、僕が使うなら足りるけど、普通の人じゃあ使えない」

「残念ですね」

「まあ、武器としては有益だけどね」


「その剣はどうされるのですか」

「お礼に子爵様へ渡すよ。材料も子爵様の物だし」

「そうですか、クリス様がお使いになるわけでは無いのですね」

「家に帰ってから作るよ。氷牙剣よりも、火炎剣や、風切り剣の方が良くない」

「火炎剣は、全部燃えちゃいそうですね。大丈夫ですか?」

「実際に燃え広がるわけじゃないよ。高熱で溶かしながら切るんだよ。魔力が無い部分は熱くならない。剣と接触した部分だけが解けていくんだ。恐らく鉄の武器も溶けるよ」

「それは、また恐ろしい武器ですね」

「まあ、馬鹿みたいに魔力が必要だから、ここぞって時しか使えないさ」

「必殺の剣ですか、男の子が好きそうな剣ですね」

「そういう考えもあるのか。ミーリンの男性に対するイメージがわかったような気がする」

「そうですか」


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