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専門家はやっぱり頼りになる

おはようございます。

第331話投稿させて頂きます。

誤字・脱字報告ありがとうございます。

今回はコハク視点です。

楽しんで頂けたら幸いです。

 レイン先生の妊娠をお二人に報告した後、先生達の喜びが一通り収まった所で屋敷の人達が先生達の荷造りを終えて応急からの了解の意の手紙を受け取り、私達は黄昏の国へと向けて転移魔法を使って国に行く。

 どうやら二人共レイン先生の体調不良には気が付いていたらしいけど妊娠には気が付いて居なかったらしい。まぁ、敵対国に攻め込まれている時に妊娠に気付けって無理が有るよね・・・。

 そんな事を考えながら空間魔法で向こうとこっちの空間を繋げるゲートを開くと師匠が興味深そうにしながら口を開く。


「空間魔法⁉貴女、こんな魔法使えましたか⁉魔法の構築式等、詳しく教えなさい。あと、転移魔法陣の事も詳しく話を聞きたいですねぇ」


 空間魔法を使った途端に師匠が想像通りの言葉を言ってくるので私は溜息込みでその言葉に返す。


「はぁ、あのですね。師匠、この魔法、実は私も良く解ってないんですよ。絶賛研究中です。それと転移陣はガチの機密何で教えません」


 下手な事を言うと言質を取られるのではっきりとお断りしてゲートの中に飛び込んで城の玄関へと出るとメイド長が慌てた様子で出迎えてくれる。


「お帰りなさいませ。コハク様」

「ただいま。メリッサ。悪いけど客室を二人用の一部屋使えるように準備をしてくれる。事情が変わって私の師匠も一緒に来る事になったんだ」


 お辞儀をして出迎えてくれたメイド長にそう言うとメイド長は「直ちに」と一言言って別の子に指示を出す。

 その様子を見ていると後ろの方から荷物を持ったレイン先生と師匠がゲートを潜って姿を現す。


「おぉ‼ここがもう魔属領ですか‼あぁ・・・今すぐに外に出て文化の違いを研究したい・・・」

「不思議な・・・感じね・・・もう・・・魔族の国に・・・着いてしまったなんて・・・」


 師匠はどこかワクワクとレイン先生は不思議そうな顔をしながらこちらに歩いて来る。

 ———あ、師匠。レイン先生の為に連れてきましたけど仕事してくれないなら速攻で強制送還しますんでそのおつもり  で。

 下世話な話をしちゃうとちゃんと大陸共通金貨でお給料も出すし、遊ばせておく気はさらさら無い。

 師匠には皆が嫌な顔をするだろうけど和登君達の修行に付き合ってもらう。

 まぁ、クロ以外の他の皆の訓練を見て貰うのは師匠がこちらに来ると決めた時点で予め了承して貰っているので何も問題は無い。

 そんな事を考えながら二人にメイド長を紹介するとメイド長が礼をしながら師匠達に向けて口を開く。


「ご紹介にあずかりました。メイド長のメリッサでございます。ゴルデュフェスご夫妻様。よくぞおいで下さいました。こちらに滞在中はご不便が無い様に何なりとお申し付けください」

「よろしくお願いします」

「よろしく・・・お願いします」


 そんなやり取りをした後に私はとりあえず部屋の用意が終わるまではサロンで休んでもらおうかと提案したら師匠から思わぬ言葉を掛けられる。


「いえ、まずは私とレインの生徒達を見に行きたいですねぇ。今の状態でどの程度までできるか見ておきたいです」


 師匠がそう言うとレイン先生も同意するようにコクコクと頷くので二人がそれで良いのなら私には否は無いので私はクロが治癒魔法の練習をしている所へと案内する。

 クロが練習をしている部屋へとたどり着き、ドアを開けるとそこではクロが練習の為に怪我をした兵士に治癒魔法を掛けている。


「うーん・・・やっぱり、治癒魔法はまだうまくできない・・・」


 実を言うとクロは道中で負傷した兵士の治療などをしていたけど私の教え方がうまくないからか未だにうまく治癒魔法がうまく使えない。

 でも、何故かフェルに使った《フルリカバリー》等は簡単に扱える。

 その理由が分からないのでレイン先生の力をお借りしたかったのだ。

 そんな事を考えながらクロの方に行こうとするとレイン先生が私の脇を抜けてクロの方へと歩いて行き、負傷した兵士の傷口に手を翳すと治癒魔法を使いながらクロに声を掛ける。


「傷の・・・深さを・・・しっかり、理解しないとダメ・・・あと、イメージも・・・しっかりと固めないと・・・効果も薄い」


 そう言いながら綺麗に傷を治療させていくのをクロは驚いた様子で凝視する。

 うん、やっぱり餅は餅屋ですわ。専門家はやっぱり頼りになる。

 治療を終えた後で詳しく説明をしてくれようとするレイン先生を見ながら私はしみじみとそう思った。

此処までの読了ありがとうございました。

次回もごゆるりとお待ちいただけたら幸いです。

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