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レテ

魔の森での暮らしは、とても穏やかなものだった。

シンマスさんと私が住んでいる家は、魔の泉のほど近くにある。

亜人たちだけでなく魔物たちも来るが、小さな結界をかけているので安全な場所だ。

元々は朽ち果てる寸前のオンボロツリーハウスだったものを、私と大モモンガくんたちで修繕した。草葺の屋根には蔓花が咲き乱れ、丸くくり抜かれた窓と、階段代わりに大きなキノコが並んでいるのが可愛らしい。まるで森の小人の家のようだ。

そういえば、グレテルは『お菓子の家』と言っていたな。森に迷い込んだ子どもを太らせて竈で焼いて食べてしまう、悪い魔女の棲んでいる家。

 

なるほど、ここに住んでいる私は新生メガラニアの人々から『人喰い魔女』と噂されているし、実際ヒトを喰って生きてきたわけで、ここが『お菓子の家』というのはぴったりかもしれない。


とにかく新国家での私の評判は最悪だ。

特に元スラム民たちの間では、私が魔物であるということが噂でなく事実と認識されている。彼らの中には王都がファイアードレイクに焼き尽くされたあの日、王女の私が一つ目の化け物に変身したところを目撃した者がたくさんいるのだ。

いくら国の運営に力を尽くしたとしても、新生メガラニアにおいては私は石もて追われる身。なのでトラーゴ某に丸投げして魔の森に引っ込むのは当然なんである。

 

ちなみにルーカスにはメガラニアで警備隊長の任を与えた。だってママ(シンマスさん)の目の前で私を焼き尽くしたのはヤツだしね。シンマスさんが目覚めた時にルーカスを見たらショックを受けるかもしれない。たとえ記憶になくてもね。

 

それなのにあの下僕ときたら、ちょいちょい理由をつけてはこっちにやってくる。メガラニアからは転移魔法を使わないと来られないから、多分ナウエルあたりが協力してるんだと思うんだけどさ。

なんで来るんだ下僕よ。

今日もいるし。

しかも何をする訳でもなくブラブラしているだけだ。サボりか? しっしと手で追い払う仕草をすると、あからさまにムカついた顔をして去っていく。なんなんだ。


「キュッキュッ!」


「はーい、ちょっと待ってね」


私は機嫌よく返事をして、大きなカゴを腕にかけると玄関の扉を開けた。ゆらめく結界の向こうに大リスくんが立っているのが見える。両手いっぱいにキャベツや人参などの野菜を抱えている。


「お野菜採ってきてくれたんだね、ありがとう! 早速スープを作るから待っていてね」


「キュッキュ」


大リスくんのもふもふ毛並みをひと撫でさせてもらう。うん、今日も最高の手触りだね!

 

【白夜】が消えて魔の森が戻った時、彼らにかかっていた呪いも解けたはずなのだけど、なぜかどうぶつの姿のままの者がいるのだ。「癖になっちゃったみたい」なんて言っていたけれど、どういうことなのだろう。

ちなみに、変化したどうぶつの姿と元々の亜人の種類は何の関わりもない。大リスくんは人魚の幼態だし、大カマキリくんは猫人だ。

 

私の魔力の入ったスープを飲むと元の姿に戻りやすいそうなので、毎日作っている。

どうぶつたちにはずっとお世話になっているし、みんなで囲む食卓は楽しいから苦にならないしね。


スープ作りの他にも家を隅々まで掃除して、リネン類もまめに洗濯して、マットレスやクッションを日干してと、私の一日は結構忙しい。

シンマスさんは眠っているというかぼんやりしていることが多くて、私のことは覚えているどころか、認識しているかどうかも分からない。

私もシンマスさんを眺めていると、ママとはやはり別人だと思い知らされるし、不思議な既視感にも襲われて混乱してしまう。

そんな時に近くに気軽に話せる相手がいるのは助かる。


魔の泉には孕っている亜人たちが大勢浸かっていて、まるで大浴場みたいだし、森は元の賑やかさをすっかり取り戻して、亜人や魔物たちの楽園となっているのだ。話し相手には困らない。

人魚の里も泉のすぐ側に再建された。気が向いた時にふらっと立ち寄ると、大体カルフ様やエル・クエロが迎えてくれる。

 

「ヅィヅィ、ヴィ、ゔぃオレッた!」


大リスくんから野菜を受け取っていたら、ふわふわした銀髪の子どもが水滴をポタポタと垂らしながら駆け寄ってきた。発音が怪しいのは、半分くらいモモンガになっているから。そう、大モモンガくんだ。

