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13.3領都へ行く

 領都への移動は、まあまあ順調だった。

 旅の最初は魔法組と護衛組の少人数が先にスタート。道をなだからに整備しながら移動した。そうして数日後に準備ができた後発組と合流する。先発組が休憩をしながら馬車でゆっくりと進み、後発組が馬で早抜け。馬車が通るまでに道を整備。そういう事を繰り返して進む。もちろん自分達が管理する地域までしかしない。

 領都管理の道は、僕らの物ではないからだ。ただ、何もしなくてもそれなりに良い道だった。さすが領主の直轄地。

 魔法で、道を整備しながら進んだせいか、街道に出回る魔物はほとんど現れなかったのもあり、順調な旅だった。


 初めての領都に到着した。まず入城前に驚いた。

 とてつもない塀で囲まれているのだ。僕らの街の塀は最終的に3mに1mの柵が作られているが、ここの塀は城門部分が4階建ての建物だ。窓もあり、兵士が住んでいる。かなり長い建物で、常時数百人の兵士が住んでいると思われる大きさだ。

 その長い建物が終わると、続く塀は5mほどの高さがあり、上を兵士が歩いているので太さもかなりあると思われる。

 城壁と言うのは、こんな物を言うのだろうか。

 見た感じでは直線的に2kmほど先まで城壁が見える。とんでもない費用がかかっているような気がする。

 その城壁と見て、ふとアースアシュリーの時代を思い出した。

 そう言えば国境沿いの塀がこんな感じだった。あの塀は10㎞以上あったはずだ。きっと魔法で作れるようになっているのか、費用を削減する為に規格化された何かがあるのだろう。もしくは過去から積み重ねた歴史がこれなのだろう。


 領都に入ると、まずは母上の兄の所へ顔を出す。

「バーディ・ラクサニアとアンシェリー・ラクサニアの子クリス・ラクサニアです。はじめまして」

「コルネオ・ランバートだ。父上から聞いてはいたが、アース兄さまに似ているな。

懐かしいよ。でもあの頃の兄さまの年を超えたんだね。大きくなった姿を見る事ができて嬉しいよ」

 初めてあった、コルネオ様はアースアシュリーの記憶を少し呼び起こす。父上に似ていると言っていたけど、本当にそっくりだ。

「クリス、久しぶりだな」

「おじい様、お元気そうで何よりです」

「うむ、そなたも元気そうで安心した。8歳でオーガを倒したと聞いた時には肝が冷えたがな」

「仲間がいたからです。僕一人では倒せませんでした」

「そうか、そなたが育てたのだろう、酔眼だったな」

「はい」

 顔を向き直すとコルネオ様の隣にいた、コルネオ様に似た子供が話しかけて来た。

「コルネオ・ランバートとシーラザイス・ランバートの子、ラクスです。

クリス様よりも一つ上です。

よろしくお願いします」

「同じく、レイラ。クリス様の2つ下です」

「同じく、イクス。レイラお姉さまの2つ下です」

 男、女、男なのか。母親がシーラザイスと少し長めの名前なので生粋の貴族と結婚したのだろうな。

「初めまして、皆さま。母方の親戚だそうです。ぜひ仲良くしてください」


 無難に挨拶を済ませ、疲れているだろうからと宿屋に戻る事になった。親戚一同が集まった食事会は明日になるそうだ。

 僕ら宿組と、領組で別れて移動した。



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