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オークライフは結構良い

オークに転生して早いもので五年が過ぎた。

体はかなり大きくなり、人間で言えば既に大人と同じ位だ。

因みにオークは七歳で成長がほぼ止まる。五歳でも体力とかは一人前になるのだ。


俺の近況だが、家族は父さんと母さん、兄弟は俺を筆頭に男子三人、女子二人の七人家族だ。今住んでいるのはオークが百人位の村だ。村の名前は無い。基本的にオークは名前を付けないみたいだ。俺も家族や村の人からは一君とか一ちゃんと呼ばれている。次男は二君とか二ちゃん。三男は三君とか三ちゃんだ。因みに女子は一子、二子、三子だ。適当過ぎる気がするが、オークは体の大きさ位でしか見分けがつかないから、名前を付けてもあまり意味がないからかもしれない。

実際、名前を付けても覚えられないだろうし…オークは思い切り脳筋なんだよ。


会話も人間とは違い、短い話しかしない。それでも特に問題ないのはゆったりとしたスローライフが当たり前だからだろう。穏やかな暮らしやすい気候で作物を育てて狩りをする。凶作とか天災も無くお金とかも無いけれど食べ物は豊かな暮らしだ。

退屈ではあるけれど平和でのんびりとした、前世とは全く違う良い暮らしなのだから、これはこれで有りだと思う。


しかもオークは病気とかに殆どかからないらしい。俺は無論、家族や村の人にも病気にかかった事は無い様なのだ。流石、脳筋種族すげぇよな。


体は大きく成長したが、残念ながら知力は全く成長しないのでチートは殆ど使えない。しかし鑑定だけでも結構役に立つ。俺はのんびりとオークライフを満喫していた。


因みに今のステータスは



オーク 一朗


5歳




体力 26


知力 0


魔力 0


器用 10


早さ 19




スキル 鑑定Lv10 全魔法適性Lv0(魔力0の為発現不可) アイテムボックス(魔力0の為発現不可) 食物召喚調味料付Lv1 投擲Lv10

棒術Lv7 斧技Lv7 槌技Lv7 弓術Lv7


相変わらず魔力は0のままだ。知力も同じく、やはりオークだからだろうか?

家族や村の人達もみんな魔力と知力は0しか居ない。

鑑定は多分最大だと思う。

食物召喚は毎日使っているがLvが上がらない。多分、制限付きだからだろう。

因みに召喚可能なのは米、ジャガイモ、醤油、マヨネーズ、カレー粉の5種類だ。

武器は使いさえすればそれに応じてスキルが発現する。全武器適性は健在だった。

ただ、残念なのは自己流だからかスキルレベルがこれ以上、上がらなくなってしまった。何故か投擲だけは最大なのだが…単に投げるだけだからか?


名前は自分で付けた。他種族との交流に必要だったので便宜上付けたのだ。実は前世の名前だけどね。もっと格好良い名前とか思ったけど、オークに似合う名前は思い付かなかったので、面倒だから前世ので良いや。と思ったのだ。


因みにステータス値はオークの平均より少し上かな?体力は父さんが33だからそんなに高いとは思わないが、器用と早さは村で一番だ。器用さは俺以外だと皆5くらい、早さは10から15くらいが普通だ。


俺の器用さが高いのは色々と物作りをしているからだろう。長縄作りとか食器に工具、どれも簡素だが家具や家も作る。

狩りで使う武器や罠も作る。多分、オークでこれだけ色々作れるのは俺だけだろう。少なくとも俺の村には他に居ない。


俺が狩りに行くようになったのは二歳になって暫くの事だ。投擲の練習をしていたら、父さんが、お前もそろそろ狩りやってみるか?と俺を誘ってくれたのでやってみた。


因みにオークは狩りはあまり上手くない。体は大きく力も強いのだが、気配を殺すのが苦手で逃げられやすいのだ。特に素早い鳥や兎等を狩れるのは誰も居ない。

しかし俺には得意の投擲が有る。初狩りなのに遠方から狙い撃ちで次々と獲物を仕留めて父さんを驚かせた。俺の投擲の練習を見た事は有った筈だが、ここまで凄いとは思ってなかったのだろう。


翌日から家では俺が狩り担当になった。それまで独りで村から出た事は無かったが、これだけ狩りが上手いなら大丈夫だろうという事になったのだ。

そして、鑑定が大活躍する事になったのだった。村の中にいた時からそれなりに役立ていたが、狩りに出て片っ端から鑑定しまくると良い物が続々と見付かった。次々と採集しては袋が満杯になると帰宅して再出発、1日で4、5回繰り返していたが、流石に面倒になりキャリアカートの様な物を作ろうと思い立った。

しかし車輪になる物が無いので、橇の様な物を作ってみた。

滑りの良い百日紅の様な木を組み合わせて縄で縛り、百キロ位なら運べる荷橇を作った。因みに3日掛かった。頑張った甲斐も有り中々良い物が出来たので早速、狩りに出掛けた。

獲物は勿論、採集も順調に進み大満足な成果を上げる事が出来た。今迄は狩りで仕留めた獲物は直ぐに解体し、持ち帰れ無い物は捨てていたが、全て持ち帰り可能となり色々と作る材料になったのだ。特に今迄は堅くて食べられない為、不要とされていた筋を加工する事が出来る様になったのが良い。強力な弓の製作が可能となったのだ。今迄は強力な弓を使うオークは居なかったが、これが実用化されれば狩りが苦手なオークでも狩りがやれる様になるだろう。取り敢えず父さんに使ってもらったが命中率がイマイチ、大体2割位しか当たらなかった。やはりスキルが発現しないとこんなものか?しかし、苦手な狩りがやり易くなった父さんは大喜びした。良いプレゼントになったのだから良しとしよう。



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