10.2 魔法教育
「さて、皆にはまず魔法の基礎力を上げて貰う」
「魔法に基礎力があるのですか?」
世に広まっている一般的な魔法の鍛錬は、攻撃魔法や防御魔法の詠唱をひたすらに練習することだ。だが今までの成長過程でそれは間違いだと知っている。
アクアオルギュスの時に、魔法を得意としたカルギウス家でも代々伝わっていた練習法があり、それに加えて数代の子供時代の練習で確信に変わっている。
魔法は、魔力操作の能力を向上させることで魔法全体の効果が上昇する。
そして、魔力操作の能力が最も効率的に伸びるのは錬金魔法や土魔法だ。魔力操作のレベル向上が見た目にすぐに現れるのでわかりやすいし、目標値を定めやすい。
つまり、シスコに手伝わせたようにリバーシの板や駒作りなど、そういった事に向いているのだ。
もちろん、攻撃魔法や防御魔法を繰り返す事でも魔力操作のレベルは上がる。例えば攻撃魔法を敵に向けて曲げたりする事だ。だが遠隔に放った魔法の位置を修正するのはとても難しい。いきなりやっても上手くいかない。結果的には魔力操作のレベルが上がりにくくなる。
ちなみに、錬金魔法と土魔法の違いはあまりない。それどころか非常に似ている。同じのようにも思えるが、錬金魔法しか使えない者と土魔法しか使えない者がいるので、確かに属性があるのだろう。
リバーシの板を例に説明すると土魔法は材料を思い描いた通りに変形させる事ができる。そして材料の硬度を変更できる。錬金魔法も同じように材料を変形させる事ができ、硬度を変更できる。錬金魔法は土魔法に対して色も変更できるし材料の分離や、化合もできる。やれることは錬金魔法の方が多い。
だが、土魔法は壁のような大きな物も変形させたりする事ができるが、錬金魔法は人の大きさを超える物はほぼ作れない。
魔力の消耗も同じ大きさなら土魔法の方が効率が良い。
だが、どちらも駒かい調整は詠唱した呪文の効果ではなく、魔力操作によって決まる。
過去の実績の話はしていないが、魔力操作のレベルアップが魔法の基礎力だといろいろな例を元に説明を行った。
とりあえず皆が納得したのかは不明だが、しばらくは土木工事かリバーシの駒作りをやってもらう事にした。それで魔力を細かく制御する方法を習得してもらうのだ。
まずは、水路の一部を作りお手本を示す。
それから、皆が魔法で水路を作る練習を繰り返す。もちろん最初から上手にできるわけがない。そもそも土魔法も錬金魔法も水路を作るための魔法では無いのだから。
彼らに短期的な成果は求めていない。当面は僕の魔法の隠れ蓑になって貰えば良いのだ。だから彼らが練習しつつ僕が隣でどんどん水路を作り出す。
彼らは練習しつつ、目の前で僕の作業を見る。
これは、カルギウス家の魔法習得方法にも見る事も一つの習得方法と書かれていたので無駄ではない。
魔法は、イメージ力。成功のイメージがあってこそ魔法が発動するのだ。だから僕が皆の前で魔法を成功させるのは良い経験になるのだ。