彼の正体は幼態の人魚で、なんと大リスくんと番なのだそうだ。勝手に男の子だと思っていたけど、まだ性化はしていない。


レオの【白夜】が魔の森を覆ってから千年。どうぶつに姿を変えられていた者たちの時は止まっていた。一方、【白夜】の外に逃げた人魚たちは魔素不足や寿命で死んでしまった者も多い。だが大モモンガくんカップルのように、互いが魔の森に留まりどうぶつに変えられていた者たちもいる。【白夜】の外で魔素不足に苦しみながらも生き抜いてきた番もいる。生き残った番たちによって、人魚の数はどんどん増えていくだろう。

 


「ヅヅィ!」


大モモンガくんの肩で、小モモンガの『モモン』が飛び跳ねる。相変わらず仲が良いね。

モモンは亜人じゃなくて普通のモモンガだ。赤ちゃんの時に巣から落っこちて怪我をしていたところを、大モモンガくんが拾って治してあげたそうだ。それからずっと一緒にいるんだって。微笑ましいー。だけどモモンが大リスくんをしょっちゅう威嚇しているのは気になる……。恋のライバルとかなのかな。三角関係とかかな!? ちょっとわくわくするかも。

 

だが私の浮ついた気持ちは、大モモンガくんの言葉で一気に凍りついた。


「シンますのジンゾウ魂の様スを見てキたら、ひびワレが増えテタ! このままじゃコワレてしまウよ」


「嘘! だって昨日見に行った時には全然、変化なんて無かったよ!?」


私は思わず腕のカゴを取り落として叫んだ。採れたてのキャベツやジャガイモが土の上をコロコロと転がる。


「キュッキュッ」


心配そうな声を出す大リスくんの側を駆け抜けて、私は魔の泉に走った。


――ママの人造魂が壊れてしまう! そうしたら私のママは永遠にいなくなってしまう!

 

私はガクガク震える足で無茶苦茶に走った。

覚悟はできていたはずだったのに。ママのことは諦めていたはずなのに。

シンマスさんのことを尊重するなら、あのアメジスト(母性特化の人造魂)は二度と首にかけるべきじゃない。だから私はもうママに会うことは諦めることにしたはずだった。あの腕に抱きしめられることも、あの眼差しに見つめられることも、優しく呼ばれる私の名前も、私のために作られるお料理も、ぜんぶぜんぶ。


だって人の心は自由なのだ。勝手に何かを付け加えたり、歪めることなど許されない。ましてや誰かのことを愛するように仕向けるなんて、絶対にダメなのだ。

……それなのに私はあの人造魂が壊れることを恐れている。


グレテルの研究によれば、人造魂が壊れること自体は元の魂にとっては致命的なことではない。魔宝石が壊れればそこに込められた魂のカケラは解き放たれて、元の魂に混じり合う時を待つ。すなわち魂の持ち主が死んで神精領域から放たれる時に、カケラも吸い寄せられて混じるのだ。

その場合カケラの記憶や人格は失われるが、魂は全きものになることができる。


ママのアメジストが壊れたら魂のカケラは自由になって、元の魂を探すはずだ。そうなるのが魂にとっては一番良いはず。

あのアメジスト――母性特化の人造魂の大元の魂の持ち主は、古代メガラニアに生きていた一人の男性だ。キルケーの親友の一人だった彼の魂のカケラは、有用な人造魂として量産された。その多くは六千年もの間に壊れてしまっただろうが、人魚たちが保管していたものだけでも十数個あるし、メガラニアの倉庫に眠っているものも百以上ある。

キルケーのように人造魂が一つだけならば、生まれ変わった本来のグレテルと融合できるが、複数あった場合は無理だ。魂のカケラそれぞれが経験した人生?を一人の人格が統合できるはずがない。間違いなくパンクするだろう。

なので、母性特化の人造魂のように複数個あるものについては、破壊してしまうのが一番良いのだ。


だからあのアメジストが壊れること自体は悪いことではない、なのに私には耐えられない! ママのこと全然諦められてなかった、ぜんぜん割り切れてなかった!

あのアメジストが治ったとしても壊れたとしても、シンマスさんに身に付けさせないと決めた以上、ママが戻ってこないのは同じなのに。

頭では分かってるけど、心では受け入れられない。あの人造魂が壊れるのはダメだ。それは決定的な死だ。ママの死……。そんなの、受け入れられるはずがない!


「待つんだ、ヴィオレッタ」


服を着たまま魔の泉に飛び込もうとした私を、知っている声が止めた。

溶けるような淡い金髪と空色の瞳の人魚、ナウエルだ。彼が大切そうに手のひらに載せているのは……ママのアメジスト(人造魂)だ!


