ゆきだるまのダルさんと、ふゆのようせいさんのおねがい
前半部分は子供向けに、全てひらがなとカタカナで書いてあります。
後半部分は大人向けに漢字を使って、同じ内容で書いてあります。
おそとにつめたいかぜがビュービューふくと、さむいふゆのきせつがはじまります。
ゆきだるまのダルさんは、ゆきがいっぱいふるこのまちが、だいすきです。
でも……ゆきだるまのダルさんは、じぶんのからだをじぶんではつくれません。
いつもともだちの、ふゆのようせいさんにたのんでいるのです。
ふゆのようせいさんはゆきのふるよるになると、こどもたちのゆめのなかにおでかけします。
ゆめのなかでおねがいするのです。
「ゆきだるまのダルさんがみんなとあそびたがってるんだよ〜」
おねがいをきいてくれたみんなが、ゆきだるまをつくってくれました。
みんなのおかげで、ゆきだるまのダルさんは、ふゆのようせいさんとなかよくあそぶことができました。
────────でもことしは、ずぅ〜っとあついひがつづきました。
ゆきだるまのダルさんと、ふゆのようせいさんはあついのがにがてです。
このままふゆがこないと、ふゆのせかいはなくなってしまいます。
ふゆのようせいさんは、ゆきのめがみさまときたかぜさんにそうだんします。
どうやらさむがりのなつのようせいさんが、おてんとうさまをみかたにして、なつのせかいだけにしてしまおうとしていたのです。
これはたいへんだ。みんなふゆのせかいがなくなるとこまるので、きょうりょくしあいました。
きたかぜさんががんばって、いつもよりたくさんビュービューとかぜをふいたので、なつのようせいさんがにげだしました。
すかさずゆきのめがみさまが、ゆきをふらせます。
ゆきだるまのダルさんとふゆのようせいさんはおおよろこびで、こどもたちのゆめのなかへしらせにいきます。
ゆきのめがみさまがはりきりすぎて、おおゆきになったのはごあいきょうです。
でもおおゆきで、でんしゃやバスがとまってしまい、がっこうやかいしゃがおやすみになります。
こどもたちはおとうさんやおかあさんたちといっしょに、ゆきだるまをたのしくつくることができました。
みんなのおかげで、ゆきだるまダルさんは、ふゆのようせいさんといっしょになかよくたのしくあそぶことができましたとさ。おしまい。
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お外に冷たい風がビュービュー吹くと、寒い冬の季節が始まります。
雪だるまのダルさんは、雪がいっぱい降るこの街が、大好きです。
でも……雪だるまのダルさんは、自分の身体を自分では作れません。
いつも友達の、冬の妖精さんに頼んでいるのです。
冬の妖精さんは雪の降る夜になると、子供達の夢の中にお出かけします。
夢の中でお願いするのです。
「雪だるまのダルさんがみんなと遊びたがってるんだよ〜」
お願いを聞いてくれたみんなが、雪だるまをつくってくれました。
みんなのおかげで、雪だるまのダルさんは、冬の妖精さんと仲良く遊ぶことが出来ました。
────────でも今年は、ずぅ〜っと暑い日が続きました。
雪だるまのダルさんと、冬の妖精さんは暑いのが苦手です。
このまま冬が来ないと、冬の世界はなくなってしまいます。
冬の妖精さんは、雪の女神樣と北風さんに相談します。
どうやら寒がりの夏の妖精さんが、お天道様を味方にして、夏の世界だけにしてしまおうとしていたのです。
これは大変だ。みんな冬の世界がなくなると困るので、協力しあいました。
北風さんが頑張って、いつもよりたくさんビュービューと風を吹いたので、夏の妖精さんが逃げだしました。
すかさず雪の女神樣が、雪を降らせます。
雪だるまのダルさんと冬の妖精さんは大喜びで、子供達の夢の中へ知らせに行きます。
雪の女神樣が張り切り過ぎて、大雪になったのは御愛嬌です。
でも大雪で、電車やバスが止まってしまい、学校や会社がお休みになります。
子供達はお父さんやお母さんたちと一緒に、雪だるまを楽しく作ることが出来ました。
みんなのお陰で、雪だるまダルさんは冬の妖精さんと一緒に仲良く楽しく遊ぶ事が出来ましたとさ。
──── おしまい ────
お読みいただき、ありがとうございます。公式企画 冬の童話の二作品目になります。
この童話は寒暖差の激しい現在の気象と、北風と太陽をモチーフに、某ゲームの某妖精の国のイメージが入っています。
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※ 2024年12月23日 誤字報告ありがとうございます。