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第十三話 枕投げからの?

 いのりちゃんのお部屋から戻ってきた私達は和にいが帰ってこれなさそうだということで気落ちしていた。

 そんな時、いのりちゃんが枕投げをしてみようと提案してきた。

 和にいがいない寂しさも紛れるかなと思ったし、やっぱり仲のいいお友達同士でこういったお泊りのお楽しみをやるっていう誘惑には抗えない。

 そうして私達は枕投げをすることになった。

 お部屋にある豪華なお風呂、檜の室内風呂と大きな露天風呂を堪能して、お手入れをしてから寝室に向かって行く。

 和にいのいない寂しさを紛らわせたいのと、枕投げって言うイベントの誘惑が皆のテンションを高くしているのがヒシヒシと伝わってくる。

 そんな中、みんなが各自のお布団の上に立ち、枕を持ちいのりちゃんが音頭を執る。


「さあ、みんな枕は持ったかな? それじゃあ、はじめアダっ!!」

「ふふっ。先手必勝よ?」


 開始の合図を言うか言わないかの瞬間にカレンさんがいのりちゃんに枕を投げる。

 ガチと言っていただけあってエゲツナイ攻撃だ。思いっきりいのりちゃんの顔面にヒットしていのりちゃんは布団に尻もちをつく。

 私も負けてはいられない。さっきのことは忘れていないんだからね楓ちゃん!


「それなら、それ!!」

「む!! 当たらなければどうという事はないよ、お姉ちゃん。」


 私もさっきのお返しと楓ちゃんに向かって枕を投げる。でも、楓ちゃんはヒョイっと避けてしまう。

 でも・・・!!


「そうかしら楓?」

「まさか!? あっ!」


 そう、こっそりとカレンさんと目と目で会話して、狙った風にして避けれる枕を投げてカレンさんにパスしたのだ。カレンさんも意味を理解してくれて楓ちゃんにアタックしてくれた。

 楓ちゃんは眼鏡がズレて尻もちをついていた。

 私とカレンさんはハイタッチを交わして喜び合う。

 協力プレイ禁止とは聞いていないもんね。


「そうなら、楓ちゃん協力プレイ!!」

「きゃあ!」

「いのりんナイス!!」


 カレンさんにやられてから動いていなかったいのりちゃんが楓ちゃんに協力プレイを持ちかけて私に今まで手に持っていた枕を私に投げる。

 もちろん私の顔面に当たって私が尻もちをつく番だった。

 こうして枕投げが始まった。

 もうここまで来たらストップは利かない。後はやられたらやり返すのみ。

 チームになったり、それぞれでやりあったりとそこからは体力が尽きるまでのデスゲームの開始だった。

 しかも、普段言えない不満をぶちまけ合いながらだから女の子は怖いと思う。

 でも、それを言い合えるくらいの仲だからだと思う。

 それすらも楽しい。


「お姉ちゃん! この間、こっそり私のキャンディ食べてたでしょ!」

「!! あはは・・・。つい魔が差して。 で、でも!楓ちゃんだってこの間、私のカップラーメン食べたでしょ!」

「! 何故にばれた! ストックの内の一つだからバレないと思っていた。」

「それはぁ、いのりちゃんも狙っていたからだあ!!!」

「むう、ここにも同志・・・、いやライバルが!」

「いのり? まだたくさんあるでしょ? ガレージに置いてあった和樹と飲もうと取っておいた限定ビール飲んだでしょ? 和樹と二人っきりで!」

「げ・・・。バレないように偽装しておいたのに!!」

「いのりん、それはいただけない!」

「カレンさん!それは抜け駆けだよ!!」

「げげげ、姉妹が協力した!」

「しまったわね、藪蛇に突っ込んだみたい。」


 そんなこんなでみんないろいろ言い合って、汗だくで息も上がっている。

 着ていた浴衣なんてもうグチャグチャで直すこともなく、帯も下に落ちて下着が丸見えだ。


「はぁ、はぁ・・・。ちょっと休憩しましょう。」

「うん、もうクタクタ。」

「あはは、もう一度温泉に入らなきゃね。」

「だね~、なんだか()()見たいだね~。」

「「「!!!」」」


 確かに・・・。

 見ようによってはそう見える。

 みんな汗ばんで肌は上気しているし、下着だってところどころ汗染みている。

 いのりちゃんのその一言で私達は、もちろんいのりちゃん含みで顔を真っ赤にして浴衣で前を隠した。

 さっきまで一糸まとわぬ姿で一緒にお風呂に入っていたとは思えない。

 ヤッパリみんな、和にいが絡むと清らかな乙女になる。


「・・・まあ、見方によってはそうなるわね。で、正直なところ私も含めてみんな期待していたわね?」

「当たり前。気合十分。」

「あはは・・・。まあ、こういう時にみんなで押し切ればって思ってたり・・・。」

「おぉう、流石、茉莉ちゃん。清純な顔して言うことがエゲツナイ・・・。」

「いのりちゃん!」

「ははっ!ごめんごめん。でもみんな一緒だヨ。だってさ・・・。」


 いのりちゃんはみんなの下着を見回し、私たちもよくよくみんなの下着を観察しあう。

 確かにそうだ、お風呂上りや枕投げをしている時はマジマジ見たりしなかったし、カワイイなくらいしか思っていなくて、細部なんて気にも留めていなかった。

 今改めて見てみると私を含めてみんなかなり際どい、というか角度や光の当たり方によっては透けて見えたり、紐だったり、そんなような色だったり、しかも全員布地が水着以下の面積ときたら考えていることは同じだったようだ。


「そうね、茉莉はいつもシレっと過激なものを用意するわね。」

「いやいや、カレンさんほどじゃあないよ。それは大人すぎて・・・。」

「そんなことないわよ? いのりが言っていたように和樹にギャップ攻撃は利くわよ。さすがに付き合いが一番長いわね。」

「むぅ。あ、でも楓ちゃんだって、それはいくら何でもまずいんじゃい?」

「大丈夫。問題ない。あるからこその選択。それに和にーちゃんが見て喜ぶのが一番。」

「だね、わたしも人のことが言えないケドね。結構頑張ってみたんだヨ?」

「いのりんはスタイルがいいからそっちに振らなくても映える・・・。」

「そうね。一番スタイルがいいものね。」

「それでも頑張らなきゃ。餌は蒔いてこそだからね。」

「そうだよね。でも、流石に汗だくだと使えないよね。」

「うん、残念。」

「まあ、今回は互いの勝負下着のお披露目会ってことにしましょう。次の機会にはこれ以上のを用意するんでしょ?」

「だね。いろいろ勉強になったし。

 さ、体が冷えないうちにお風呂に入ろうヨ。今度は普段の下着に着替えるしね。」


 こうして私達の枕投げは、勝負下着品評会は幕を閉じ、その後は温泉に入りなおして和にいを待とうと思っていたけれど、疲れがドッと来たのかお風呂から上がって直ぐにみんな深い眠りに落ちてしまった。


気になった、続きが読みたいって方は是非ひと手間お願いします。


ポチっと評価とブクマだけです!!

よろしくお願いします。

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