「ああっ」


喉の奥から悲鳴が迫り上がってくる。少し離れたところからみても、魔宝石の表面に無数のヒビが入ってしまっているのが見えるのだ。

思わずガクガクと震えながら膝をついてしまう。


「落ち着くんだ。まだ完全に壊れてはいない」


「でも、でも……そんなふうになってしまったら」


「そうだな、長くは持たないだろう。それはシンマス氏も同じだ。彼の魂は壊れかけていて、肉体を離れよう離れようとしている。そんな顔をするなヴィオレッタ。救う方法はあるのだから。ただし時間はないから今すぐ決めろ。この人造魂もシンマス氏も救うためには、これを彼に身に付けさせるしかない」


「そんな……、でもそれは」


「ヴィオレッタ、これ以上意地を張るな」


ナウエルの大きな手のひらが肩に置かれる。いつの間にかそばに来ていたらしい。


「君は愛する人を失意のまま逝かせるつもりか。君にできないのなら俺が代わりに――、いや……すまなかった。どうするかは君が決めることだ」


そう言いながらナウエルは、私の掌にアメジストをそっと置いた。


「あとでカルフ様が家に行くと言っていた」

 

今にも散り散りになってしまいそうな、ひび割れだらけの薄紫の宝石。私はそれを両手で包んで、ふらふらと家に戻った。

玄関ポーチにルーカスがいて何か言いたげに私を見ていたけど、構う余裕がないから素通りする。


****************


シンマスさんはベッドで眠っていた。灯台島で暮らしていた頃より大分痩せてしまって、顔色も悪い。

 

――彼の魂は壊れかけていて、肉体を離れよう離れようとしている。


ナウエルの言葉にゾッとする。シンマスさんの顔の僅かな翳りが死相に思えてパニックを起こしそうになる。


(今叫び出してはダメだ。落ち着くんだ。何か打開策があるかもしれない)


下唇を強く噛んで、縋り付くように彼の顔を眺める。大丈夫、まだ大丈夫。シンマスさんは少し痩せてしまっただけ。

彼を眺めているうちに、無精髭がちらほらと生えていることに気がつく。今朝剃ってあげるのを忘れていた。


(ごめんね、ママだった時にはいつも完璧にツルツルにしていたのにね。あとで剃ってあげなきゃ……あれ?)


ひどい違和感とともに、あの不思議な既視感がどっと押し寄せてくる。


「無精髭の……体術の教師? 名前は――レテ!」


“レテ”は乙女ゲーム『永遠を君に』に出てきた攻略対象の一人だ。

他の攻略対象が十五歳〜一八歳だった中、ただ一人だけ二十八歳の大人の男性だ。豊かな栗色の肩までの髪に、暖かな同系色の瞳、細身だけど鍛えられたしなやかな体躯。大人の包容力が売りのキャラで、キラキラした貴公子たちと一線を画していて密かに人気があった。

 

――そして、私の初恋の人でもあった。


シンマスさんに、似ているのだ。ママは元海兵らしいゴリマッチョだったけど、今の痩せてしまったシンマスさんとレテは瓜二つだ。

乙女ゲームの“レテ”=シンマス・モレノ?

でも、ゲームのヴィオレッタの回想シーンによると、彼は灯台島でヴィオレッタを守るために自爆死してしまったはずだ。それなのに学園の教師として登場するなんて、一体どういうことなのだろう?


ゲームでは、ヒロインが灯台島の洞窟で“灯台守の墓”に祈りを捧げると、“灯台守のアメジスト”を手に入れることができた。このアメジストはゲームをクリアするにあたって必須のアイテムだった。ヒロインと攻略対象たちはゲームのクライマックスで、ラスボスであるヴィオレッタ王女と戦闘するのだが、強敵すぎて全く歯が立たない。それなのにこのアメジストを見せるだけで、王女は「心を入れ替え」るのだ。魔物たちを引き入れて国を滅ぼそうとしていた彼女が、あっさりと【白夜】を発動し新たな結界で国を守ることを誓うのだ。


ゲームをしていた頃は、ヴィオレッタ王女のこの百八十度の心変わりを、単に「愛する人の形見によって愛情を思い出したから? なんか無理があるなー」程度に思っていた。当時のネット掲示板でも様々な憶測が飛び交っていて、やはりここまで彼女の行動が変わるのは不自然だという声が多かった気がする。


恐らくは――胸が悪くなるような推測だが――、ヒロインは灯台守の墓でアメジストを盗っただけでなく、遺体をも漁って“レテ”として再生したのではないだろうか。再生した体はもちろん魂の抜けた肉人形だ。何らかの人造魂を身につけさせて操り、学園に教師として潜入させたのかもしれない。

そして王女との戦闘にもレテを連れて行き、アメジストと共に見せつける。

 

痩せて面立ちが変わっていたとしても、王女ならレテの肉体が自分の育ての親であると気がついただろう。だから圧倒的な戦闘力を誇りながらも、致命的な攻撃ができなかった。

その上でアメジストを見せられて、言うことを聞かなければ破壊するなどと脅されたのだろう。

彼女は人魚と交流があったはずだから、もちろん人造魂のことは知っている。最愛の人の肉体と心が入ったアメジスト、その両方を人質に取られたのだとしたら……。自らが犠牲になると分かっていても【白夜】を発動するしか無かったのだろう。


