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12.4 魔物襲撃

 僕は兵士が持っていた一番大きい大剣を借りる。身体強化を最大にして首をはねた。

 他のオーガも、徐々に決着がつき、倒れた。

 最後に、身体強化のできる者が首をはね、しっかりと止めをさした。


 転がったオーガの頭は、とても怖かった。

「それ、壺にでも入れて隠して」

 兵士に頼むとどこかの家にあった大きな壺に6個にオーガの首を入れて蓋をした。

「クリス様、どうして壺に」

「え、今にも動きだしそうで怖いじゃないか」

「まあ、確かに動き出しそうですね。でも死んでいるのに怖がるなんて」

「生きているオーガーを相手にしてたクリス様らしくありませんね」

「エールにでも漬けておきますか、復活しても酔っぱらてれば術をかけられませんよ」

「ああ、それだ。そうしよう。怖いから、そうして」

 こうして、オーガの首はなぜかエール漬けになった。

 はあ、なかなか厳しい戦いだった。


 倒したのオーガは特殊個体。レッドオーガだった。通常のオーガよりも体力があり皮膚は強く物理攻撃も通りにくい。魔法攻撃全般に対しても耐性を持つ。特に火に対しては高い耐性を持ち、唯一氷魔法が有効。ただ弱点と言うわけでは無い。ダメージを与える事が出来るだけ。

 その中で最上位だった個体はレッドオーガジェネラル。高い統率力を持ち、数百体の魔物を率いる。

 しかし、この群れでこの強さだったのだ。こんな特別種が沢山いては、魔法が使えない者達ばかりを編成してい勝てないだろう。領都の方は大丈夫なのか心配になる。


 倒したゴブリンは食べるところが無い。皮も匂いがひどくて何に使うこともできない。焼いて処分するしかない。オークは肉を燻製に。オーガは角や皮が素材として使える。他にもいろいろと。ただ肉は脂肪が殆どなく赤身ばかり、ただそのままだと硬い。赤身と言えば熟成肉。だがこれは一般家庭では無理だと言われたはずだ、吊るしたからと言って熟成するわけでは無いだろう。

 まあ、オーク肉と一緒に燻製させて日持ちさせよう。まずくても硬くても食料が無いよりは良いだろう。畑がダメにされたぶんを補う必要があるのだから。これで、当面の肉は確保できた。肉の処理が一通り終わったころ、はぐれた個体の討伐も終わった。


 そうして、皆は安心して元の地区に戻り始めた。農民たちは急いで戻り畑の確認をしている。3か月後には麦の収穫があり、どれだけの麦が取れるからは今は解らない。

 税として納める必要もあるだろうし、今年の食料をどうするのか難しいところだ。

 恐らく、襲われた3つの地区の食料は壊滅的なはずだ。半分残っていれば良い方だ。残されている食料、この街で取れた作物と残り二つの街。それにオークの肉。これでこの近隣を食べさせることができるのか疑問だ。

 さらに、領都も魔物が出ているので、そちらから食料が支援されると思えない。かなり厳しいだろう。領主が王へ食料の要請をしていることを期待し、こちらはこの街の食料生産をできる限り増産し、近隣に分ける方向で考えるしかない。

 念のために、開拓地のあいている土地や、魔物に荒れた畑は、冬になるまでに収穫できそうな芋や豆を植え、少しでも収穫量を上げるようにしてもらったが、厳しい冬になりそうだ。

 いくつかの村は、すでに子供達だけでもこのまま預かって欲しいと言われた。

 母上が担当し、教会と相談して準備を進めてくれている。



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