モヤモヤは笑顔と共に隠れる
初のオリジナル小説です。よろしくお願いします。
心のどこかに気持ち悪いナニかがまだ残っている。一体これは何なのだろうか。長くて広い廊下を一人、コトコト歩く。お師匠の城は見かけよりもかなり広い。始めてみた時はとても驚いた。黒く古臭い外装に対して内装は白く清潔感がある。灯りには黄緑色の炎のランタンを使っている。沢山の部屋があり、どれも管理が行き届いている。お師匠の眷属?が隅々まで掃除しているらしい。しばらく歩くと大きな扉が見えた。中庭への入口だ。とても重々しい見た目をしているが簡単に開けることができた。何かしらの魔術がかかっているのだろう。
「やっと着いた」
扉を開けた先にはのどかな草原が広がっていた。
「広っ…」
余りの大きさに、それしか言葉がでてこなかった。
「いらっしゃいませ、カイリ君。ここが中庭です。」
いつの間にかにお師匠が立っていた。
「お師匠、いつの間に?」
問いを無視してお師匠は進み始めた。ついてきてくださいと言わんばかりに手招きをする。やはり広い。窓から見たときは今の数十倍は狭かった。
「空間操作魔術で庭の広さを変えています。どれだけ大きな魔獣でもこの中なら飼えますよ。」
そう言って、空を指差す。よく目を凝らすと、竜が上空を舞っていた。
また、しばらく歩き続けると急に立ち止まった。正直とても座りたい。
「さて、カイリ君。ここで問題です。魔術とはなんですか?」
また理由のわからない質問をしてくる。
「魔力を使った術?」
「まぁ、大体合ってます。しっかり説明すると、魔術とは有機物、無機物問わず、魔力を保持している者が魔力を自然エネルギーに還元し視覚化する術のことです。」
全く理解できない。とりあえず、なんかとてもすごいことを言っているということは理解した。
「なぁ、細かいことは良いからよ。早く教えてくれよ!マ・ジュ・ツ!!」
「そんなに急かさないでください。私は逃げも隠れもしないですから。」
なかなか修行が始まらないことにイライラしているカイリを、少しやり過ぎたかなと思いなだめる。
「カイリ君が覚えてほしい魔術は3つあります…」
一つ目『予見眼』。目に微細な魔力を流し、起こると思われる事象を数パターン見ることができる魔術。
二つ目『魔力弾』。魔力を練り固め放つ、誰もが使えるシンプルな魔術。
三つ目『平面移動』。体に魔力を流し込み、空間を滑るように移動することを可能にする魔術。
「なんかどれも簡単そうだな。体に魔力を流すだけだろ?」
確かに、言葉で聞く限りでは簡単だ。しかし、頭で想像できても、体が追いつかねば実現は難しい。
「とりあえずやってみましょう。」
なんだかとても楽しそうだ。顔は隠れているが、少しだけお師匠が笑った気がした。
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