――なんて残酷なんだろう。

 

ゲームでは国が救われて「めでたしめでたし」。けれどその裏で王女は魂が磨耗し尽くすまで【白夜】を行使し、人間の国に尽くすことになる。やがて正気を失って痩せ細り、まぼろし市場の片隅にボロボロになって座り込むのだろう。千年経って魂が尽きるまで。


王女自身の魂は、人魚たちに隔壁術を施されてどこかに隠されていたはずだ。今の私と同じように。

彼女は人魚たちから人造魂を取り戻し、それを身につけて王都の結界内に入ったのだろう。それだけで【白夜】は自動的に発動する。王族は生まれながらに神精領域に術式が刻まれているから。


ヴィオレッタ王女は【白夜】を発動したあと、アメジストを返して貰ったのだろうか? レテとはどうなったのだろうか。

レテにかかっている代わりの人造魂を外し、アメジストを首にかけた?

彼女はそうしただろうか?


――いいえ。


一瞬、かなしく微笑みながらそう答える、王女の顔が見えた気がした。


そうだね。

だってシンマスさんの死体に人造魂をかけてもそれはママにはならないから。ママはシンマスさんと魂と人造魂の調和で生まれた人格なのだから。

 

私は掌のアメジストを見つめた。無数に細かいヒビが入っていて、今にも砕け散ってしまいそうだ。

愛しい……愛おしいママ。私を愛情たっぷりに育ててくれたかけがえのない人。

 

ナウエルが言う通り、今この魔宝石をシンマスさんの体に触れさせれば、ママは戻るかもしれない。シンマスさんの魂も、ここにとどまるかもしれない。

ゲームと違って、シンマスさんはまだ生きているのだから。

(戻ってきたママに愛されても、虚しさと罪悪感を感じずにはいられないとは思うけれど)

 

でもそんな風に上手く行くとは限らない。その場合は、苦しんでいるシンマスさんの魂により負荷をかけてしまうことになる。

 

それに、このアメジストに入っている魂のカケラはずっと前に死んだ別の人のものだ。

これは、返さなくちゃならない。


「どうすればいいの?」 


手のひらでだんだんと色褪せていくアメジストに向かって、私はそう呟いた。

涙がポロポロと溢れる。前世では人魚の涙は真珠になるとか言われていたけど、私のはただの涙だ。こんなにギリギリになっても大事な決断ができない、情けない涙。ヒトよりちょっとしょっぱいだけの涙。


「きれいなナミダね……まるで真珠みたい」


優しい声にハッと顔をあげると、シンマスさんがベッドに腰掛けて私を見ていた。ぼんやりとした表情で、それでも微笑みかけてくれる。


「どうして泣いているの? おちびさん。どこか怪我でもしたの」


「い、いえっ。ああっ!」


思わずギュッと宝石を握りしめてしまって、ハッとして小さな叫び声をあげる。

手のひらを開いて見ると、幸いにも宝石は無事だった。


「まあ、その宝石、割れてしまっているの? あなたのおてては怪我してないかしら?」


心配そうに眉をかすかに潜めて、シンマスさんは私の手を取ろうとする。もう少しでアメジストに触れてしまいそうだ。


「だっ大丈夫です」


慌てて手を引っ込めて背中に隠す。


「いやだ、私ったら。急に触ろうとしたらびっくりするわよね、ごめんなさい。でも今の仕草には見覚えがあるわ。ふふ、誰だったかしら? お鍋からつまみ食いをする食いしん坊さんで、私に見つかるとそうやって後ろに隠すの」


そう言いながらシンマスさんは、夢見るような表情で目を細める。それは私の知っているママそのもので……。


――『いやだ』はママの口癖だった。お鍋からつまみ食いをして、見つかると後ろ手にして隠していたのは、私だ。


懐かしくて、慕わしくて。

ここにいるのは別人のはずなのに、今すぐ「ママ!」と叫んで縋りつきたくなってしまう。


「幸せだったわ。とても幸せだったの。なのにどうして思い出せないのかしら……」


シンマスさんは寂しそうに微笑むと、すうっと息を吸い込んでゆっくり吐いて、それからあっけなく床に崩れ落ちた。


「え……」


何が起こったのか分からずに固まる。

 

ドアが乱暴に開けられ、誰かが部屋に走り込んで来る。

カルフ様だ。肩でハアハアと息をしていて、らしくない。

ナウエルもやってきて、シンマスさんの体を抱き起こして、ベッドに横たえる。


「間に合わなかったか。ヴィオレッタ、彼はもう……」


悲しげに振り返ったナウエルの目が、信じられないものを見たように見開かれた。


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