表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

図書室の男

作者: 架空線

とくにおもしろくもないこれ。

幼女が「このご本読んで」と母親らしき人に言う。

母親は本を置き、「こうしたのには理由があります。」と言った。

私から見ればそれは、なんのことはないように見えるのだが、ここからではよく見えないのでとてつもない工夫がなされてるのかもしれない。

おそらく、ここからは見えないが、顔を覗き込むようにすると、もう一人同じ年くらいの幼女が見えるので、その子にも見やすく置いたのだろうか?

「こうすると二人とも見やすいでしょー」

まだ若い、20後半ほどだろうか、しかし私と違って母親の顔をしている。

わりと美人だ。

しかしその母親が絵本を読みだすと、途端あっという間に女の子は興味を失う。まるで本を読んでもらうことこそが目的だったように、よそ見をしだす。

こんな女でも若い時は猿のような声を出していたのだろうか、というくらい落ち着いた母親の声とは正反対の様子だ。

「あっママこっちの本がいいよ」と言い出し、

「ちゃんと聞かないならもうご本読んであげない」と母親は言う。

幼女はしぶしぶ本の方を退屈そうに見ているが読んではいない、絵を見ているのだ。

母親の話を聞きながらではない、まず、聞いていない。

絵を見ているのだ。

確かに、そもそも絵本は絵だけでも楽しめるものだ、子供がストーリーが好きだからこの絵本が好き、

などとなったらある種、絵本の敗北なのかもしれない。

そう思い直し幼女を見るが、幼女は話を聞いていないどころか、

違う絵本をパラパラとめくっていたのだった。

母親は読み続けている、もしかしたらもう一人の見えない幼女が真剣に話を聞いているのかもしれない。

もう一人のやかましい幼女に比べると、大分静かな幼女だ。

そうだと言いが。


「その男の人は図書室でなにも読めませんでしたとさ。」

母親は本を読み終えた。幼女は別の絵本をぱらぱらとめくっていた。

もう一人の幼女は「・・・もうおしまい?」と言った。





おもしろくなくてもいいかとおもって。

最後の文は男がおしまいって言う風な文だったけど、含みがありすぎて怖いからやめた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