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神様 なかなか転生が成功しないのですが大丈夫ですか  作者: 佐藤醤油
序章

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16.3領都の生活

 朝食を食べた。いつも通りなのだが、僕にとってのなじみのある料理でこの辺りの国では一般的ではないメニューが続いている。料理はおじさんが作っているらしいがレシピを考えたのはアリスだと言う。

「ほんとに、ここの料理はクリス様が作られた料理に似てますね」

「そうだね」

「クリス様も、アリスさんもどうやってこういったメニューを考案されるんですか」


「え、クリス様もレシピを考える。意外。お料理が出来そうな感じしないけど」

 あれ、まただ、何かを思い出したのだけど、思考が分散するような。変な感じがある。アリス関係の時なんだけどな。

「クリス様は、外の出かけた時などは、良く作られますよ。他の人が作るよりもおいしいし」

「へー、貴族様も外で食べる事があるんだ」

「魔法の訓練や、剣の訓練を兼ねて猟に行く事があります。外に行くのに料理人を連れて行くわけありませんからね」

「へー、そうなんだ」

「では、アリス様もそろそろお出かけの支度をしましょう。服は昨日言った通りこちらが用意した物をお貸しします」

「ほんとうに、良いのですか」

「ええ、前回の服でも良いのですが、今日はもう少しおしゃれにしましょう」

「えっと、じゃあお願いします」

「クリス様はお部屋で準備をしてください」

 どんな話がされたのか知らないが、朝起きたらアリスの支度はうちの女子軍団が手伝う事になっていた。なぜか全員が乗り気らしい。少し前まではやめた方が良いと言っていた気がするのだけど、何が変わったんだろう。


 僕は、コリンナに手伝ってもらって服を着替える。いつも動きやすい格好をしているので多少貧乏くさい格好が多いのだが、今日はきっちりとした綺麗な服だ。

 教会に行くからと言うのもあるのだろうか。騎士爵、いや男爵家の息子でも大丈夫な格好をしている。

 これ以上良い服を着ると身分不相応だろう。


 下に降りて待っていると、アリスが綺麗な服を着て降りて来た。スカートもふわりとして華やかな格好だ。とても町娘には見えない。ちょっとしたお嬢様だ。


「アリス、今日は一段と可愛いね。とても良く似合っているよ」

「クリス様も、いつも以上に今日は品のある格好ですね」

「そうだね。さて、さっさと教会に行こう。ミサが始まるだろう」

「はい」


 街中にあるので、歩いてもいけるのだが、今日は、馬車でお出かけらしい。10分も乗っていると教会に辿りついた。馬車渋滞が出ないように、すぐに馬車から降りて教会へと進む。馬車は待機所に移動して待っているようだ。

 

 礼拝室に入ると、平民を含めて100人ほど集まっていた。全席側が上流階級の人向けになるようだ。男爵家や騎士爵が並ぶ席に移動する。

 僕らの街にも教会が出来たので休みの日に良くこういったミサが行われる。毎回行くわけでは無いが、僕らにとっては、参加して寄付を行うのがある意味で義務だ。


 今日も、神様からのありがたいお言葉を聞いて最後に祈りを捧げる。

 入る前にお布施は既に出してあるから、お祈りをすれば順番に出て行くのだが、今日は教会の司祭から残るようにお願いされた。神徒だからどうとかあるのだろうか。あまり表立ってそういう事をしないように言ってあったはずなのだが。



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