平穏・2
第6話投稿させていただきます。
短めですが楽しんでいただけたら幸いです。
「じゃあ、あほの子とムウを誘いに行こうか?」
スカートに着いた土を落してから立ち上がる。
「二手に分かれて誘いに行こうか、まだ二人とも家の手伝いをしているだろうから後で合流した方が効率も良いしね。」
「私がテトを誘いに行こうか?コハクだとまた勝負を挑んでくるよ?」
ユユが立ち上がりながらそう言った。うん、ユユに任せる事が出来るならお願いしたいけど、結局合流した後で勝負する羽目になるので時間の無駄だ。それならユユにムウを迎えに行ってもらっている間にさっさと倒してしまったほうが良い。ユユも少しの間だけとムウと居られるしね。
「いや、良いよ。テトは私が誘いに行くよ。どうせ合流したとたんに勝負になるだろうから誘いに行くついでにサクッと倒しておくよ。時間の無駄になるしね。」
「うわ~、とうとうサクッと倒せるぐらいになっちゃったんだ。テトお気の毒様・・・。ところで何処で合流する?」
「毎日勝負してれば大体癖とか分かってくるよ。師匠も今のところいないしね。教会で合流しようよ」
テトには今のところ剣の師匠はいない。前世で剣道を習っていた私に比べれば弱いのは当たり前である。
「わかった。怪我しないように気をつけてね。」
ユユと一旦分かれてテトの家に行く道を歩いていく。
テトの家は酪農をやっているので村の端にある。時々この世界特有の生き物を触らせてもらうために手伝っている。元の世界にいた動物と似ているのでなかなかに面白い。まぁ、広く見て魔物に分類されるらしいけど・・・
そんなことを考えているうちにテトの家が見えてきた。おじさんとおばさんが忙しそうにしているのが遠目からでもわかる。テトの見慣れた黄色の髪は・・・見えない。
「おばさん、おじさん、こんにちは、テトは居ますか?」
「おぉ~、コハクちゃんこんにちは」
テトのお父さんであるカイダさんが笑顔で応じてくれた。
「コハクちゃんこんにちは、テトなら向こうでトウアとテテルの世話をしているよ」
テトのお母さんのカナさんが牧草を用意しながらテトの居場所を教えてくれた。
ちなみトウアはテトの3つ上のお兄さんで緑の髪が特徴だ。あと、テテルは牛に似た家畜用の魔物だ。
「おばさん、ありがとございます。テトの手伝いが終わったら一緒に遊びに行っても良いですか?」
「ええ、大丈夫よ。いつもあの子と遊んでくれてありがとうね。」
さて、カナさんの許可は取ったし、後はテトを倒してユユ達と合流しよう。
第七話は近い内に投稿させていただきます。
もう少々お待ちくださいm(__)m