10.1 魔法教育
未成年で10歳以上の子供達に集まってもらい、魔法が使える者は得意の魔法を披露してもらう。魔法が使えない者は生活魔法を使い続け魔力量を調べる。そうして、10人を選別した。
クロード、最年長15歳男性。自称、この町一のイケメン。ナルシストでちょっとキモイ。
コルネオ、14歳男性。全体的に丸い。食事事情が悪いのによく太れた。不思議成年。キシリカには嫌われている。元気なサーシャが好き。
ラール、12歳男性。かっこつけ、クロードにあこがれている。容姿は平凡
カール、10歳男性。ラールの弟。性格はいたって普通。容姿も平凡。
シスコ、10歳男性。ちょっと生意気な少年。
キシリカ、14歳女性。少しきつめの性格だが姉御肌の良い人。すでに巨乳の気配あり。
サーシャ、13歳女性。丸顔の元気少女。年齢通りの体格。
コリンナ、12歳女性。おっとりとした性格の少女。
エリン、12歳女性。リーシャの姉。妹命の変わった子。
リーシャ、10歳女性。10歳でありながら才女。この中では一番賢い。
集まった子供達への挨拶から。
「皆は今日から魔法の特別訓練を受けて貰う事になりました。先に聞いていた通り、皆は父上付きではなく、僕の為に働いてもらいます。
父上は若い時から長となった。その時の経験から僕は幼いうちから体制を作る事になりました。
えー、皆が知っている通り、僕は4歳にしては賢い、良くしゃべれると言われていますが、逆に、言葉使いが変になってしまっている。
早くから長としてふさわしい風格を身に着ける必要もある。らしい。
皆が魔法を習得する事も目的だが、僕の教育でもあるそうだ。
皆、よろしく頼む」
ふう、話終わった。今までみたいに同じぐらいの年齢でもなく、大人でもない彼らにどういう接し方をするのか今一つつかめない。僕自身、年上にしゃべる話し方、部下に対する話し方、それがきちんと区別できない。どうしても意識が混ざって、よくわからない言葉使いになる。大人とばかり話しすぎているせいだろうか。
「では、質問があれば受け付けましょう」
「はい」
一番年長のクロードが手を挙げた。同学年でいつもリーダー役をやっていると聞いていたので、ここでも皆の代わりに手を挙げたのだろう。
「どうぞ、クロード」
「クリス様を支える為と言うのは両親からも言われてきたので良いのですが、そもそも魔法は誰が指導してくれるのですか。アンシェリー様は子供部屋の教育もあり、教える予定は無いと聞いていますが」
クロードが僕に対して丁寧語で話すので、僕はその態度に応じて話さないといけないのだろうな。
「魔法は僕が教えます。いや教える」
「クリス様は、もう魔法が使えるのですか」
驚きの声を上げたのはサーシャだ。元気さゆえか、発言許可も求めず遠慮なく質問してきた。
「クリス様は上位の魔法まで使える。だがこのことは親にも秘密にするように」
シスコが声高らかに言った。
「秘密ですか」
クロードが再び聞いてくる。
「そうです。いや、そうだ。
皆がこうして集められ、秘密の特訓を受けますが、先生が誰なのか、そして魔法の指導内容、それらは一切秘密だ。
4歳の子供が魔法を使えると言うのが異常だと言うのは解っている。
だから僕が一人の時に魔法が使われれば怪しまれる。
ある意味で君たちはその隠れ蓑としても役立ってもらいたい。
もちろん、それだけではない。ちゃんと魔法の修練も積んでもらう。
疑われないにするには、嘘を誠にするしかない」
「魔法を使うところを見せて貰っても」
この言葉に複数の子供がうなずく。疑い深いな。
だが、魔法を学ぶ者であるならば、慎重である事は好ましい。
「もちろんだ、皆が疑問に思うのは当然だ、今から見せる。移動しよう」
少し移動して魔法を撃てる場所に立つ。
「凍てつく氷を我が手に、白柱の槍となり敵を貫け」
手を振ると氷の槍が木に刺さり、大きな穴をあけた。
氷魔法は苦手な方だが、得意の雷魔法は落雷の音が大きくなりすぎるし炎魔法も周り中が火事になってしまう。苦手なぐらいがちょうど良いのだ。
「本当は無詠唱でもできるが、魔法を使っている様を見たいようだから詠唱してみた。
どうかな、信じたか」
「これは、中級の魔法ですか?」
「ああ中級だ、でも氷魔法は苦手なんだ。ギリギリ使えても上級。それも少し威力が落ちる。炎や雷魔法なら、戦術級や戦略級の魔法が使えるが、それを使うとまずいだろ。
君たちが成長して、才能があるならそれも教えよう」
みんなが黙っている。理解してくれたと考えれば良いのかな。