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プロローグ

「お父様……無理なさらないで!」

「良いのだ、アレクシア。お前に父として何もしてやれなかった」

 後悔に沈む父は顔がやつれ、そこに教皇としての威厳はもはや存在していない。

「これをお前に授ける。少しは役に立つだろう」

 色とりどりの6つの宝石を手渡し、痩せ細った、しかし私よりずっと大きい手が包み込む。父の手は宝石同様冷たい。

「これは……?」

「召喚石だ。救国の勇者を喚ぶと伝えられている。きっとお前を助けてくれる」

 父の魔力が弱まっていくのを感じる。

「お父様……! 本日はこれくらいにしましょう。もうお休みになって」

「すまぬ。アレクシア……」

 この日、アーデイン教国では教皇アレクサンドロス3世の急逝により、皇位を継承した弱冠14歳の少女、女教皇アレクシアが国を治めることとなった。彼女の手には、失意と6つの宝石だけが残された。


 略式とはいえ3日かかった皇位継承祭典を終え、疲れが体を支配している。しかし、まだ気を緩める訳にはいかない。

「これが、勇者の召喚石でございますか。まさか、伝説が本当だったとは」

「ええ。私も驚いた。人間を召喚できる魔石なんて、見たことがないもの」

 雨が窓を叩き、雷が様変わりした私室を映し出す。真ん中にあったテーブルは端に避けられ、絨毯があった場所には魔法陣が描かれている。

「準備はできております。早速始めますかな?」

「ええ。始めましょう」

 じいやが用意してくれていた針で親指を刺す。未だにこの痛みは慣れない。血が滲む親指で魔法陣の手前側に触れた。

 エーテルの作用によって描かれた正確無比な模様が紅く光りだす。慎重に魔力を注ぐとその光は徐々に輝きを増し、疲労と魔力切れで倒れるかというところで、雷鳴が轟く。目の前が一瞬真っ白になったあと、魔法陣は光を失っていた。

「まさか、失敗……?」

「いいえ、お嬢様。新たに生まれた強大な6つの魔力を感じます。遠方ではありますが、確かでございます」

「捜索できるかしら?」

「心配は無用でございます。伝説の勇者には特徴的な痣があると申しますし、何より神のお導きのもと、3ヶ月後の星祭までにはこの皇都に集うことでしょう」


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