1.転生開始
神様の元へ偶然流れ着いた異世界の魂があった。その魂こそがこの物語の主人公である。
主人公は、神様から自分の領域に転生し自分を信仰する人々の生活を豊かにして欲しいと依頼された。
この世界には魔法があると説明を受ける。ファンタジーな世界での生活を夢見て、魔法を使える能力を貰い、異世界転生を受け入れた。
「じゃあ、転生させるよ。新たな人生楽しんでね」
「はい」
…
「あれ、なんでまだここ?」
「いやー、生まれる前に死ぬとは。
まさか母親が野盗に襲われるとはね。
予想できなかったよ。
はは。
えっと、
…
じゃあ、めげずに次、行ってみようか」
…
「あの、どうなってます」
「いや、今度は食事がね。
栄養が足りなくて生まれなかったよ。
大丈夫、大丈夫。
じゃあ、めげずに次、行ってみようか」
…
「おぎゃー、おぎゃー」
お、生まれた。
やっと生まれたよ。空気だ。外の空気だー。
「おぎゃー、おぎゃー」
汚い気がするけど空気だよー。
「おぎゃー、おぎゃー」
『ドサ』
痛んだけど、何。
え、どういう事。
「****」
「****」
「****」
男と女の声はするけど、その声が徐々に小さくなっていく。
え、ちょっとまって、ここ何処。
暗いし、寒いんだけど。
ねえ、お腹すいた。
「おぎゃー、おぎゃー」
泣き続けるも、誰かが助けてくれると言う奇跡も起きず、そのまま力尽きた。
…
「また元に戻ったのか。
おい、神様。
母親に一度も抱かれる事も無く、当然だけど食事する事もないままに死んだんだけど」
「いやー、まさか、くいっぷちが増えるのを拒否されて夫がゴミ箱に捨てるとは思わなかったよ。
ひどいねー」
「あれ、ゴミ箱だったの。
じゃあ、外?
誰か赤ちゃんの声を着ていただろう、なんで誰も助けに来ないの」
「まあ、そんな地域だったんだね。
酷いね」
「いや、神様。
もう少し良いところないの。
それに神であなたを信仰している者達が子供をゴミ箱に捨てるってどういう宗教なの。
戒律とかそういうの無いの」
「いや、あるよ。
たぶん。
うん、あるはず。
恐らく。
・・・
まあさ、逆にそんなところで育たなくてよかったんじゃない
ポジティブに行こうよ、ポジティブに。
ねえ。
もう少し環境の良いところを探すからさ。
勘弁してよ。
それに、徐々に改善されてるでしょ。
さあ、次行こうよ次。
ね、めげずに次、行ってみようか」
…
「おぎゃー、おぎゃー」
ほ、おっぱいゲット。
良かった。一安心だ。