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ダンジョンに持っていける銃

本日の分の投稿です~

よろしくお願いいたします!!

俺がオークを倒してからというものの、秋葉原第一ダンジョンによる氾濫はすぐに収まった。

たまたま秋葉原に買い物に来ていたSランク冒険者が異常個体を撃破したらしい。

なんでもそのSランク冒険者は重度のオタクで有名であり、秋葉原の街を破壊されることを良しとしなかったとのことだ。


そして俺はオークの討伐による実績あってかDランク冒険者に昇進することとなった。

オークはDランクの中でも極めて強く、一人で倒せた者を昇進させないわけにはいかないという冒険者ギルドの判断によるものだ。

まあ、ここに関しては運がよかったとしか言いようがないだろう。


「さて、冒険者ギルドにも報告はしたしこれは返すよ」


俺は銃を貸してくれた少女に銃を返す。

報告の際にオークを倒した武器を聞かれるだろうと思い、ギルドについてきてもらっていたのだ。


「うん。でもうれしい。この子がDランクもの魔物を殺すことになるなんて」


少女はまるで銃を我が子のように抱きながら呟いた。

その呟きが気になった俺は少女が持つ銃をまじまじと観察する。

見た感じはアサルトライフルそのものであり、使用した感じもアサルトライフルで間違いない。

だが、このデザインのアサルトライフルを見たのは初めてであった。


「もしかしてだけど自作?」

「わかるの?」

「いや何となくかな。一時期カタログを吟味したことがあってね。だけどそのデザインは見たことがないから」

「ダンジョンに銃?」

「俺の職業が特殊でな。銃を使う職業だったんだ…。だが、俺なら持ち込めるという期待は当の昔に裏切られた」


俺のその言葉に少女は目を輝かせた。

俺が何か変なことでも言っただろうか。


「そうだと思ってたけど一応聞いとく。『最弱のユニーカー』?」

「そ、そうだけど」


この娘、それを蔑称と知って言っているのだろうか?

もしかして馬鹿にされてる?


「やっと会えた」

「へ?」


どうやらこの少女、俺を探していたらしい。

でもなぜ?


「いきなりだけど。私のお店についてきて」

「これまたなんで」

「ここで話すのもなんだから。お店についてから…ね?」


くっ。かわいい。

基本的に人と話さないからなのだろうか言葉に抑揚がない。だが代わりに表情が正直な娘だ。

率直にいってタイプである。


ま、まあなんだ?相手からのお誘いだここはついて行ってみようじゃないか。

下心なんて一切ないんだからね!!





少女は俺を店の前まで案内してくれた。


「てかここ、オークと君が向かい合ってた場所だね」

「うん。ここは私のお店。私の命より大切な場所」


だからオークから逃げなかったのかと納得した。

少女にとってはオークに銃を向けるだけの価値がこの店にあったのだと不に落ちた。


「で、なんのお店なんだ?」

「基本的には魔道具のお店」

「基本的…。」

「まあ、中に入りましょう」


魔道具とはボダンジョンのボスやダンジョンの宝箱から入手できるといわれる物凄くすごく貴重なものだ。

そんなものを取り扱うお店があるなんて聞いたこともない。基本的な売買はオークションを通すのが普通であるからだ。

お店の中に案内された俺は売り場の奥の部屋に通される。魔道具を作る作業場?だろうか。

それなりに広く、一応簡素的ではあるが向かい合ったソファの間にテーブルがあった。作業場兼応接室になっているようだった。


「ここにかけて」

「は、はい」


簡素的なものとはいえ、応接室のソファに座ったことなんて一度もない俺はガチガチに緊張していた。


「まず、自己紹介。望月もちづき創華そうか。この店のオーナー」

「俺は羽撃銃也、冒険者だ。それでなぜこの店に?」

「はい。まず、私も銃也さんと同じユニーカー。職業は【魔武具職人】」

「銃也でいいよ。それにしても職業名だけでもすごいですねー」


少し妬みの感情が出てしまっただろうか。

申し訳ない。


「そしてあなたと同じく不遇された職業」

「は?」

「私の職業は武器や防具や道具に魔法を施せるもの。でも大したものじゃない。武器や防具を温めたり冷やしたり、電気を使わない家電製品を作れるくらいです」

「び、微妙ですね」

「はい、ですが朗報です。二年前にあるものを作ることに成功しました」


そういうと創華さんはパチッと指を鳴らす。

創華さんの指にはめてある指輪がきらりと光った気がした次の瞬間。

俺が腰を掛けているソファの横にある壁が音を立てながら開いたのだ。


「隠し部屋?」


そう言葉をこぼすも中が暗くてよく見えない。


「はい。次に明かり」


そういって創華さんは再び指を鳴らす。

そして部屋に明かりが灯る。

恐る恐るながらも、俺は中を覗いた。


「す、すごい!!」

「当然。どう?私の子供たち」


中にはきれいに展示されている拳銃やアサルトライフルといった銃器があった。

これを一人で作ったというのだとしたらものすごいとしか言いようがない。

そして、俺はありえないと思いながらも期待してしまっていた。


「創華さんこれって……も、もしかして」

「うん。ダンジョンに持っていける兵器。冒険者ギルドや政府の認可は降りていて、かなりの数を売った。けど不採用。結局、剣や弓や魔法より火力は出なかった。性能が一般の銃の域を越えなかった。何より弾丸にかかる費用が一般のそれより高い。そして、この子たちを道具として酷使する人間には売りたくない。政府に売ったのは認可のため。尊い犠牲」


これはすごい。

だが、確かにこれは売れないだろう。

世界で初めての氾濫がおきたアメリカでの記録によるとEランクのスライムでも拳銃で二発、ゴブリンには五発は撃たないと死なないらしい。Dランク級の魔物だと致命傷にすらならないのだとか。それに加えてコストがかかると来た。

だが俺なら……。


「けど、それなら俺にも売りたくないんじゃ」

「見定めるために探していた。そして、オークの件で信用することにした」

「じゃ、じゃあ!!」

「でも条件がある」


俺はその言葉にごくりと唾をのんだ。

なんだってするつもりではあるが俺にその条件が飲めるかどうか……。


俺は創華さんが条件をいうの待つ。

そして、創華さんの口から出された条件は予想もしていない意外なものであった。


「私をあなたの部隊編成の枠にいれて。ダンジョンでこの子たちと一緒に戦わせてほしい」


そんなんでいいのか?


「そんなんでいいのか?」


思った言葉が思ず口から出てしまった。


「契約成立」


創華さんはそう言いニヤリと笑った。

ぐうかわである。


こうして意外なことにもダンジョンに持っていける銃が手に入ることとなったのだった。


読んでいただきありがとうございます!!


ブックマーク、評価等してくれたらうれしいです!!

燃料投下よろしくお願いします!

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