12.3 魔物襲撃
崩れた塀に向かってオーガと生き残っているオーク、ゴブリンが寄ってくる。
オークやゴブリンは魔法と矢で対応できているが、オーガはそれらがダメージを与える物では無いと舐めているようで、払う必要もない。ゆっくりとゆっくりと歩いてくる。
一番近くに来たオーガーに猪を倒した上級火炎魔法を使ったが、表皮を焼いただけだった。ダメージが無い。
かなり強い魔法耐性を持っている個体だ。
「おかしいな、オーガがあれほど魔法耐性を持っていると思えないのだけど」
「クリス様、火の耐性が強いだけではないですか。氷魔法を使ってみませんか」
「シスコ、僕だってなんでもできるわけじゃない。氷魔法が若干苦手なんだ。まあ良い、愚痴を言ってもしょうがない。やってみるか」
上級氷魔法、”巨大な氷の槍”を一番手前に来たオーガに撃ち込んだ。
すると、先ほどとは違い氷の槍はオーガーの腹を突き破った。その衝撃でよろける。すかさずそこにキシリカの氷魔法が撃ちこみ、倒れた。
「これはまずいな、効くけど、ちまちまと攻撃していると攻めらるぞ、それに上位個体は倒せない」
「共鳴魔法で攻撃しましょう」
「え、マジ。誰と」
「キリシカとラールが氷魔法の上級が使えます」
「わかった、じゃあキリシカからだ、次はラールだ準備しろ」
二人とも急いで魔力回復薬を一気に飲み干す。
「わかりました、行けます」
キリシカが元気よく答えた。
「僕らは先に上位個体を叩く。他は残りのオーガを足止めしろ」
キリシカが詠唱して、準備を始める。
「いつでも」
「じゃあ、合図をだせ、僕が合わせる」
「では、”巨大な氷の槍よ、敵を打ち抜け”」
キリシカの最後の詠唱に合わせて、魔法を撃ち込む。
油断をしていたようでまともに攻撃を受けた。
「ぎゃおーーーー」
上位個体が、膝をついた。さすがに1発で殺せるような敵ではないようだ。
他のオーガは、他の人が氷魔法を撃ち込み徐々に体力を削っている。このまま任せるしかない。
「ラール、次行くぞ」
「はい」
「準備完了、”巨大な氷の槍よ、敵を打ち抜け”」
ラールにタイミングを合わせて氷魔法を撃ち込む。
さっきのキシリカの時よりも調子が良かった。魔法の効果が綺麗に重なり思ったよりも威力が強化できた。3度目の共鳴魔法でコツがつかめたかもしれない。
オーガは防御態勢を取ったが、先ほどよりもさらに巨大な氷の槍がオーガの正面からぶつかった。大きな衝撃と叫び声が聞こえる。それでも倒せていないかもしれない。
氷による影響か、白い霧が発生する。風魔法でそれを消すと瀕死のオーガが2体。さらに上位個体は動けず座っていた。手に武器は無く、顔は下を向いている。
動くことさえできない状態なので、瞑想状態で自己再生を最大にしているのかもしれない。今がチャンスだ。
兵士が剣を持って走りこむ。他の街から来ていた兵士も含めると20人。
母上が兵士達全員に身体能力が向上する魔法、それに防御力を上げる魔法を使った。
「油断するな。チームで動け、チームでオーガの左右に回れ、まだ攻撃するなよ」
4人が1チームとなって、左右に別れた。僕はゴンを連れて上位個体の後ろに回る。
「いいか、僕が魔法で後ろから心臓を突き破る、お前たちは左右、少し前から威嚇していろ
。攻撃はしなくても良い」
後ろに回り込んだら、ゴンから短槍を受け取る。
そーと近づき狙いを外さない所で止まる。槍を振りかぶる。身体強化を最強にあげ、力を貯める。槍にも魔力を込めて狙いをつける。オーガの心臓は胸の中央、肺の下あたり。狙いを定め、思いっきり槍を突き刺した。
「よし、やった」
安堵したのか兵士が近づこうとした。
「ダメだ、こいつは上位個体だぞ。心臓がつぶれてもまだ生きているかもしれない。不用意に近づくな」
声をかけたら足を止めた。僕に声にオーガが少し反応したような気がする。やはり油断ならない。
「ロープを持って来い、遠くから体をぐるぐる巻きにしろ」
言われた兵士がロープを持って来て、ビクビクしながらロープでぐるぐるに巻いた。




