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村娘Aに転生志望した私は魔王になりました・・・  作者: ウィンターベア


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また落ちたんだ・・・

おはようございます。

第88話投稿させて頂きます。

評価ポイント・ブックマークありがとうございます。励みになります。

今回がコハク視点です。

楽しんで頂けたら幸いです。

「ふぁ⁉もう戻って来たぁ⁉」


 リルに預けていた通信機から連絡が入り私は魔王としての装いにも拘らず素っ頓狂な声を上げてしまう。

 まぁ、リル達の前だから良いんだけどさ・・・

 先程までの沈んでいた気持ちを押し退け、急いでいつも通りの自分を引っ張り出してリルと話す。


「分かった。私もすぐに戻るから近くに店の子が居る?その子に通信機を渡してくれる?ルージェ、彼等は前に話していた勇者君達だ。上の客間を当ててあげてくれる?うん、よろしくね」


 通信を切り私はゆっくりと椅子から立ち上がり励ましてくれていたメルビスに声を掛ける。


「メルビス、色々とありがとう。これからの指示だけどしばらくはメルビスに此処の統括もお願いしたい。仕事を大量に押しつけて申し訳ないけどお願いできる?」

「畏まりました。誠心誠意頑張らせて頂きます。それと、コハク様、くれぐれも無理をなさらぬようにしてください」


 メルビスはまだ心配そうな顔をしているが私のお願いを聞き入れてくれた。

 良かった。メルビスなら仕事も適切で丁寧だし、ここの子達も働きやすいだろう。後任は・・・今はまだ考えられないかな・・・


「ありがとう。ちゃんと帰ってきたら怖がらせた部下の子やクロノスにも謝らなくちゃいけないな・・・」


 そう言いながら私は転移装置の方に向かう私にメルビスは苦笑しながら口を開く。


「兎に角、今は勇者殿を連れて無事に戻られることの方が先決ですよ」

「そうだね。狗神君達が予想より早かったけど星詠み祭りを見てから帰るからあと一週間ぐらいしたら帰って来るよ。それまでよろしくね」

「畏まりました。お帰りをお待ちしています」


 その言葉を聞いた後で私は転移装置を起動させリコリス商会に急いで戻った。


「お帰りなさいませ、主様。御無事で何よりです」


 いつも通りの部屋に戻って来ると最初に来た時と同じくルージェが綺麗なお辞儀をして出迎えてくれた。

 ・・・・いつも出迎えてくれるのは嬉しいけどちゃんと仕事している?


「ただいま、ルージェ、皆はちゃんと案内してくれた?」

「はい、皆様個室に案内済みです。現在は、和登様はリビングルームにてネージュとお話をしており、女性陣は湯浴みをされている所です」


 そう言いながらルージェはクイッと頭を私の方に突き出す。要するに撫ででと・・・一応、同い年なんだけどなぁ・・・


「急な事だったのにありがとう」


 私は毎日ちゃんと櫛を通しているのであろうルージェの髪を優しく撫でながらお礼を言う。

 よく手入れのされた髪は指に絡まる事も無くサラサラと流れる。


「あ、そうでした。主様が戻られたら渡さないといけない物が有りました」


 ふと、思い出したように気持ち良さそうに細めていた目を開き服のポケットから二通の手紙を取り出し渡してくる。

 その内の一枚を見て私は頭を抱えたくなってしまった。

 一通は冒険者ギルドのフィルクス支部長からだ恐らく今回の案件に関する報告の催促だろう。

 もう一通は飛竜に剣と盾の家紋の入った手紙・・・フルニカ王国王家の紋が入った手紙には城への正式な招待が()()()としての私に出されている。

 くそ・・・コハクとして・・・・トワとして呼ばれたのなら立場は対等だからいつもの黒コートで良いのにコユキとして呼ばれたら一応この国所属の冒険者だからちゃんとした格好で行かないといけないじゃないか・・・


「ドレスをご用意しないといけませんね」


 後ろから招待状(召喚状)を覗き見たルージェが目をキラキラさせながらそんな事を言う。

 ・・・・お願い、勘弁して・・・そんなに目を輝かせないで・・・

 私は痛みを増した頭を片手で押さえながら日付の確認をする。

 えっと・・・来城予定は明日の午後か・・・はぁ、すっぽかしたい・・・駄目かなぁ・・・駄目だよねぇ・・・

 今、抱えている問題で一番どうでも良い事に頭を抱えながら地下から出て居住スペースに移動するときゃきゃっと楽しそうな声が聞こえて来る。


「むぅ~、ゆうしゃ、ずるい‼きおくりょくよすぎる‼」

「いや~、そう言われても手を抜いたら怒るでしょ?」

「あたりまえ‼」


 リビングに行くと狗神君とネージュが神経衰弱をして遊んでいる。


「あ‼あるじ‼おかえりなさい‼」

「コハク、お帰り」

「ただいま、狗神君達もお帰り、無事で良かったよ」

「ただいま~」


 私がお帰りというとネージュは抱き着いて来て狗神君は何となく困惑しながら口を開く。


「俺はただいまで正解なのかな?」

「拠点にする所に来たんだからただいまで良いんじゃないかな」」

「あー、うん、そうだな!ただいま」


 私の言葉に狗神君はちょっとびっくりした顔をし、少し笑ってからそう言った。


「それにしても随分早い帰還だったね?もっと時間が掛かると思っていたけど・・・」


 私のその言葉に今度こそ困った顔をする狗神君と不満そうな顔をするネージュ、一体何が有ったんだろう?


「え~と、これは話したら怒られるのかな?てか、失格になるかも・・・」

「むぅ~、勇者ズルした。ネージュ、頑張ろうとしたけどすぐ終わっちゃった」

「ズル?」

「ズルって言うか・・・正規のルートじゃなくて落とし穴の罠に掛かって大幅にダンジョンをショートカットしちゃったんだ・・・これって失格になるかな?もしなるんだったらもう一度チャンスを貰いたいのだけれど・・・」


 これは驚いた・・・私も知らないトラップが新しく生成されていたとは・・・まぁ、これはどう考えても事故だし問題なのはダンジョンのボスを倒して例のアイテムを手に入れられたのかだから別に問題はないかな・・・戦闘経験があまり積めなかったのは少し残念だったけど・・・それにしても、また落ちたんだ・・・月夜は警告しなかったのかな・・・?


「ダンジョンのボスを倒して素材は手に入ったんでしょう?」

「あぁ、うん、これだよね?」


 狗神君そう言うと自分のアイテムボックスから布を取り出し私に渡してくる。

 アイテム名《精霊の護り布》、受け取った布は確かに私の指定した物だ。途中の戦闘経験はなくともちゃんとボスは倒せたみたいだ。それにしても、やっぱり勇者にもアイテムボックスが常備されているんだなぁ・・・


「うん、問題無く私が指定した素材だね。お疲れ様、試験は全部合格です」


 受け取った素材を自分のアイテムボックスに仕舞おうとすると狗神君は疑問に思ったのか《精霊の護り布》を指差しながら口を開く。


「なぁ、コハク、その布の事を素材って言っているけど一体何を作るんだ?」

「それは魔族領に戻ったらすぐに分かるよ。それまでのお楽しみ。今の君達に必要な物だから楽しみにしていてよ」


 そんな会話をしていた所にリルとマカさんが戻って来て私達も交代でお風呂に入り、夕飯を済ませてから今後の予定を説明する事になった。


次回は少し戦闘が入る予定です。

ごゆるりとお待ち頂けたら幸いです。

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