武器は身体と共にかわす
初のオリジナル小説です。よろしくお願いします。
子鬼は魔物の中で、かなり知性を持っている魔物である。形は少し…いや、かなり違えども社会性は人間とかなり近しい存在である。異性に恋心を抱き、夫婦になり、家庭を築く。単調的であるが、怒りや、悲しみ。時には『復讐心』だって湧くこともある。
「下級子鬼の動きは単純です。相手をしっかり観察てください。」
(その観察るだけで精一杯なんですけど?!)
カイリは齢12の子供であり、リアクターがいるが実質1人。対してゴブリンは成熟しきっていて、さらに3体が武器所持。普通に考えてみれば、誰もがスパルタ教育だろう。魔力を再度練り直し、平面移動で攻撃を避け、予見眼のイメージのヒントとなるモノを探している。控え目に言って多忙だ。幸いなことに、先程撃った魔力弾が効いたのか、下級子鬼達は防御陣営を組んでいる。3体の内、2体が槍で牽制し、残りの一体がヒットアンドアウェイを繰り返している。
(よく観察たら…斧持ちだけ、魔力が漏れてない?)
(肉眼で魔力が見えるとは!やはり目がいいですね。)
(うわっ!びっくりした。お師匠の声が聴こえる…)
急にリアクターに話しかけられたせいで、魔力が見えなくなってしまった。
(驚かせてすみません。声を出さずに会話をしたほうがいいかと思いまして。以心伝心という魔法で話しかけています。それよりも、先行魔力が見えたようですね。イメージもそろそろ掴めたと思いますし、一気に攻めていきましょう。)
(押忍。)
魔力弾用の魔力の手を緩め、予見眼の発動を促す。攻撃の意思が薄れたと思ったのか、一斉に襲いかかってくる。先程までは、斧持ちしか残留魔力が見えなかったが、目が慣れたお陰が、槍持ちの方も見えるようになった。
「装填6発!予見眼!」
目が少し光り、瞳孔が大きく開いた。そして、直径7cm程の魔力の塊が6つカイリの周りに現れる。
「ガキキガァ!」
奇声をあげると同時に、3つの可能性が見えた。右からくる可能性、2体を囮にし後ろから1体が奇襲してくる可能性。そして、3体が一斉に正面から襲いかかってくる可能性。一つの幻影が濃くなっていくに連れ、突撃してくる。3つの武器がカイリに襲いかかってくる。しかし、交わすのは容易かった。なぜなら、ハッキリと見えていたからだ。
「魔力弾!!」
6つの球は3組に別れ、全員の頭と左胸を抉る。元頭だった肉塊は真っ青な中身が飛び出していた。鼓動がどんどんと大きくなり、体の内側が熱くなる。これが生物を殺した感覚。肉塊の後ろには、絶望した顔の下級子鬼が木偶の坊のように立っている。体が2周り程小さい。子供だろうか。
「新時代の幕開け…世代交代ですね。」
「お師匠!」
満面の笑みでリアクターに笑いかける。赤面し、興奮していることが凄く伝わってくる。しかし、興奮しているは、カイリだけではない。
「おめでとうございます。カイリ君。一日で3つも魔術を会得するとは。実に誇らしいです。さぁ、晩御飯が待っていますよ。」
「押忍。」
足が赤い地面から離れ、緑の地面に向かっていく。カイリ達が見えなくなると、洞穴から数匹の下級子鬼が出てくる。ある者は泣き、ある者は怒り狂い武器を振り回す。カイリには悪気はなかった。しかし、彼らの目にはどう映っていたのだろうか…
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