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とりあえず今後の話をしようか?

おはようございます。

第267話投稿させて頂きます。

楽しんで頂ければ幸いです。

 お風呂に入って彼女の身だしなみを整え、私達はとりあえず空腹を満たすことにする。

 話し合わなければいけない事は沢山有るけどとりあえずは空腹優先だ。

 レンチンできるタイプのお粥のパウチをレンジに入れ既定の時間をレンジに掛ける。

 本当はしっかりした食べ物でも大丈夫なのだろうけど彼女がどれだけご飯を食べていないのか分からないので今日のお昼と夕飯はお粥で我慢してもらう。

 彼女のお粥を温めている間に自分の分の冷凍食品を温める準備をする。

 パウチのお粥が温まったらお椀に入れ、レンゲと一緒に彼女の前へと置く。


「熱いから気を付けてゆっくり食べてね」


 私の言葉にコクンと頷きゆっくりとお粥を掬って口へと運ぶ。

 見た所、食器の扱いについては問題なさそうだ。

 多分、憶えている事と忘れている事に波が有るかもしれない。

 そんな事を考えているとレンジから音がして私の分の食事も温まったので席に着いて「いただきます」と言って食べ始める。

 しばらく二人で黙々と食べ進めてお腹を満たす。


「「ふぅ~」」


 二人同時に息を吐き、私は思わず笑ってしまう。

 姉とはよくご飯を食べた後、今みたいに息を着くタイミングが被っていたので初対面の子と息が有った事により何だか可笑しくなってしまってゆーちゃんとひーちゃんが居なくなってしまってから久しぶりに笑ってしまった。

 突然、笑い出した私の事を彼女は不思議そうに首を傾げながら見ているのを見て私は一言謝ってから私は本題に入る為に口を開く。


「さて、お腹もいっぱいになった事だし、これからの話をしようか?」


 居ずまいを正して私がそう言うと目の前の彼女も心なしか居ずまいを正す


「まずは改めて自己紹介をするね。私の名前は宮城 黒羽。この家に住んでいて貴女の事はうちの敷地内で倒れていたのを保護した感じだよ。貴女は?名前とかやらないといけない事とかここまでで何か思い出した事は有る?」


 一応、改めての自己紹介と彼女と出会った経緯を教えて、彼女の事を質問してみる。

 恐らく何も思い出していないと首を横に振るだろうと思っていた彼女は首を少しだけ傾けながらゆっくりと口を開く。


「名前はわからない。でも、けんを探さないといけないみたい」

「けん?」


 彼女の今一意味の分からない言葉をオウム返しすると彼女はコクンと頷く。

 けん?券?権?分からない・・・彼女も聞き取れなかっただけで石鹸とか?


「誰かにそう言われたの?」

「夢に出てきた人」


 もう少し情報が欲しくて誰に言われた事なのかを彼女に訊くと夢の中の人だと言われて完全に手詰まりな上に当てにならない情報に私は内心で頭を抱える。

 顔には出していないはずだがそんな私を見て彼女は申し訳なさそうに「ごめんなさい」と

 呟く。

 彼女の呟きを聞いて私は慌てて彼女は悪くない有無を伝える。


「貴女は悪くないよ。私も知りたい事が有るから少しだけ焦ちゃって・・・ごめんね」


 少し前に焦らない様に注意しようと思ったばかりなのに彼女から何かしら情報が貰えると早速焦ってしまった。

 焦りすぎてしまった事に反省していると彼女が首を傾げながら驚くことを口にする。


「知りたい事って・・・ゆーちゃんさん?とひーちゃんさん?って人の事?」

「どうして・・・」


 まるで私の思考を呼んでいるような私の友人の呼び方に驚きと少しの恐怖を感じていると彼女は少しだけ申し訳なさそうな悲しそうな顔をして口を開く。


「・・・ごめんなさい。わたしの右目・・・何だか変みたいなの・・・」


 心が読めるらしい彼女は私の反応から怖がられている事を悟ったのか泣きそうになりながら私に謝ってくる。


「何時から?」

「起きた時から・・・多分、体質・・・」


 ———最初からって事はお風呂場で私が彼女の体を洗っている時に胸が柔らかいと思った事も全て筒抜けだったのか・・・

 私がそんな事を考えていると彼女はコクンと首を縦に振る。

 多少気まずくなってしまった空気を換える様に私は席払いを一つし、口を開く。


「とりあえず。貴女にはしばらくこの家で生活して貰おうと思うんだけどどうしたい?」


 私が彼女にそう訊くと彼女は泣きそうな顔を驚いた顔に変え、問い返す。


「・・・良いの?わたしの事、不気味じゃないの?」


 目に涙を溜めながら見開かれた青と紫の瞳を見返しながら私はもちろんと頷き返す。


「もちろん。最初に聞いた時には驚いたし、私の内心がただ漏れなのは複雑だけど私が二人の事を知るには貴女と一緒にいるのが一番良いみたいなんだよね。何より関わった子を途中で放り出すなんてしたくないもん」


 彼女を安心させるように彼女にそう言うと今度は嬉しそうに顔を綻ばせる。

 うん、美少女って笑うともっと美少女になるね。ってこの思考も筒抜けなのか


「ありがとう」


 そう言ってお礼を言う彼女に私はとりあえず本日最後の議題を彼女に向けて振る。


「じゃあ、ここからは最後の議題。貴女の事なんて呼ぼうか?」

「わたしの呼び方?」

「うん。仮にでも呼び名が無いと不便でしょ?何か呼ばれたい名前とかある?」


 私がそう言うと彼女はフルフルと首を横に振る。


「うーん。じゃあ、私が決めちゃってもいい?」

「うん」


 彼女に確認を取るとすぐに了承してくれたので私は少しだけ考えて彼女に告げる。


「じゃあ、シロちゃん。私が黒羽でクロだからシロちゃんでどうかな?」

「うん。わたしも何だかその呼ばれ方が良い」


 私が確認を取ると彼女・・・シロちゃんも気に入ってくれたのか直ぐに返事が返ってくる。

 それが嬉しくって私も笑みを浮かべ手を出しながら口を開く。


「じゃあ、これからしばらくよろしくね。シロちゃん」

「うん。色々ありがとう。よろしくお願いします。黒羽さん」


 そう言うとシロちゃんは私の手を握り返して満面の笑顔を見せてくれた。

 その後は共同生活をする上での決め事などを話し合ったり掃除機などの使い方を話したりして一日を過ごした。

 余談だけどシロちゃんに使ってもらう姉の部屋へと案内して中を見せあげたら部屋の中の蔵書量に若干引いたような顔をしていた。


此処までの読了ありがとうございました。

すみませんが来週は少し用事が有るので投稿をお休みさせて頂きます。

次回は第三者視点で少しコハク側の世界の話です。

ごゆるりとお待ち頂けたら幸いです。

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