平穏・1
活動報告に何を書けば良いのかが分からない・・・
5話目投稿させていただきます。
6年後、村はずれにある大きな樹の下に中世のヨーロッパ風の羊毛のワンピースを着た少女が分厚い魔導書を顔に乗せ大の字になって寝ている。
年は6歳、髪は茶色でロング、瞳の色は明るい青色をしている少女だ。
それが宮城 白、改めコハク・リステナとなった私である。
「あ、コハクまたこんな所で寝ているの?こんな所で寝ていると風邪引くよ~。」
私の物と似たような羊毛のワンピースを着た少女が心配しながら私の横に腰掛ける。彼女はこの村の幼馴染でユユという。ユユは、緑色の瞳に燃えるような赤毛を三つ編みにした可愛らしい女の子だ。
どうやらこの世界の人は魔法の適性が髪や瞳の色に出てくるらしい。火は赤、水は青、風は緑、雷は黄色、土は茶色、光は金色、闇は黒色、当然私みたいな例外もいるのだが大体そんな感じである。つまり、ユユには火と風の魔法に適性があるということになる。
「ふぉおはふぃおんふぁははいはらはいじょぶふぇふぉ」(今日は気温が高いから大丈夫でしょ)
本を顔に乗せたままもごもごとしゃべる私にユユは少し呆れた様子を滲ませながら私の顔から本を取り上げた。
「うわぁ、重!よくこんなの乗っけて眠れるね・・・」
そういいながらぺらぺらとページを捲っていく
「しかも何が書いてあるかチンプンカンプンなんだけど、これ内容分って読んでいるの?」
チンプンカンプンなのも当たり前だ。私が読んでいたのは結構高位の魔法が書かれた魔導書なのだ。俗に言う見た目は子供っていうやつでないと6歳児でわかるものではない。
レスナの所為で全属性の魔法に適性が有るので字がある程度読める年になってからは父に頼んで本を買ってもらい勉強しているのだ。ちなみにこの村の子供は教会で勉強しているのである程度皆読み書きが出来る。一からこの世界の文字を覚えるのにはいささか苦労した・・・
「内容分ってなかったらわざわざお父さんにこんな小難しい本頼まないよ」
ふわぁ~っと欠伸をしながら起き上がりユユの方を向く。
「それでユユはどうしてこんな所まで来たの?何か用事?」
伸びをしながらユユに聞くとちょっと困った様子で口を開いた。
「用事は無いんだけどコハクが暇だったらテトやムウを誘って遊びに行こうかと思っているんだけど、どうかな?」
三つ編みの先をいじりながらユユは此処に来た理由を話した。
「遊びに行くの?テトのアホがまた剣の稽古って言いがら勝負を仕掛けてこなければ結構遊べると思うけど・・・」
「そこなんだよねぇ~。コハク、わざと負けてさっさと終わらせることは出来ないの?」
「あれにわざとでも負ける気は小麦の粒ほども無いよ。わざと負けてもテトが納得するとも思えないし」
幼馴染の一人であるテトは剣士になる事を夢見て日々剣の稽古と言いながら同い年の子達に勝負を挑みまくっている。
過去に私にも勝負を仕掛けてきた事があった。まぁ、結果はお察しだったのだが、負けたのが悔しかったのか顔を合わせるたびに勝負を仕掛けてくようになった。経験値入手増加のスキル効果とテトとの勝負の所為で6歳にして剣術のレベルが7になっている。個人的に練習している魔法はもうちょっと高い。
ちなみに魔法のレベルと適正魔法と剣術のレベルは皆には内緒だ。ばれたら平穏な生活が出来なくなる。
「コハクは変な所で負けず嫌いだもんね。」
ユユが苦笑いをしながらそんなことを言う。むぅ、普通じゃないかなぁ。誰だって負けるのは悔しいし・・・
「あれに勝ち誇った顔をされるのがちょっと腹立つだけだよ。てか、テトを置いてムウだけ誘えば良いんじゃない?」
微妙な顔で負けず嫌いの話を流しながら、もう一人の幼馴染のムウだけを誘う案を出す。
ムウはおっとりした赤茶色の髪をした農家の男の子だ。ユユは結構ムウを意識している。
「そんなことしたらテトが別の意味でうるさいし、泣くよ。」
確かにテトは仲間外れにされると微妙に面倒くさいのだ。いじける、泣く、拗ねるの三拍子が揃っている・・・本当にあいつは面倒くさいなぁ、、、
眼鏡が壊れました・・・
使おうと思っていた機能をいざ使おうと思ったら使い方を忘れてしまった今日この頃・・・
今回は挿絵を入れさせていただきました。
挿絵を描いてくださったゆらぎ様ありがとうございました