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15/18

15:溢す仮面

*フィクションです


『知ったかぶりは罪だ。』と、それだけ。

あまりの短さに、流石に少し思案した。


「もっと、食いついた方がいいのかもしれませんね」


「食いつく?」


そうやって次は、火流の弟のアカウントを開いてコメントを打った。


『編集下手すぎない?めっちゃ素人ww』


二人はまた数分、待機する。


『色んな価値観がある世の中で、貴方のような意見もしっかり受け止めようと思うぞ。感謝する。』


『返信してくれるとは思ってなくて、すいませんでした。じぶんも動画投稿してるんで、ついそう思っちゃったんです』


『謝罪しなくてよい。始めてどれくらい経つのだ』


「今回は、すごく、いっぱい喋ってくれるね」


火流は画面を見ながら、目を白黒させて言った。


「えぇ。……ここまでフレンドリーだとは」


「いいこと、だよね?」


「言うまでもないです」


また林枯は返信をし始めた。


『二年っす。釣りの動画。興味ありますか?』


『我は釣りに興味はない。だが、動画が伸びていないのなら可哀想だ』


(可哀想……か)


簡単に言えば、上から目線。

しかしその単語の中に、ほんのりとした慈しみがあるように感じられた。


『もしかして、ベテランだったりするんすか?』


『五年以上になる。応援している(俺はゲーム系です。応援してます)』


____ゲーム系。


林枯は口を半開きのまま、瞼を上げては下げてをゆっくりと繰り返した。




************




その後試行錯誤していると、捜専のオフィスを出発してから計二時間ほど経った。


「なーにしてんです」と電話で瀬古から急かされると、状況は中途半端なまま、二人は切り上げることにした。


「でも、ここからどうする気?」


林枯は少し考え込み、「あとは、どうにかします」と目を瞑って俯いたまま答えた。


「……。そっか」


酒蔵に例のお土産の饅頭を渡すと、反応は良かった。


「ありがと〜」と酒蔵は手を伸ばしてきて、林枯は避けられずに丸っこい頭を存分に撫でられてしまった。


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