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レッツ‼鬼ごっこ‼(もうヤケクソ)

おはようございます。

第333話投稿させて頂きます。

誤字・脱字報告ありがとうございます。

今回はコハク視点です。

楽しんで頂けたら幸いです。

 さて、師匠(先生)から鬼ごっこを提案された日から二日経ち、強欲の国との戦争準備をしている最中に鬼ごっこの出来そうな場所を黄昏の国にからピックアップ、西の森に決めて鬼ごっこに十分な範囲に境界線の意味も兼ねて魔物除けの結界と出入り禁止の結界の準備を終えて空間魔法を使ってフェルとオウルを迎えに行って黄昏の国に戻り今度は皆を連れて九段の森へとやって来た。

 森の入口に来た所で師匠(先生)は開けた場所で立ち止まり、私達を並ばせると口を開く。


「さて、皆さん。それではルールの説明を始めますよ」


 師匠(先生)の言葉に私を含めた魔王三人も和登君達勇者六人も師匠(先生)の方に注目する。


「ルールは簡単です。まず、両者には皆さんには今から泥御団子を配ります。勇者チームには5つずつ、魔王チームには3つずつ。泥団子を相手にぶつけてぶつけられた人間はアウトです。勇者チームは補充可ですが、魔王チームは補充不可です。ただし、泥団子を使わなくても何かしらの方法で明らかに何者かに汚されたと分かる汚れを泥で付ければその時点で勇者チームだろうと魔王チームだろうとアウトとします。次にクロハさんを除いた勇者の皆さんが結界の張られた森の中に入ります。30分で出来る限り距離を鬼からとって二時間逃げ切ってください。あ、もちろん。氣を意識しながら使える手は全て使ってください。結界の張ってある範囲内であれば隠れても待ち伏せて戦っても良いです。タイムアップまでに一人でも残って居るか魔王チームを全滅させれば勇者チームの勝利です。逆に魔王チームは勇者チームを全滅させた場合のみ勝利とします」


 此処までの説明を終えた師匠(先生)に向けて優君は質問が有るのか手を上げる。


「はい、イヌイ君。何ですか?」

「一つ質問なんですけど。武器はこのまま持ち込みですか?」

「はい、持ち込みで大丈夫ですよ。むしろ大いに戦って怪我をしてください。」


 にっこりと笑いながらそう言う師匠(先生)に私はやっぱりかと内心で溜息を吐いていると夢菜さんが恐る恐るといった様子で口を開く。


「あの・・・あまり大きな怪我は今後の行動に支障が出ると思うんですけど・・・」


 夢菜さんの言葉に私以外の皆が頷くと師匠(先生)は不思議そうな顔で答える。


「え?なにも支障は有りませんよ?何のためにクロハさんが居ると思っているんですか?怪我をした人は彼女に治療して貰ってください。クロハさんの修行にもなります。まぁ、主に怪我をするのは勇者の皆さんでしょうけどね」


 無慈悲にもそういう師匠(先生)に夢菜さん達は唖然と和登君達男の子組は少しだけムッとした様子を見せる。まぁ、ここまでで少しずつだけど着実に強くなっているのに怪我をするのが自分達だけって言われたらムッとしちゃうよね・・・

 そんな様子の勇者の皆に師匠(先生)はニッと笑いながら説明を再開する。


「後は30分経ったらどこにでも音の届く魔道具の銅鑼を鳴らします。そしたら魔王チームが森の中に入るので先程の説明通りに逃げ切ってください。それと魔王チームですがしばらくはこの能力半減の付与が付いた装備を着けて鬼ごっこを行ってください」


 そう言うと師匠(先生)は懐から三本のミサンガを取り出して私達に渡して来るので三人で素直に手に着ける。


「能力半減ですか?」


 ミサンガに付いた付与の内容を聞いて今度は戌夜君が怪訝そうな顔をして師匠(先生)に問い掛ける。

 その様子に師匠(先生)は当然と言った様子で答える。


「ええ、今のままでは能力的に差が有りすぎて直ぐに決着がついてしまいます。それでは修行になりませんからねぇ。魔王チームの能力は暫く半減させて頂きます」


 その言葉に今度はクロ意外の皆が顔を顰める。


「ゴルデュフェスさん。俺達がフェル達より弱いのは理解してるが一度ぐらい全力で相手をさせて欲しい。自分達が目指さないといけないレベルを確かめておきたい」


 優君が顔を顰めながらそう言うと師匠(先生)は些か面白そうに勇者組の顔を見ると口を開く。


「私はそれでも構わないんですけどねぇ・・・余りにも実力差が有ると人間、嫌になってしまうものですよ?それでも構いませんか?」


 煽る様にそう言う師匠(先生)に全員が頷くと師匠(先生)はわざとらしく溜息を吐き口を開く。


「それならば今回は半減無しの全力で行ってもらいましょう。それでは、皆さん。準備を整えて結界内に入ってください。30分後に鬼が解き放たれます」


 師匠(先生)の言葉に私達は素直にミサンガを外して待機する。


「コハク。負けないからな」

「うん、頑張って」


 結界内に入る前に和登君に笑いながら声を掛けられて私も笑って答える。

 皆が結界の中に消えるのをフェル達と駄弁りながら待ち、30分が経つのを待つ。


「そろそろ時間ですよ。皆さん。準備してください」


 一通り打ち合わせを済ませていると師匠(先生)から声が掛かり、私はアイテムボックスから弓を取り出して見晴らしのいい場所にスタンバイする。

 索敵の魔法を構築していると師匠(先生)が銅鑼を鳴らして30分の経過を知らせて来るのでそれと同時に索敵を開始する。

 ———ふむ、西側と東側、二組に分かれたか・・・西側に三人、東側に二人か・・・


 通信機を使い、フェルとオウルに和登君達の位置情報を共有する。

 三人の方にフェルが二人の方にオウルが向かうのを確認してから私は水と土の魔法に泥団子を混ぜ、矢の形に成形してから弓番える。


「まぁ、この鬼ごっこは直ぐに決着がつくから本番は次かな・・・」


 このあと何回か続くであろう鬼ごっこに若干遠い目をしながら私は作った泥の矢を西と東に向けて放った。


此処までの読了ありがとうございました。

次回もごゆるりとお待ちいただけたら幸いです。

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