表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/96

7.8クリスとして生きる

 僕の今は、魔力の調整がどの程度できるのだろう。洗礼前から生活魔法が使えたし、神徒の洗礼を受けた後は、やばいぐらいに魔力が増えている。

 1回やってみないと解らないな。着火も危ないし、照明も。やはり洗浄が一番安全か。

「洗浄」

 僕一人だけでなくその場にいた神官様も一緒に綺麗になった。

「やっぱり魔力の流れが調整できない。これが最小だとまずいな。魔力操作の基礎からやり直しかな」

「クリス様、やはり素晴らしい。さすが神徒です」

「え。神官様なにか?」

「クリス様、かの方も洗礼式を終えた直後に生活魔法や魔法を使われたそうです。神徒である事を秘密にされたいなら、あまり人前で魔法を使わない方が良いかと。

でなければ私が秘密にしても無駄になりますよ」

 なるほど、その通りだ。今回は最初人並みにしておいて、噂が広がらないようにしたい。神徒だとばれなければ襲撃が無いかもしれない。ここは毒殺の危険も無いしのんびりと過ごすには内緒が一番だもんね。

「ああ、わかった。これからは自重するよ」

「ええ、そうしてください」


 神官様と一緒に馬車を出る。

「神官様、クリスは大丈夫でしょうか」

「ええ、魔力がとても多い子でした。

洗礼で魔力を使えるようになった途端に少し暴走しかけましたが、大丈夫です。

今は落ち着きましたから」

「魔力が多いのですか。ではアンの血か。良かったなクリス。

では、神官様。今日の洗礼式、ありがとうございました。午後からは他の子供達が来ますので、お昼にしましょう。家へどうぞ」


 僕らは、家に向かって歩き出す。

 広場から家までは少しなので、すぐに到着する。去年も家に来ていたみたいだが、小さすぎて神官様の食事には呼ばれていなかった。洗礼式を受けたので今日は一緒に食事をするらしい。

「バーディ様、この地も新しい農法が伝わり成長してきました。ですのでそろそろ教会を作る申請をしようと思います。受け入れ場所がございますか?」

「え、良いのですか。もちろん、場所はあります。どのくらいの大きさがよろしいですか?」

「教会を作る時に、領都の孤児達を連れてきてください。だから、礼拝堂と別に、孤児が100人ぐらい入れる建物が欲しいですね」

「こら、クリス。無茶を言う物ではない」

「いえいえ、良いのですよ。クリス様は孤児の面倒を見たいのですか」

「先の戦争で親の亡くなった子供が沢山いると聞いています。この街ではかなりの死者が出ました。幸い、この街では皆で育てていますが、領都には貧民街が出来るほどに沢山いるのでしょう。せっかく教会を作り、教導師の方も来るならしっかりとした設備を作った方が良いですよ。孤児を育てるにしても、領都よりも田舎の方が安く育てる事ができる。それにこちらなら育ってからも開墾すれば農地が貰える。文字や算術を教えて才能がある者が居れば、近隣の村に配置して税の計算をする文官にできる」

「そうですね。申請してみましょう」

「良いのですか、そのような事」

「まあ、言うだけならばタダですからね。申請が通るとは限りませんし」

「子は国の宝と言うけど、そのままでは宝石ではなく原石。教育によって磨かれ、価値ある者へ変わります。ただの孤児院では意味がない。

文字と算術は必須です。この街の民も一緒に学べる。そして、武芸については父上もいる。

希望する者がいれば兵士にしても良い」

「素晴らしいお考えです。クリス様のおっしゃる通り。わたくしも頑張って説得してきます」

「期待してますよ、神官様」

「クリス、気安すぎるぞ。

申し訳ありません神官様。クリスは、いつもはこんな生意気な感じではないのですが」

「いえいえ、クリス様の秘密を少しだけ知りましたから、大丈夫ですよ」

「え、秘密ですか」

「ええ、魔力を落ち着ける間に一つ秘密を教えて貰いました」

「そうでしたか、はあ。やさしい神官様で良かったなクリス」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