4.2伯爵家の息子として生まれる
この領地で農業を指導しているのはレブラントと言う下級貴族だ。20代の若手だがなかなか熱心に研究をし、この地にあった農業を研究しながら広めているらしい。
彼からこの地での問題点を聞かされた。
彼の悩みは麦以外の作付けだった。芋を含めた穀類だけでなく多種の野菜を育てるようにして多くの種類を増やし不作に強くしたいそうだ。
その中には、森でのキノコ採取も含まれていた。
毒キノコを食べて死んだ事を思い出したが、椎茸の栽培方法を思い出したので試して貰う事にした。他にも、香辛料として使える食材を教え、採取をいらいした。
レオンヴァッカロー様の弟子は割と優秀だった。農業は地方が変れば同じ方法で上手くいくとは限らない。自分の目で見て、手で触る。現地を確認し応用できる良い生徒を育てていた。残念ながら本人は既に引退しているそうだ。
錬金魔法に関しては前回からの続きもありすぐに熟練したので、幾つかの料理道具を作りレブラントから平民に配り使った感想を集めた。
一気に7歳まで育った。
椎茸の栽培が上手くいきこの領地での特産品になった。
この地は、国内では最も南に位置するので温かく花も多い。レブラントにミツバチの飼い方を教えた、ここでの蜂飼いも始まった。
伯爵家では毒を食べさせられるような恐怖もなく、適度な運動、いや少し過剰かな。まあ体を動かすことが多いので、おいしい食事ですくすくと育った。母上と父上の仲も良く、僕も兄弟と遊びながら平和な世界で楽しく過ごしていた。
そんな平和な生活で試していたのは信仰心の向上だ。
神から魔法を授かり、神を身近に感じられるはずなのに元日本人の僕よりも神に対する信仰心が無い。食事前のお祈りも義務的というか、単なる習慣となり信仰心が感じられない。
そこで、事あるごとに神は皆を見ている。神の恩恵によって魔法があり便利な世界に住んでいるのだからもっと神に感謝をしなければならないと、説いてみたのだがあまり効果がない。
そこで、一度だけ生活魔法禁止を禁止する日を設定して貰った。不便な1日を過ごす事で魔法を与えてくれた神へ感謝し信仰心を増やそうとした。
結果的には信仰心が上がったような気がする。
結果を数値で示せないが教会へ行く人が増えたような気がする。




