狂気は眷属と共に現れる
初のオリジナル小説です。よろしくお願いします。
『リアクター様、カイリ様、お帰りなさいませ。夕餉にいたしましょうか?湯浴みにいたしましょうか?』
中庭から戻るとカイリより背丈の低い子供?が目の前に立っていた。リアクターの眷属だ。
「先に晩御飯を頂きましょう。今日はたしか…一角兎のホワイトシチューでしたね。」
広い中庭の次は、長い廊下を進んでいく。正直、もう足が痛い。慣れない土地で、熊に追いかけられ、子鬼と戦って今にでも倒れそうだ。ふらつく足を気にしたのか、慈愛系魔法をかけてくれた。
「痛みと疲れは軽減しましたが、体力までは回復していないので、あまりはしゃがないでくださいね。」
成長期に体力を魔術で回復すると、体が魔術で回復されることに慣れてしまい、体力低下に繋がってしまう。
またしばらく進むと、やっと戻ってくることが出来た。長い食卓には熱々のシチューと焼きたてホヤホヤのパンが置いてある。急いでカイリが席につき、その後にリアクターも椅子に腰を掛ける。眷属の二人はリアクターの背後に周り、ピタッと背筋を伸ばした。
「では、頂きましょう。」
リアクターの合図と同時に、パンにかぶり付く。朝食べたパンとは違い、若干硬く歯ごたえがある。一方、リアクターはパンをちぎりながら綺麗に、口の中に運ぶ。今は下の方の仮面を取っている。どうやら、上下2つに分割することができるらしい。
「お師匠、後ろの二人は食べないの?」
「彼彼女らは、後で食べます。そういえば、お二人を紹介するのを忘れていましたね。」
手を動かすと、スーっと前に出てきた。両方、ショートマッシュで、プラズラーの古典的な服装ではなく、サイバーチックな萌え袖の服装をしている。しかし、カイリから見て、左側の子は黒い髪に黒い服、右側の子は白い髪に白い服と対照になっている。
「私の右手側にいる黒髪の男の子が、アルマ。洗濯、掃除と、無差別広範囲攻撃魔術が得意です。そして、私の左手側にいる白髪の女の子がマルア。料理、買い物と、精密射撃系魔術が得意です。仲良くしてあげてください。」
『宜しくお願い致します。カイリ様。』
合図をしている様子もなく、ぴったりと声が合わさる。
「よろしく…お願いします。」
「敬語はおやめください。」
「私達はリアクター様の眷属、所有物です。つまり…」
『弟子であるカイリ様の所有物でもあります。』
真顔でかなりエグい内容を口にするので、かなり驚いた。よく見ると、目の奥が笑っていない。完全に自分のことを物として認識しているようだ。
「早く食べないと、せっかくのシチューが冷めてしまいますよ。」
唖然とするカイリにリアクターが声をかける。今まで純粋な目でリアクターを見ていたが、狂気の切れ端が見えた気がした。
「ご馳走さま!」
微妙な空気はカイリの言葉で吹き飛んだ。食器を片付けてもらい、風呂に入る準備をする。一日でこんなに色々なことが起きたのだ。これからもっと楽しくなるはずだと思いを馳せる。明日は何を学ぶのだろうが。そして、明日は何を失うのだろうか…
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