分かれ道
第9話投稿させていただきます。
楽しんでいただけたら幸いです。
「クソ、また負けた。新しい魔法があるなら先に宣言しとけよな~。」
「君は阿保なのかな?先に言っていたら勝負にならないでしょ、本当の戦で相手が自分の手の内をしゃべるなんてまずあり得ないでしょ?剣士を目指すなら予想外の事にも対応しなさい。」
教会に行く道中でテトが悔しそうに呟いたことに対してピシッと反論した。実際に今は子供同士のチャンバラだから良い物を本当に剣士になったときにそんな甘ったれたことを言っていては使い物にならない。
「でも、霧の中からの不意打ちは防いだだろ!」
「でも、私の打撃は防げなかったし、最後勝ったと思って油断したでしょ」
ジト目でテトの言葉を封殺する。確かに不意打ちを防いだのはすごいと思ったけど褒めるとすぐ天狗になるので褒めない。
「いつか絶対に負かしてやる・・・」
「いつ負かしてくれるのか楽しみにしているよ。」
そんな言い合いをしているうちに教会が見えてきた。ユユとムウが楽しそうにおしゃべりをしているのが見える。
本当に仲いいなぁ・・・
「ユユ、ムウ。ごめんね。結構待った?」
私の声にユユとムウが気づきこちらに歩いてくる
「そんなに待ってないよ。テトと一戦してきたのに早かったね。どっちが勝ったの?」
ムウが人の良さそうな笑顔をしながらのんびりとそんな事を言う。その言葉を聞きテトが少し悔しそうにしている。
HAHAHA、愉快愉快
「当然、私が勝ったよ。」
ムウにブイサインをしながら答える。ムウはやっぱりという顔をしている。
あぁ、大体予想は付いていたのね。
「じゃあ、皆揃ったし遊びに行こうよ」
ユユがテトの顔を見て話題を変えた。
「何処に行く?」
「湖の方にでも行く?」
「それより皆で剣の稽古でもしようぜ」
「「却下!」」
「久しぶりに森の方に行ってみない?」
ユユが控えめに手を上げて提案してきた。
「良いね。奥の方に行かなければあまり危なくないってお父さんも言っていたし、ついでになんか木の実でも取りに行こうよ。」
「そうだね。じゃあ、リコの実が生っている木のまで行こうよ。」
ユユの提案に賛成し、私達は森に向かった。
今にして思えばこの時に森に行かなければまた違った未来になっていたのかもしれない・・・・
近い内に10話も投稿させていただきます。