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暁の国

おはようございます。

第95話投稿させて頂きます。

評価ポイント・ブックマークありがとうございます。励みになります。

楽しんで頂けたら幸いです。

「ほれ、さっさと首都暁に行くぞ、コハク早く歩け」


 山辺君達と合流し、転移装置を使い暁の国の畑のど真ん中に転移してきた私達はまずフェルに会うために首都暁に向かう。

 頭の上では何故か付いてきたオウルがのんびりと首都の方を翼で指し歩くように言って来る。どうでも良いけど自分で歩いてもらえます?てか、何で付いて来てるの?


「お前なぁ・・・・こちらに協力してくれる勇者を連れて来たらそのまま魔王会議をする予定だっただろう?忘れたのか?」

「え?あ?そうだったけ・・・?」


 オウルの言葉に仮面の下で驚いてしまう。

 あれ・・・?そんな話していたっけ?


「まぁ、勇者の救出から色々有ったから忘れてもしょうがないと思うがな・・・お前が忘れるのは珍しいな」

「・・・」

「あるじ・・・大丈夫?」

「大丈夫だよ。ありがとうネージュ」


 肩の上で心配そうな顔のネージュにお礼を言いながら私は自分の違和感について考え込んでしまう。フレトスとの戦闘時もそうだが最近の私はどうもおかしい?


「それにしても前に見た時と同じで長閑な光景だよなぁ・・・」

「白夜の国から暁の国に来るとすごく暖かくてびっくりしちゃいましたよ」

「乾先輩も元気にしてますかね?」

「きっと元気にしてらっしゃいますよ」

「勇者の皆はやっと合流できるね」


 考え事をしていると後ろの方から勇者組の呑気な声が聞こえて来る。

 まぁ、こういう田舎の風景って和やかになるよね・・・


「先輩‼先輩‼見てくださいよ。わんこが麦わら帽子被りながら尻尾振ってますよ。すごい人懐っこくてモフモフですよ」

「おぉ・・・本当だ。狼に似ているな。すごい、人懐っこいワンコだ。モフモフだ・・・」

「ワトさん、イヌヤさん。この方、狼ですよ。多分、獣人の方じゃないですかね?モフモフなのは良いですねぇ~」

「次、私達にも触らせてください‼」


 もうすっかり観光気分だよ・・・でも、今のうちに笑っておいた方が良いよね。そのうち笑いたくても難しくなるかもしれないし・・・

 ・・・・・・はいぃ?狼?人懐っこい?モフモフ?

 後ろの勇者組の声を聞き頭の上のオウルを見る。彼も思い至ったのか些か驚いた顔をしている。

 私が振り向いた事によりオウルもその光景が目に入り二人同時に声を上げる。


「「フェル‼‼‼‼‼‼」」


 そこにはお腹を見せ勇者達に撫でられている暁の魔王の姿が有った。何と言うか・・・人様に見せられない姿をしている。


「コハクはこの人懐っこい狼の事、知ってるのか?」


 撫でられながらアフアフ言っているフェルを見ながら私は狗神君の質問に答える。

 私が答える合間にも皆はフェルの毛皮に夢中の様だ。


「それはこの国の魔王だよ・・・名前はフェル・W・シルヴ。多分、現魔王の中で最強の魔王だよ・・・」

「「「「「はい?嘘でしょ?」」」」」

「こちらとしては非常に残念だが事実だ・・・」


 私とオウルの言葉に全員、目を見開いて足元のだらしない恰好で寝転んでいる狼を見る。

 すると狼姿のフェルは、少し面白くなさそうな顔をした後で口を開く。


「なんだ。オウルにコハクネタ晴らしは早すぎるぜ。このまま玉座に行ったらもっと面白れぇ事になっていたっていうのに・・・」


 すくっと立ち上がると一瞬にして人の姿に変わったフェルに対し、私は若干の呆れを含んだ顔で答える。相変わらずの野良着でTシャツには『太陽の輝き』と書かれている。


「いくら動物の姿とは言え魔王が見せて良い姿じゃないでしょ・・・もう少し、しっかりしてよ・・・」

「いやぁ~、思った以上に今代の勇者達の撫で方が上手すぎて我を忘れた・・・中々にテクニシャンだ」


 おいこらワンコロ、頬を赤らめるな‼


「まぁ、あれだ。変な登場になったが俺が暁の魔王、フェル・W・シルヴだ。気軽にフェルとか農業魔王とでも呼んでくれ」


 そう言いながらフェルは狗神君達の方を向き改めて自己紹介をしている。ちなみに背中には『雨の恵み』と書かれている。

 狗神君達も困惑しながら自己紹介をしていた。


「んじゃ、とっとと城に行って優と光の所に行くか、会議も有るしさっさと済ませようぜ」


 未だ困惑気味の一行と共に私達は途中でトムさんの店に寄り暁の城に向かった。



「狗神、山辺、湊瀬さん。三人共無事で良かった」

「夢菜ちゃん、山辺君、狗神先輩、心配したよ~」


 暁の城に行くと唐突に日本人の男女が門から出て来て狗神君達に声を掛ける。

 合流予定の残りの勇者二人だ。男の子の方は前に見た時より日焼けをしている。


「乾に早乙女さんも元気そうで良かったよ。乾は心なしか日焼けしたか?」

「おう、農業やってて焼けだ。」


 ・・・手伝ってたんだ。

 早乙女さんと呼ばれていた子も一月前に見た時より肌艶も良いし、良く栄養管理されていたのだろう。


「それで狗神、後ろの梟を乗っけて肩に龍を乗せている黒コートの奴は誰だ?相当に妖しいぞ・・・」


 乾君が私の方を見て少し警戒しながら狗神君に聞いている。

 ・・・確かに情報量多くて怪しい。でも、言い分けさせて貰うと梟は私の所為ではない。


「俺は白夜の魔王、オウル・F・テテリヌスだ。気軽にオウルと呼んでくれ。下のは、コハクって言って黄昏の魔王だ」


 オウルが自分の自己紹介のついでに私の事も紹介しだす。てか、私の事は下の扱いかよ。とっとと降りろ。

 まぁ、勇者もそろったしそろそろ私もちゃんと挨拶した方が良いね。

 そう思いながら私はオウルを隣に立っているフェルに渡し、フードと仮面を取り、改めて山辺君達にも自己紹介をする。


「山辺君と湊瀬さんに対しては改めまして乾君と早乙女さんは初めまして私は黄昏の魔王のコハク・リステナ・トワイライトです。」


 私が女だと分かり驚いている4人を見ながら私はやはり内心でニヤリとしてしまう。

 うんうん。やっぱり女と分からないぐらいに上手く変装出来ているみたいだ。

 驚いている彼等を見ながら密かに喜んでいると急に周囲が暗くなり皆が驚いた様な顔になり唐突に私の目線が高くなった。


次の次の次ぐらいで本題の敵達との戦闘に行けるようにしたいと思います。

ごゆるりとお待ち頂けたら幸いです。

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