それって欠席できますかね?無理?そうですか・・・
おはようございます。
第315話投稿させて頂きます。
今回はコハク視点です。
楽しんで頂けたら幸いです。
「コハク‼」
「コハクちゃん‼」
ネージュから降りるとレヴィさんと光さんが私の名前を呼びながら飛びついて来る。
「レヴィさん、光さん。ただいま。心配をお掛けしました」
「本当よ‼どれだけ心配したと思っているの‼」
「何が有ったかちゃんと説明してもらうからね‼」
二人を抱きしめながら二人にただいまと心配を掛けてしまった事を謝ると二人からもしっかりとお叱りの言葉を貰う。
「いや、本当にすみませんでした」
「まぁ、色々言いたい事も有ると思うがそれらも含めて話でもしよう」
ジトっとした二人の視線から逃れる様に顔を逸らしながら私が謝罪の言葉を口にするとフェルが助け舟を出す様に場所の移動を提案してくれる。
皆がそれに同意して全員で嫉妬の国の首都へと向かう。
因みに傲慢と怠惰の国の兵士達は私が到着する前に軽く戦後処理を終わらせ詳しい話は後日という事で自分達の国に戻らせたらしい。
「という事で以上が私が行方をくらませていた期間に有った事だね」
嫉妬の国の談話室で居ないけど心配を掛けてしまった人達は通信機を使って説明を行った。
黄昏の国の人達?今はいないよ。
一通りの説明を終えて嫉妬の国のメイドさんの入れてくれた紅茶を一口飲んでいるとレヴィさんが大きな溜息を吐く
「それで、各地で暴れ回っている帝国の兵を退けた後で暁の国に行って貴女を助けたその子の力でフェルの治療をしてから二手に分かれて貴女は傲慢と怠惰の国に行って両国を脅していた強欲の国の兵を片付けてあの結末になったと・・・復帰早々無茶をしすぎでしょ・・・」
呆れた様に言うレヴィさんに此処に居ないオウルやアミルさんやブブドさんが声に出さずに同意する。
「まぁ、何はともあれ無事で良かったよ」
オウルが微妙に何やってんだコイツという空気を変える為にオウルがそう声を掛けてくれて他の魔王や人達もそれに乗っかってくれる。
「えーと、取り合えず。話すべき事は全部終わったかしらね。他に誰かこの場で訊いておきたい事とかは有るかしら?」
流石に緊張状態が長く続き疲れが出て来たのかレヴィさんが話を切り上げる準備を始める。
全員がお開きモードになりつつある中でクロが控えめに手を上げて口を開く。
「あの~、すみません。ここで話す事ではないと思うんですけどユーちゃんヒーちゃんと乾先輩に聞きたい事が有るんですけど大丈夫ですか?」
「私達に訊きたいこと?」
「俺もか?」
クロの言葉に夢菜さんと光さん、優君が疑問符を浮かべてクロの事を見る。
クロは奥歯に何かが挟まったような顔をしながら頷いて口を開く。
「うん。変な話かもしれないけど皆は私達が来る前もずっと此処に居たんだよね?」
クロの言葉に和登君以外の皆が頷く。
それを見たクロはますます訳が分からないという顔をしながら言葉を続ける。
「し・・・お姉の記憶が無い時に私はユーちゃんとヒーちゃんを街で見たの」
「湊瀬と早乙女の事は分かったが俺には何が関係するんだ?」
クロの言葉で優君が疑問を口にするとクロは困った顔のまま答える。
「乾先輩はお姉と出会ったばかりのころに質の悪い記者に絡まれたのを助けてもらったんです。帽子で顔を隠そうとしていたし、名前も教えてくれませんでしたけど初めて会った時に雰囲気と声で分かりました」
クロの言葉に皆がますます分からないと首を傾げる。
まぁ、それは当然だろう大体の予想は付いてはいるけど私も話を聞いた時には意味が解らなかった。
「まぁ、取り合えず。その話はまた考えるとして戦後処理や極度の緊張状態が続いた事で疲れているでしょ?そろそろ皆休もうよ?まだまだやる事は沢山あるしね」
皆の思考が出口の無い迷宮入りしそうな所で私はそう声を掛けて席を立つ。
今日は嫉妬の国に泊まって明日、フェルを暁の国に送ってから黄昏の国へと帰る予定になっている。
まだ一悶着有るし、クロと嫉妬の国を観光する約束もして居る。
「クロ、準備したら行こうか?」
「あ、うん。お姉。よろしくね」
クロに声を掛けて席を立つとクロは難しい顔をしていたのを変えて私と一緒に席を立つ。
「あ、コハクちゃん。クロちゃん。私も一緒に行く‼」
「え?ユーちゃんも一緒に行くなら私も行く」
二人で外に向かおうとすると夢菜さんと光さんも付いて来る様で四人で外へと出る。
出る途中で夢菜さんが「夜はレヴィさんも含めて女子会しようね」と言って来たので私は外を回っている間に何とか欠席出来ないかと考えていたがそんな努力は結局無駄な物だった。
此処までの読了ありがとうございました。
次回もごゆるりとお待ち頂けたら幸いです。




