6.3今度は守護霊?
両親の話から聞けた情報によると、母親はアンシェリーと言うらしい。父親はアンと呼んだりシェリーと愛称で呼ぶ。他の方々は若奥様や、アン様と呼んでいる。
ちなみに、僕が最初に名前を呼んだのはもちろん母親だ。前回に比べさらに父と過ごす時間が長いと言っても、父親との時間よりも圧倒的に母親と乳母の方が長い。なので、次に名前を呼んだのは乳母、そして隣の家に住む父の母親。つまりおばあちゃん。最後に父親だ。
父上の名前はバーディと言う。とても言いにくい。名前ではなくチーと呼んだそうだ。これらは覚醒前に済まされたイベントなので僕に悪意はない。
記憶がはっきりすると共にちゃんとした会話ができるようになった。そこで現在の状況を怪しまれないように確認した。
アッサンブルク王国はアースアシュリー時代にサクラニア王国からの侵攻を受けた。その時にランバート伯爵家の土地を奪われた。その後、僕が北の地で侵攻された時と同じ時にこちらも侵攻された。そしてランバート領の隣にあった子爵領を取られたそうだ。
そして、時代関係を整理すると、僕が北の地で死んでからこの体に転生するまで5年の歳月が過ぎていた。
どうやらあの後、逃げていた人々は救援に来ていたシュリングル王国の兵士と合流し元の街に戻ったらしい。なぜか敵兵が全て爆死すると言う事件が起き生き残ったわずかな敵は敗走したそうだ。
死体の状況から、隷属の輪を付けていた数千人が亡くなったそうだ。
そんなうわさ話を聞いたが、自分が亡くなる直前の記憶がおぼろげなのだ。父上や母上、アウロス達が死んだことは覚えているが、その後自分が何をしたのか全く記憶に無い。そんなすごい力があったとは思えないのだが、どういう事だろうか。
とりあえず、現状子供への物語の一つとして伝えられた状況によるとあの戦いは、その戦いの結末から伝説となり、アクアオルギュスは、3国が公式に認めるウルカヌス神の神徒となった。そしてアウロス、アロイスとアクアの両親は使徒と認定された。
彼らの遺体は、シュリングル王国の中央教会に祭られているそうだ。
そして、敗北の責として侵攻されていた土地を含めて全てシュリングル王国に戻ったそうだ。
その話を聞いて、どうやら僕が転生が始まった時に頼まれた問題は解決したのだと思った。だから、転生されずにいたのだろうか。
だが、あれほど世界を憎んだ僕だ。まだ何かをやらせるつもりなのだろうか。2歳児の頭の中で、何度も何度も自問自答が続く。もしかしたら今世の僕には特に任務は無いかもしれない。なぜなら、神はこの転生の前に神の前に呼び出さなかった。
そう考えると気が楽になる。単なる希望かもしれないが。
とりあえず、今度の人生では神徒と名乗るのを辞める、なるべく控える。ばれても秘密にするようにしてもらおう。
今の僕には神からの役割を果たす気力が無い。自由にやらせて貰おう。
良いよね、神様。
その代わり、信仰だけはちゃんとします。
こうして、僕はクリスとしての新たな人生を歩み始めた。
主人公
アースヴェルギウス・カルーシア カルーシア王国に生まれた第3王子
アースアシュリー・ランバート アッサンブルク王国ランバート伯爵家の長男
アクアオルギュス・カルギウス シュリングル王国カルギウス子爵家の長男
クリス・ラクサニア ラクサニア騎士爵の長男
家族
セレスティア 幼名セレナ アースヴェルギウスの妹
シュリングル王国の王妃となった。
アルスランプレヒト・ランバート アースアシュリー父親
アルス・ランバート 準男爵に降格と共に名を変えた。
アンゲローナ・ランバート アースアシュリー母親
コルネオ・ランバート アースアシュリーの弟
バーディ・ラクサニア クリスの父親
アンシェリー・ラクサニア 幼名ソフィア アースアシュリーの妹でクリスの母 洗礼後に全く違う名前に変更。命名はおばあさん。




